継続的な運用が可能であるか(2)

相場下落により個人投資家はピーク時より半減してしまったようです。多くの個人投資家は市場から撤退したか、持ち株を塩漬けにして様子見状態にあるのではないでしょうか。これらはいつの相場でも同じです。相場が上がれば多くの初心者投資家が参入し、相場が下がれば撤退する・・・。

ちょっと成績が悪くなると何を思うかすぐ売買をやめてしまう。自分の投資手法に絶対の信頼を持っていないのか、これらは初心者の行動パターンです。何がそのような行動に走らせるのか考えるべきです。

現在の乱高下する相場状況でも継続して売買されている投資家は、今後も継続的な運用は可能であると思います。それは現在利用されている売買手法や考え方が正しいからです。どのような相場展開になろうと継続して運用できる売買法は正しいのです。

しかし、正しい投資法であっても昨年のような取れない相場展開でもあるのです。この点を十分理解していただきたいと思います。投資家は取れない相場展開にあたるとあれこれ悩みます。当然です。

あれこれ悩んでまた別の投資法を探し始めます。また成果が上がらないとさらに別の投資法へと・・・。悩める投資家はこれらを繰り返します。しかし、青い鳥などどこにもいないことを知らされます。同じところをぐるぐる回っているだけです。

我々は今、情報化社会の中にいます。投資の世界も例外ではありません。しかし、投資の世界には多くの間違った情報があふれているのも事実であり、どの情報(投資の考え方や売買手法)を選択してよいのかわかりません。

投資で成功するには、まず間違いを排除することにあります。少なくとも今回の相場下落で売買が途切れてしまうような投資手法は正しい投資法とは言えません。もし、現在、様子見の投資家であれば今までの投資手法を見直す必要に迫られます。ピンチをチャンスに変える時です。

今回の大きな相場変動で、投資の本質とは何であるか、何が正しく何が間違っているのか冷静になって考える良いチャンスを与えてくれたと考えるべきです。

何が正しい投資法かわかりませんが、少なくともどのような展開になろうと継続的な運用が可能な投資手法が良い投資法と言えるのではないでしょうか。

投資で成功するには、投資手法が継続的な運用ができる手法であるか判断してからスタートすべきです。

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継続的な運用が可能であるか(1)

市場は大きく乱高下している。投資家は相場の難しさを実感していると思います。上昇相場に乗って儲けててきたものの、今回の急落で吐き出してしまった投資家も多かったのではないでしょうか。

株式投資は理論と実践であり、これらの基づいた売買でなければ市場での継続的な運用は困難なものとなります。追い風に乗ってたまたま偶然に儲けたものはいずれは返却することになります。メッキはいずれ剥がれます。

今回のような乱高下では小手先のテクニックなど通用しないことも実感されたと思います。投資の世界では何が重要であるか教えられた相場展開でもあったと思います。

ところで、昨年(2007年)の成績はいかがでしたでしょうか。昨年は前年に続き大きなもちあい相場展開でした。一般に投資家は、相場変動より手持ち株の成績によって云々します。相場があっての投資家であり、またその成果であることを認識していただきたい。相場が「主」であり、投資家は「従」であるのです。

昨年(2007年)における日本株の投資信託の成績はどのくらいであったらご存知でしょうか。昨年の日本株の投資信託の成績の平均はマイナス12.5%であったと報告されています。これは昨年の相場変動より大きな数値です。

投資信託の運用者はその道のプロです。そのプロが運用しても、もちあい相場では取れないのです。投資金額は異なるものの個人投資家がそれらを上回る成績を収めることも困難なものです。

つづく

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むかし、むかしの株の話 (2)

