勝者と敗者の分かれ道(その2)

ある投資家がこのようなことを言っていました。

『私は、相場についてはあまり知識も無く、勉強してもすぐ忘れてしまう。しかし、相場が好きなので、今まで何とか頑張ってきました。売買の方法もそんなに難しい方法ではありません。

できるだけ損を少なくする方法で売買してきました。自分の決めた損切り幅で損切りするだけです。たしかに、損が続くときは辛くもなりますが、いろいろ考えても損は損ですから最初に決めた損切り幅で損切りします。

利益となった場合は、仕掛け後の*【高値から一定の幅を持たせ】、その値段になったら利食いします。ほとんどこれだけで20年も売買しています。私には他の方法は向いていませんし、これからもこの方法で好きな相場を続けていきますよ。』

上記の*【高値から一定の幅を持たせ】とは、トレイリング・ストップという手法です。

トレイリング・ストップとは、反対売買するときに利益を確保しながら利益を伸ばすための手法を言います。買い仕掛け後に株価が上昇したら、仕掛け後の高値から決められた損切り幅(たとえば高値から10%などとして)に達しない間は利食いしない。

たとえば、損切り幅を10%とした場合、100円で仕掛け、その後株価が120円になったら120円の10%下の108円になるまで利食いしない。株価が更に上昇して150円になったら135円になるまで利食いしない。このようにして、株価が上昇するたびに売却するラインを上げていくことで、利益を確保しながら利益を伸ばして行く手法をトレイリング・ストップと言います。

上記の投資家の投資手法は非常にシンプルな手法ではありますが、そこには、投資の基本である「損小利大」の考え方がしっかりと反映されていることを理解してください。理にかなえば、必ず利益は得られるものです。

投資家が百人いれば百通りの売買法があると言われています。どのような売買手法でも、「理にかなった、自分に合った、自分の信じる売買手法」で継続して売買したいものですね。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁

勝者と敗者の分かれ道(その1)

私もたまには仕事の合い間にインターネットの株式サイトを覗くことがあります。ちょっと読んでみると、いろいろな売買手法があり、解説をしています。

自分で実際に売買されると、どこにも「すばらしい」投資法などないことに気が付きます。
分析ソフトなども実際に利用してみると期待通りではないことに気がつく。しかし、そのような環境の中でもコツコツと稼いでいる投資家もいる。どこが違うのでしょうか。

株式投資の成果は「最終的には投資家の性格に回帰する」と言われています。同じ売買手法で売買しても、同じ分析ソフトを利用しても脱落していく者もいれば、コツコツと利益を積み上げていくもの者もいる。なぜだろうか。

私は長年、個人投資家と接する機会が多い。このような中で感じることは、利益を積み上げている投資家には、「ひとつの売買法をひたすら続けている」ということが感じ取られます。ひとつの売買法をひたすら続けるということは、言うには簡単ですが実際には大変な努力が必要となってきます。

実際に売買すると分かりますが、ひとつの売買法を続けると相場展開によっては、負け続けることがある。一般に、負けが続くと閉口して、一時休むか、他の投資手法に鞍替えしてしまう。これは誰もが抱く感情であり、また同じような行動を取る。

しかし、どのような投資手法でも負けが続くことは必ずある。このように負けが続くときには、どのような対応をすべきなのでしょうか。

私は、これらの対応如何で勝者となるか敗者になるか決まってしまうような気がします。まず、それらの対応をする前に考えなければならないことがあります。それは、今現在、自分が行っている投資手法が正しいかということです。

実際には「これが正しい投資手法である」などということはあり得ませんが、ここでは投資家自身の判断で良いのですが、その手法が「正しい(理にかなっている)」と思えるか、「自分に合っている」かということになります。つまり、現在自分が行っている投資手法を信じられるかということです。

私自身は、自分の投資手法や考え方に自信を持っていますので、たとえどんなに負け続けても、その売買法をひたすら続けます。相場には絶対や完璧というものなどなく、投資家は、何を信じて、何をよりどころにして売買を続けていくか考えなければなりません。(つづく)

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁

株価変動の要因とその理解を深める(その2)

