高値覚え、安値覚えとは(1)

投資格言に「高値覚え、安値覚え」ということわざがあります。過去の高値や安値の水準にこだわりすぎると、「売り・買い」の判断が正しくできないという意味の投資格言です。

たとえば高値覚えの場合は、相場が下げ歩調に転じても、以前の高値が忘れられず、その値段を基準に売買の判断をし、そのうちに前の高値に戻るだろうといった気分から、いっこうに持ち株を売ろうとしない投資家が多くいます。このような投資行動を高値覚えといいます。

偶然にして、以前の高値に戻ることもありますが、多くの場合は日柄整理を必要とするため、株を持っている期間が長くなり、投資効率が悪くなる傾向にあります。結局、このような考えや行動が「塩漬け」という現象を引き起こすことになります。

上記のような考えや行動は、投資家であれば誰でも思うことであり、結果として誰でも考えそうなことやその行動は相場ではあまり通用しないということが言えるのではないでしょうか。

また、今回の相場の急落時において、空売り筋は相場最安値時には大きな評価益が発生したものと思います。しかしながら、その後の戻りにおいて評価益は消え、がっかりしている投資家も多いと思います。このようなことは、長い投資期間の中ではケースとしては少ないとしてもありえることです。

急落後の急騰において最安値で空売りを買い戻し、そこで新規に買い付けできないものかと誰でも考えるものです。投資経験の長いキャリアを積んだ投資家であればこれらも可能かも知れませんが、これらも結局、裁量的な売買となります。投資家の力量にゆだねられることになります。

このような問題をテクニカル分析の面から考えて見ましょう。
一般にテクニカル分析では分析する期間を設定します。この分析期間の取り方によってその結果が大きく変わってきます。分析期間を短くすれば今回のような急落、急騰場面においても的確な判断ができたと思います。

しかし、今回のような場面においては的確な判定を下したとしても、そのほかの相場展開ではどうでしょうか。このようにテクニカル分析においては、分析期間の設定は非常に難しいものとなります。

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シートベルトをしっかりと締めて(2)

私は常々申し上げています。「株式投資は長期間にわたり継続して運用する」ものであると。つまり、市場に生き残っていなければならないということ。そのためにはリスク管理が必須であると。今回の相場急落において、リスク管理の必要性が痛いほど理解いただけたものと思います。

リスク管理の方法はいろいろありますが、株式投資では、いかなる場合でもヘッジをしておくということではないでしょうか。リスクにはヘッジ(保険)が必要です。

もし、今回の相場急落で大きく損を被っている投資家であれば「その投資手法は間違っている」と言えます。「自分は長期投資だから」と言う投資家もいるかも知れませんが、心中穏やかではないと思います。

現在市場に参加している投資家のキャリアは4、5年と聞いています。キャリアが4、5年では安定的に収益を上げることは困難でしょう。中には、今回の相場で「頭の中は真っ白、目はうつろ」状態の投資家もいたと聞いています。

人間は追い込まれたときに、ふだんは見られないその人間の本性が出てくるとも言われています。真価が問われるときでもあります。今回の相場急変では投資家の資質が問われる良い機会です。一歩踏み出すか、一歩後退するか、それとも退場するか。

もし、株式投資が好きであれば一歩踏み出すべきです。これらはすべて私が通ってきた道でもあるのです。投資の世界では、たとえ失敗しても多くのことを学ぶことができます。私は投資の世界は人生の縮図であると思っています。

今回の相場で何が間違っていたか、何が正しかったのか、何をするべきだったのかが十分認識できたと思います。ネガティブにならず、これらを学ぶすばらしい機会であると理解してください。。何も心配することはありません。これらは今後の投資活動に大いに貢献し、更なる飛躍の礎となることは間違いないからです。

相場の荒波に負けないように、しっかりとシートベルト(ヘッジ)を締めて乗り切っていきましょう。

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シートベルトをしっかりと締めて(1)

世界中の株式市場が大荒れです。ニュースのトップ扱いになり、あれやこれやと騒いでいるようです。ニューヨーク市場などは、まるでジェットコースターに乗っているようです。このような市場で儲けた者、損をした者、悲喜こもごものようです。

このような相場状況において「投資家は落ち着いて行動しなければならない」などと呼びかけているようですが、追加担保の請求などきたら落ち着いていられるはずもありません。ここまできて「落ち着いて」などとは、所詮無理な話です。

相場の世界では、予想もつかない状況はいつでも起きます。投資家はこれらを承知の上で市場に参入してきているはずです。しかし、それらの対策が講じられていないのが現状ではないかと思います。

リスクに対しての対策をせず市場に参入すれば、投資不適格者としてペナルティを受けるのは当然ではないでしょうか。そのペナルティにも懲りずに市場にとどまっていても、いつかはレッドカードで退場させられることになります。

通常の相場変動であれば、リスク対策などは足かせとなってパフォーマンスを下げることになりますが、今回の相場の急変のような場面では、せっかく積み上げてきた利益も一瞬に吐き出してしまうことになります。利益がなくなるならともかく、元金まで目減りしてしまうような結果になります。

