相場の循環

信用取引の追証水準は評価損率が20%以上になると発生するわけですが、実際には評価損率が10%前後で発生しているようです。その要因は、多くの投資家の信用での売買において、その担保を株券で差し入れているとに起因しているようです。

相場が下がった場合、信用で買い入れている株式の時価評価が下がります。それと同時に担保に入れている現物の株式評価も下がります。これらにより評価がダブルパンチとなり、信用評価損率が10%にもなると追証となり、一気に相場下落に拍車をかける結果となるのです。相場の急落はこのような要因により発生するのです。

このような理由により、通常の相場では評価損率が10%前後から投げが入り、評価損率が20%以上になると相場は目先の底を打つと言われています。反対に信用評価損率がプラスとなれば、おおむね目先の天井を打つことになります。このように、信用評価損率を検証するだけでも相場の大局観は掴めるものです。

信用取引の担保に持ち株の株券を差し入れることは、買い方においては相場上昇期には非常に効率的ではあるのですが、いったん相場が下降となれば分母がぐらつくことになり非常にリスクの高い売買となってしまいます。よって信用取引の保証金(担保)には債権や現金を担保にすることをお奨めします。

相場変動を別の角度から見てみましょう。一般に相場の大底圏では商いが極端に減少し、天井圏では大出来高が続き活況を呈します。これらは出来高による相場循環となります。株価チャートなどを見れば歴然です。

そこで、大底から先行して上昇となる銘柄はどのような銘柄でしょうか。大底圏では商いが少ないため、発行株式の少ない銘柄や浮動株の少ない銘柄などの小型株が少ない出来高でも反応するため先行して上昇となります。一方、天井圏では相場活況となり、すでに上昇してしまっている株は避けて出遅れ株などが物色されます。

つまり、相場の大底圏では小型株が先行して上昇し、順次、中型株、大型株の順で買われるようになります。天井圏では大型の鉄鋼株や造船株が買われフィナーレを迎えるということになります。この時点では小型株などの先行した銘柄は、すでに下降トレンドに入っていることになります。

相場はこのような展開で循環しているのです。

Copyright(C)SPS研究所 照沼佳夫
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