通常、もちあいは高値から少し下げたところで起きます。

2006年のもちあいもそうですし、2004年4月の12000円台の高値から、その後一年間にわたるもちあいも同様でした。

しこり玉の整理には二通りあります。ひとつは、2006年のようなもちあいでの時間的整理、もうひとつは、急落による値幅の整理によるものです。相場下降期には、急落による値幅の整理が多く、相場上昇期には時間的整理が多いようです。

話は戻りますが、なぜ買いコストが16000円前後なるかということですが、これらはすでに述べましたように、買い方の一番多い水準ということになります。しかし、日経平均を見てみますと、実際には2005年の9月から12月あたりが一番出来高が多く、これらを含めて買いコストを計算すると買いコストが16000円前後にはならないのではないかという疑問がわいてきます。

もし、自分が2005年の9月から12月の間で買い仕掛けを行ったとしたらどうでしょうか。短期売買の投資家であれば、すでにその後の高値近辺で手仕舞していたのではないでしょうか。ということは、2005年の9月から12月の間で仕掛けた投資家の多くはすでに手仕舞いをして、その水準での投資家は少ないということが言えます。

そのため、買いコストを計算する場合は、高値近辺での買いコストを計算すればよいということになります。具体的に言えば、高値から20%下までの買いコストを計算すれば、今後の株価変動に影響するコストが計算できるということになります。

これらの買いコストなどの計算方法の詳細については、拙著「株の短期売買実践ノート」「株を極める!仕掛け・損切り・利食いプロのノウハウ」に詳しく記載されています。

しかし、株式市場には短期売買の投資家だけが売買しているわけではなく、長期投資の投資家も多く存在しています。そのため、2005年の9月から12月の間で仕掛けた投資家の中で長期投資の投資家は、2007年に入っても持ち株を持続していると考えられます。

そこで2005年の安値からの買いコストを計算してみると14000円強となり、2006年6月の安値とほぼ一致します。つまり、2005年の安値からの買いコストが2006年の高値からの下げのサポートラインになっているということがわかります。このように、需給関係から株価変動を捉えることにより、株価分析がより明確になってきます。

以上のように、株価変動はその要因(原因)を正しく理解し分析することにより、株式投資に対する理解が深まり、理論的な分析が可能となるのではないでしょうか。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁

株価変動の要因とその理解を深める(その1)

株価変動にはそれなりの法則があり、これらを理解することにより株式投資がより身近なものになるのではないかと思います。

下記に解説します内容は株式分析の一般論と理解してください。物事の現象は、すべて「原因と結果の法則」で成り立っています。つまり、原因なくして結果なしということです。相場においても同様です。

一般に、企業業績が好調となれば株価も上昇します。これらについては、企業業績好調を多くの投資家が認め、そこに買いが入るためです。買いが入るということは、需要があったということであり、この需要によって株価が上昇するわけです。

たとえ企業業績が好調であっても買いという需要がなければ株価も上がりません。反対に、倒産しそうな会社でも買いの需要があれば株価も上昇することになります。

つまり、株価の変動は需給の変化(原因)によって株価が変動(結果)するということになります。株価分析には、この需給の変化を的確に捉えることが必要となってきます。

2006年の日経平均は長期間のもちあい状態でした。これらにもそれなりの要因はあります。これは2006年初めの高値のしこり玉の整理のためでありました。

2006年初めの高値の買いコストが16000円前後であるため、この水準をめぐる買い方、売り方の攻防戦であると言えます。

買いコストとは、平均して買い方の一番多い水準ということですが、この買い方の一番多い水準が、その後の株価の変動に大きく影響してくるということになります。

ここにおいても、買い方の一番多い水準が原因となり、その後の株価変動が結果ということになります。(つづく)

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁

何が基本であるか

投資の基本に戻り、投資において何が一番重要であるか、何が基本であるか考えてみることにしましょう。

1.自分なりの投資手法を持つ。
投資家には、意識する、しないに関わらず自分なりの投資スタイルを持っているものです。売買手法が逆張りであったり順張りであったり。また、デイトレードが得意であったり、長期投資を好む投資家がいたりして、投資家の数だけ投資手法があるとも言われています。