つづく

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安定した収益を上げるために(2)

このような考えも間違いではないのですが、投資の安定性となるとチョッと異なってきます。投資の安定性とは、まず大きな損失を被らないということが上げられます。大きな損失を被らず安定的な収益を上げるにはどうすればよいでしょうか。

その答えは、意外と思われるかもしれませんが「売買回数を増やす」ということにあります。たとえば、デイトレードのようにその日のうちに決済してしまえば、塩漬けになるような大きな損失は避けられるはずです。

もちろん、デイトレードでその日のうちに決済してしまえば儲かるということではなく、そこには売買テクニックが必要となってきますが・・・。

理論的に、売買回数が多いということは、そこに「大数の法則」が働くことになります。売買には高度な売買手法を必要としますが、大きく負けることがなければ、相場の必勝法である損小利大に近づくものです。

投資とは、長期間継続して運用するものであり、安定して儲けることが結果として収益を拡大することになるのではないでしょうか。

今後、投資の世界ではシステム運用が主流になると考えています。システム運用は売買ルールをはっきりと決めて運用します。洗練されたシステム運用では、統計的に安定した損益確率分布を示しているからです。

「長期間継続して運用する」→「洗練されたシステム運用」→「売買回数を増やす」→「安定して儲ける」→「収益が拡大」となるはずです。いかがでしょうか。

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安定した収益を上げるために(1)

相場での目的は儲けることにあります。その目的にはできるだけ大きく儲けたいと同時に安定した収益を上げたいという狙いもあります。その収益が不安定では投資金の投入も恐る恐るということになります。しかし、その収益が安定的であるとすれば自信を持って投資金を増やすこともできるはずです。

相場で勝つには、統計に基づいた売買することが賢明であると考えます。統計的な裏づけもなく、ただ単によさそうだからなどとしてテクニカル指標を盲目的に利用することは愚かしいものです。しっかりとした裏づけを取って利用したいものです。

投資には収益性と安定性が求められます。投資はリスクとリターンのバランスであり、収益性が高ければそのリバウンドも高いものになります。多くの投資家は投資に過大な収益性を求めがちです。そして勝率も高い投資法を求めます。

去年は大きく儲かったが、今年は全然ダメでは収益の安定性に問題があります。投資初心者はこのような運用になっているようです。相場上昇期には大きく儲け有頂天になるものの、相場下降期には相場欄も見るのもいやだとなる。

しかし、投資家もある程度キャリアを積んでくると一発大儲けは狙わず、できるだけ安定した収益を確保する運用法にシフトしてくるようになります。相場の怖さを体験し保守的な投資手法に変わってくるようです。

では、安定的な収益をもたらすにはどうすればよいのでしょうか。従来の投資法では長期投資を「正しい」とする考え方が根強いようです。相場の大きなトレンド捉えて大きな波に乗っての売買が効果的と考えが一般的なようですが・・・。

つづく

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市場で生き残るために(2)

自由市場の中では、どのような売買を行っても自由ですが、そこにルールがなければなりません。株式投資は多くのリスクもはらんでいるのです。「自由」という言葉はすばらしい言葉ですが、「自由」というのは我々の社会と同様、ルールがあっての自由であり、何でもやって良いということではないのです。

ルールなき自由は⇒暴走⇒崩壊を辿ることになります。株式投資で重要なことは「自分なりの売買ルール作り」にあります。株式投資は他のビジネスと異なり、非常にメンタルであり、また感情的になり自分を忘れパニックに陥りやすいものです。確固たるルールを持たず市場に参入すると、いずれ暴走⇒崩壊となり市場から追放されることになります。

硬い決意を持って「ルール厳守」で売買をスタートしたものの、そのルールが破られるのに時間は要らない。すぐにルール通りの売買ができなくなってしまいます。なぜでしょうか。

そのひとつには、それらのルールの根拠や裏付けの不明確さにあると思います。もし、そのルールに絶対の信頼を寄せているのであれば、たとえどのような状況になっても実行できるでしょう。10%損切りなどの投資家の都合のルールでは、その継続的な実行も危ぶまれます。

しかし、これらのルールに信頼できる明確な根拠をどのように求めるかという問題もあります。これらについては、一般の投資指南書などを参考にするのではなく、自分の目で確かめて判断するべきです。これらには時間と労力を惜しまず、バックテストなどで確証を得るべきです。

次に、決められたルールの実行にあります。持ち株の評価損が膨らんできた場合などには、感情面からそのルールの実行ができないという現象が起こります。これらは、上記の信頼できるルールの採用と投資家自身の考え方に委ねられることになります。考え方だけは投資家自身の問題となります。誰も助けてくれません。投資家の性格に起因する部分もあり大きな問題でもあります。

たくさんのルールは必要ありません。当欄で何度も申し上げていますが、裁量的な売買では勝てません。それぞれの投資家自身が必ず実行しなければならないルールを「裏付けを取って」実行することです。それが市場で生き残るための最小限の努力ではないでしょうか。

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