株価変動の要因とその理解を深める(その2)

通常、もちあいは高値から少し下げたところで起きます。

2006年のもちあいもそうですし、2004年4月の12000円台の高値から、その後一年間にわたるもちあいも同様でした。

しこり玉の整理には二通りあります。ひとつは、2006年のようなもちあいでの時間的整理、もうひとつは、急落による値幅の整理によるものです。相場下降期には、急落による値幅の整理が多く、相場上昇期には時間的整理が多いようです。

話は戻りますが、なぜ買いコストが16000円前後なるかということですが、これらはすでに述べましたように、買い方の一番多い水準ということになります。しかし、日経平均を見てみますと、実際には2005年の9月から12月あたりが一番出来高が多く、これらを含めて買いコストを計算すると買いコストが16000円前後にはならないのではないかという疑問がわいてきます。

もし、自分が2005年の9月から12月の間で買い仕掛けを行ったとしたらどうでしょうか。短期売買の投資家であれば、すでにその後の高値近辺で手仕舞していたのではないでしょうか。ということは、2005年の9月から12月の間で仕掛けた投資家の多くはすでに手仕舞いをして、その水準での投資家は少ないということが言えます。

そのため、買いコストを計算する場合は、高値近辺での買いコストを計算すればよいということになります。具体的に言えば、高値から20%下までの買いコストを計算すれば、今後の株価変動に影響するコストが計算できるということになります。

これらの買いコストなどの計算方法の詳細については、拙著「株の短期売買実践ノート」「株を極める!仕掛け・損切り・利食いプロのノウハウ」に詳しく記載されています。

しかし、株式市場には短期売買の投資家だけが売買しているわけではなく、長期投資の投資家も多く存在しています。そのため、2005年の9月から12月の間で仕掛けた投資家の中で長期投資の投資家は、2007年に入っても持ち株を持続していると考えられます。

そこで2005年の安値からの買いコストを計算してみると14000円強となり、2006年6月の安値とほぼ一致します。つまり、2005年の安値からの買いコストが2006年の高値からの下げのサポートラインになっているということがわかります。このように、需給関係から株価変動を捉えることにより、株価分析がより明確になってきます。

以上のように、株価変動はその要因(原因)を正しく理解し分析することにより、株式投資に対する理解が深まり、理論的な分析が可能となるのではないでしょうか。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
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