投資家それぞれに、ある程度の投資手法や投資スタイルを持っているものの、成績が芳しくないとすぐ他の売買手法に目移りしてしまう。どのような売買手法であっても飛び抜けてすばらしい手法などないということを自覚して欲しい。今までの体験に照らし合わせて、足元を見つめて確固たる投資手法を確立して欲しい。自分の投資手法なくして成功は無いと理解していただきたい。

2.「損小利大」の売買を行う。
ある程度、自分なりの売買手法が確立されたら、その売買において「損は小さく、利益はできるだけ大きく取る」という売買にいかに近づけるか考えて欲しい。私は、常々どのような投資スタイルであっても、最終的に売買手法が「損小利大」の売買にならなければ、長期にわたり相場で利益を上げることは不可能であると述べています。しかし、これらの構築が難しいことは事実であるのですが・・・。

誰が売買しても、感情的な売買では「利益はできるだけ早く確保し、損失分は、いつかは解消されると考えいつまでも放置する」という行動を取ってしまうものです。結果的に利益は小さく、持ち株は全て塩漬けということになってしまう。相場で儲からない一番の原因は「塩漬け銘柄を持つ」にあることを自覚して欲しい。

3.感情を断つ。
一般に株式投資で勝つには、情報の先取りであるとか、投資必勝法を探すなどと言われていますが、株式投資で勝利するための本質が「感情を断つ」ことにあることはほとんど言われていない。私は、投資の世界で一番難しいことは、この感情のコントロールにあると考えています。欲得の世界で「感情を断つ」ということがいかに難しいことか・・・。

私自身、これらの問題をいまだ解決できずにいます。これらは投資家に課せられた永遠のテーマかもしれません。私は、これらの問題を解決できないため、システム売買に逃げ込んだと言ってもいいでしょう。カリスマトレーダーといわれる人達はこれらの問題をいとも簡単にできてしまうという天性の持ち主かもしれません。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁

直接・間接分析手法および日柄について(その2)

株式投資において、「日柄」という問題について明確に答えが出せる人はいないと思います。

「日柄」とは、株価サイクルなどと言って高値間の日柄、安値間の日柄、また高値から安値までの日柄を算定するものです。

これらは移動平均線などの設定期間などにも利用されています。これらについて私もかなり研究をしましたが、いまだに答えが出てきません。

ある程度「日柄」が分かれば、次の高値や安値が掴めるのではないかと思います。

シミュレーションにおいて、これらの参考となる数値がおぼろげながら算出されています。なぜそのような数値になるかは現在は分からないのですが、あらゆる角度から分析すると、おおむね「75日」という数値に落ち着くようです。

私は常々、根拠のない指標は利用しないと述べてきました。このような立場から今後、この「75日」という根拠について解明していきたいと考えています。また、この倍数の「150日」という数値も何らかの要因になっているような気がします。

株式投資は、売りか買いかの判断しかありません。つまり二者択一でしかないのです。売買手法もあまり複雑な手法は使わず、できるだけシンプルな方法での売買をお奨めします。私が分析、検証に利用する指標も一つか二つです。

「シンプル イズ ベスト」です。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁

直接・間接分析手法および日柄について(その1)

シミュレーションを行う過程では、いろいろと感じることや新しい発見などもあります。シミュレーションは、膨大なデータで行うため多くの時間を要することになります。これらによる分析結果が、私の株式投資における「心のよりどころ」となるわけです。

株式投資の手法は、投資家の資金量や性格、投資スタンスなどにより選択されます。

最近は目先売買などの超短期売買も多いようですが、このような超短期的な売買では「直接分析手法」が最適です。「直接分析手法」とは、株価を直接読みながら売買するという手法です。

具体的には、仕掛け値から○円上がったら利食いする、○円下がったら処分するなど、また、前回の高値を抜けたので利食いする、前回の安値をきったから処分するなど、株価によりその売買を決定するという手法です。

