愚か者、その名はナンピン

初心者はまず、空売りやつなぎ売買を覚える前に「ナンピン」を知ってしまう。ナンピンは平均コストを下げるため有効であると解説した書籍もあるようだが、その著者は評論家であって実践者ではない。株式投資でナンピンほど愚かなものはない。最後には全財産を失ってしまう。

三年も続いた上昇相場であればナンピンも有効に働いたと思う。これらの時期に大いにナンピンを利用し稼いできた投資家も多いはず。これに気をよくし、ナンピン買いを続けてきた。しかし、・・・。大きな下げ相場であればナンピンほど危険なものはない。特に信用取引でのナンピンは致命的である。熟練者であってもナンピンは難しいものであり、ましてや初心者がするべきものではない。

ナンピンは精神的に楽なのです。損切りの苦痛を味わうことなく、下げに買い増ししていけば戻ったときの見返りも大きい。これがたまらないという投資家も多い。しかし、いつもうまくいくとは限らない。株式投資は勝負事ではない。ここにリスクコントロールが存在しない。

株式投資において、リスクコントロールの概念を持ち合わせていないと、撤退組に入ってしまう。

私は、ナンピンを完全に否定しているわけではない。ナンピン回数やその資金配分、ナンピンポイントなど計画性を持って行うのであれば間違いではないと思う。また、最初から分割売買で仕掛けや決済を行う目的であれば、これはりっぱな「分割売買手法」である。

しかし、初心者の多くは何をさておいても損を出したくない一心でナンピンを行う。これらには計画性もなく、主観の最たるものであり完全な後ろ向きである。初心者であっても株式投資で「損が出ないことはない」と言うことは知っているはずです。

特に材料や情報などで売買する投資家は、材料があるからといって特定の銘柄に入れ込みナンピンを続ける。そんなはずはないと自分に言い聞かせながら・・・。
入れ込んだからといって、その見返りがある保証はない。リスクコントロールのベストは「損切りにあり」です。

底なし沼に入ってしまっても誰も助けてくれない。もがけばもがくほど沈んでしまう。危険なところには近寄らないことです。

「ナンピン、ナンピン、スカンピン」

老婆心ながら・・・。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
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