息子の太郎は父親に言った。『貸した500万円がパーになったんでしょう。花子さんのところへ行って、お金を返してくれるように言ってきましょうか。』

父親の一郎は、静かに首を振った。『そのようなことをしてはいけない』と。

太郎は言った。『だって、株鬼は恩師だから、最初から当てにしてなかったかも知れないけど、あのお金は貸したものだし、きちんと返してもらわないと・・・』

そのとき、太郎には、父親の顔が少し微笑が浮かんだように見えて戸惑った。

そして、父親は『そうでもないさ』と言った。

太郎は、『どうして、「そうでもないさ」なの・・・』と、父親にたずねた。

そこで父親は口を開いた。『私は、相場には絶対はないということを相場から学んだ。だから、今度の件では、「バブル電気」を貸したお金の分だけ空売りしておいたんだよ。今回は「バブル電気」は暴落したので、空売りして儲かったんだ。株鬼さんに貸したお金の分は戻ってきたよ。だから、返してもらわなくてもいいんだよ』

これを聞いた太郎は『今回は暴落して、空売りしていたお父さんは儲かったけど、
もし、株鬼さんの見込みどおり上がったらどうするんだい』とたずねた。

父親は静かに『もし、株鬼さんの見込みどおり上がれば、お父さんは損をすることになるだろう。しかし、株鬼さんは儲かることになるので、貸したお金は返ってくるだろう。』と言った。

太郎、『へえー!』

つづく

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むかし、むかしの株の話 (1)

登場人物 —————————————————————-

・株鬼   (昔は名相場師と呼ばれていたが、80才を過ぎ、今は曲がりっぱなし)
・花子   (株鬼の娘、小料理屋を営んでいる。父思いである)
・一郎   (元、株鬼の弟子。今も堅実に株式投資を行っている)
・太郎   (一郎の息子。父親を尊敬している)

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ある日、小料理屋の花子が、かつて株鬼の弟子であった一郎のもとを訪ねた。花子は一郎に言った。『父が死ぬ前に最後の花を相場で咲かせてあげたい。ついては、その資金を工面していただけないだろうか。小料理屋を担保に500万円貸していただけないだろうか』と。

花子は続けて言った。『父は研究に研究を重ね「絶対上がる銘柄見つけた」と言っていたので、父に最後の勝負をさせて上げたい』と懇願した。

この話を聞いた一郎は、昔世話になった恩師(株鬼)のことであり、それならば、500万円を用立てしようと花子に告げた。花子は感激でいっぱいであった。その様子を息子の太郎は鋭く観察していた。

株鬼は、好機到来と長年研究してきた銘柄「バブル電気」を絶対間違いないと、借り入れした資金をもとに、信用で目いっぱい買い付けした。株鬼は、「絶対の買い場」として、相場人生のすべてをかけて一世一代の勝負に出た。

その後、「バブル電気」は株鬼の見込みどおり上昇した。しかし、「好事魔多し」と言われるように、至福のときは長く続かなかった。海外からの「○○・ショック」が起こり、東京市場は大暴落してしまった。

このような暴落のさなか、株鬼は失意の中、心臓マヒを起こして死んでしまった。当然ながら「バブル電気」も暴落し、貸した500万円も帰らぬものとなってしまった。

つづく

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高値覚え、安値覚えとは(2)

テクニカル分析における最も良い分析期間の取り方は、過去のバックテストにおいて最適な期間を割り出すことが正しいと考えます。いろいろな期間をテストして、もっとも当てはまる期間を採用するということになります。投資とは「長期間にわたり継続して運用する」ということですから。

もし、最適な分析期間で分析したとした場合、今回のような急落からの戻りにおいては、急落で空売りの買戻し、そして新規買いは難しいと思います。なぜなら過去のバックテストにおいて最適な期間を割り出した分析期間に適合しないからです。

その原因は、今回の急落、急騰は長い相場展開の中ではレアケースとなるからです。テクニカル分析は過去のデータに基づいた確率を算出するものであり、当然ながら確率の高い分析期間などを採用することになります。

テクニカル分析とは、このような考えに基づくものでありますが、おのずとそこには限界があることも理解していただきたい。

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