損切りができない二つの理由(その2)

よく、システム開発において「最大ドローダウン」という言葉を聞きますが、これは、そのシステム運用中に最大の損失幅はどのぐらいあるかということです。このように、システム開発において損失幅については最大限の注意を払います。

投資においては、その損失回数をいかに少なくするかということではなく、いかに一回当たりの損失幅を小さくするかということが重要になってきます。すなわち、投資においては、損切りが全てに優先すべきアイテムであるということが言えるのではないでしょうか。

このように損切りが重要であることはわかっています。しかし、実践においては、「どのポジションで損切りしていいか分からない」「損切りポジションは決めているが実践ではなかなかできない」といったところが現状ではないでしょうか。

確かに、これらの損切りがスムーズにできれば、今頃大きな利益を得ているはずなのですが・・・。これらが実行できない原因は二つあると思います。

ひとつは技術的な面です。一般には「10%下げで損切り」などとして損切りしますが、損切りが続いて参ってしまい、途中から損切りをやめてしまう。これにはハッキリした原因があります。それは、どのような銘柄でも一律に同じ損切り幅で損切りしようとするからです。各銘柄は、それぞれ値動きも違いますし、変動幅も違います。これらを一律に損切りすること自体間違いです。

ではどうすればよいか。基本的には「その銘柄の変動幅により損切り幅を変化させる」と言うことです。具体的には、その銘柄の過去一年間の高値と安値を拾い出し、[(高値÷安値)=変動幅]で変動幅を算出し、その変動幅に応じて損切り幅を決めることです。変動幅の大きな銘柄は損切り幅を大きくし、変動幅が小さい銘柄は損切り幅を小さくします。

もうひとつ、これは投資家自身が解決しなければならない問題です。投資家のメンタル面です。誰も損はしたくはありません。しかし、損失は発生します。投資で損をしないということはありえませんので「損を受け入れる」「損を容認する」という気構えで挑まなければなりません。

相場では損切りしても、その後反転してしまい「しまった」と思うことも多くあります。相場においては、競輪、競馬のように、ゴールしてしまえばそれで終わりということはありません。相場はエンドレスです。エンドレスゆえに「あの時こうすればよかった」などといつまでもくよくよします。そのために損切りをためらう結果にもなっています。

メンタル面は投資家自身が解決しなければなりません。誰も助けてくれる人はいません。これらのことを十分理解し、心して投資活動を行わなければなりません。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
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