市場で生き残るために(1)

一般に投資家は、売買に入る前にそれなりのシナリオを描いてスタートします。相場はこれから上昇するだろうと見込んで買いから入る。また、反対に相場は下げるだろうと予測し空売りから入る。

これらの思惑が交錯し市場は変動することになります。このように、いろいろな意見や考えがあって市場が成立することになります。これらの基本ベースにはファンダメンタルズがあります。

このような要因により株価は変動するわけですが、もし、株価変動がこれらの思惑と反対の変動になったときに投資家はどのような行動を取るのでしょうか。

初心者の場合は「少し様子を見よう」「下げたらナンピンするか」などと考え、何の行動も取らず放置します。その対策を何も考えていない。ルールを決めておいても、あれこれ自分に言い訳して実行ができない。

様子を見るのであれば、その対策を考えてから様子を見るべきであり、ただ眺めているだけでは、いつまでも初心者の域を抜けきれない。ナンピンなどは愚の骨頂である。

中級者の場合は速やかに損切りする。または、つなぎを入れる。シナリオが壊れた時は、その対策はすでに考えてあり、そのルールに従い行動する。その行動は早い。

初心者と中級者の差はその程度です。しかし、この差がのちのち大きな差となって現れてきます。この差が儲かる投資家と損する投資家の違いです。要するに自分が決めたルールを実行できるか否かにかかっているような気がします。

株式市場は自由市場であり、誰がどの銘柄を買おうと売ろうと実行しようと実行しまいと自由です。我々の現在の社会もあらゆる自由があり、その中で生活をしています。しかし、社会の秩序を保つため法律(ルール)があり、これらに守られて生活をしています。社会を乱す行為(法律違反)を行なうと罰せられます。

株式市場においても、自分が作り上げたルールも守れないようでは、当然ながら罰せられることになります。損失とか市場からの退場などの罰が下されます。

つづく

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天気予報と相場予測(2)

投資家は理想を追うのも良いでしょう。投資の理論を述べるのも結構です。投資の本道を語ることも良いでしょう。しかし、投資家の最終的に求めるものは、実利であることを忘れてはいけない。

現在のような下落相場では「買いのみ」での投資家は、市場から撤退を余儀なくされている状況にあります。投資の世界は理想や理論のみで通用するところではありません。限りなく実利を追求する世界であることを肝に銘じていただきたい。

「勝てば官軍」という言葉がありますが、まさに投資の世界は勝たなければなりません。どのような手法であっても勝たなければなりません。反主流的な手法であっても勝てれば良いわけです。

投資の世界は実利の世界です。評論家のように「いろいろ知っているが、やらせたら下手」では通用しません。

誰もが考えそうな売買手法では、その結果も芳しいものではありません。株式投資では、少数派に付くという考え方もあるのです。

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天気予報と相場予測(1)

最近の天気予報はよく当たるようです。これは高速のコンピュータの出現によるところが大きいと思います。天気予報は、現在の温度や湿度、気圧、風向きなどを過去の膨大な事例と比較して計算するものです。

今後の経済の見通しなども、過去の推移と比較して観測を行うものではないでしょうか。株式投資におけるバックテストもこれらの天気予報と同じように、過去の膨大なデータを検証し行うものです。

株式投資は天気予報のようにどのようなデータを駆使しても、なかなか今後の予測は付かないものです。それは、予測もしない突発的な事件などもありますし、また、当局の発言などがあったりして相場の予測は難しいものとなります。

私は相場の今後は予測しないというスタンスで取り組んでいます。なぜ予測をしないのかという質問を受けます。株式投資は将来に対しての投資であるため予想、予測なしでは株式投資はできないのではないか、など・・・。

確かにその通りであると思います。私が株式投資関係の仕事をしていると聞くと、多くの投資家(素人)は、「これから相場は上ですか、下ですか」と必ず聞かれます。これらの質問に私は「わからない」と返事しています。

「専門家なのに分からないとは何ごとか」などと叱られます。私は、これらの質問に素人だからといって、いい加減に答えているわけではありません。本当に分からないのです。逆に、知らなくても良いと思っているくらいです。

ある程度は今後の見通しについて考えはあるのですが、それと株式投資で利益を上げることには大きな乖離があると思っています。これらについては当欄で何度か説明してありますが、今後の見通しなどは、ある程度予測はできても、その予測には主観も入りますし、実際の売買に役に立つかという問題が残ります。

私は、このような不確実な予測や主観的な予想などの曖昧さが残るものは、バッサリと切り捨てています。これらは投資の本道から外れるかもしれません。

しかし、投資家のほとんどが予測、予想して売買した結果が信用の評価損率として現れているという現実も見過ごすことはできません。

つづく

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