これらに対して「間接分析手法」は、いろいろなテクニカル分析手法を利用して売買する手法です。「間接分析手法」は、直接株価を読むのではなくテクニカル指標によりその売買の判断を行うものです。たとえば、RSIのように20ポイント以下になったら仕掛け、80ポイント以上になったら決済するなど、売買の判定を指標に委ねる売買法です。中期的な売買には向いていると思います。

どちらの手法が良いというわけではありませんが、目先的な売買に「間接分析手法」を利用すると、利が乗って決済しようとした時にそのタイミングが遅れて思いがけず利益が減ってしまったりすることがあります。

テクニカル分析指標には、指標と株価の間にブレがあり、超目先的な売買には向いていないような気がします。しかし、「直接分析手法」は投資家のセンスが要求される手法ではありますが・・・。

これらについてはシミュレーションの過程において感じることです。また、シミュレーションにおける結果ですが、投資スパン、つまり投資の期間については、どのような角度から検証しても「投資期間が短いほどその収益は小さくなり、投資期間が長いほどその収益は高まる」という結果になっているようです。これらは年率に換算しての検証結果です。

目先的な売買は、統計上はその収益は小さいため目先売買で収益を上げようとするには、投資家の投資手腕に依存する部分が多くなるのではないでしょうか。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁

分析システムの開発(その2)

投資においては、「投資機会」という問題を考えなければなりません。そのような意味においてシミュレーションは「どてん売買」で検証しなければならないと考えるのです。

株式投資は、総投資金に対するパフォーマンスで評価するものです。

現在のシミュレーション結果は、1500銘柄を10年間、休みなしに売りと買いで連続売買をしたとしますと、勝率は40%前後、売買1回あたりの利益は3%強、1回あたりの売買期間は120日前後です。単純に年率に換算すると10%くらいでしょうか。

「なんだ、そんなものか」という声が聞こえてきそうですが・・・。

1500銘柄を10年間、連続売買してトータルしてプラスにするということが、いかに困難なことか当事者でしか分からないことではあるのですが。実際にこのようなデータや資料を見たことがあるでしょうか。

上記の検証結果により、私が売買する場合は、1500銘柄を全て売買するわけではなく、株価変動率の高い上位200銘柄程度の銘柄を選択しての売買となるため、実際のパフォーマンスは数段に向上することになります。

新しいシステム開発はまだまだ続きます。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁

分析システムの開発(その1)

システムの開発は、多くの時間を必要とし、あるときは深夜まで、またあるときは朝までになることもたびたびです。システム開発で取り扱うデータ量も膨大なものとなります。システム開発は非常に困難を極めるものです。

システム開発は、あるアイデアのもとに、その検証をすべきシミュレーションを繰り返し行います。そのパフォーマンスを分析して、それらをもとに、またバックテストを行うという作業を延々と続けていくものです。時間をかけて検証を行ったものの、その結果が思わしくないとがっかりとして、その疲れが倍増してしまいます。

現在もこのような検証を毎日続けています。部屋に閉じこもり体を動かさないため、最近はメタボリックシンドローム状態です。このような状況を見た友人に「まるでパソコンおたくのおっさんじゃないの」と酷評される始末です。

では、ここでこれらの検証結果の中間報告をしてみたいと思います。
まず、これらの検証で取り扱うデータですが、これらは東証銘柄で、ある程度出来高のある銘柄をピックアップします。その銘柄数は1500銘柄程度です。株価データは、過去10年、約2500日分として検証します。全て日足ベースで、総データ量は、約375万日分となります。新興市場は、株価が思惑的に変動しますので採用しません。

これらのデータをベースとして分析を行います。分析手法として、たとえば一日の株価に対して、過去100日分戻るなとして検証していきますので、その解析回数は天文学的な数値になるのではないかと思います。コンピュータでなければできない作業です。

分析手法はすべて「どてん売買」です。買い付けのあとに決済し、同時に売りにどてんするという連続売買手法でのシミュレーションです。なぜ「どてん売買」でなければいけないのかと質問を受けます。私は、シミュレーションは絶対に「どてん売買」でなければいけないと過去の経験から固く信じています。(つづく)

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
無断転載厳禁