むかし、むかしの株の話 (2)

息子の太郎は父親に言った。『貸した500万円がパーになったんでしょう。花子さんのところへ行って、お金を返してくれるように言ってきましょうか。』

父親の一郎は、静かに首を振った。『そのようなことをしてはいけない』と。

太郎は言った。『だって、株鬼は恩師だから、最初から当てにしてなかったかも知れないけど、あのお金は貸したものだし、きちんと返してもらわないと・・・』

そのとき、太郎には、父親の顔が少し微笑が浮かんだように見えて戸惑った。

そして、父親は『そうでもないさ』と言った。

太郎は、『どうして、「そうでもないさ」なの・・・』と、父親にたずねた。

そこで父親は口を開いた。『私は、相場には絶対はないということを相場から学んだ。だから、今度の件では、「バブル電気」を貸したお金の分だけ空売りしておいたんだよ。今回は「バブル電気」は暴落したので、空売りして儲かったんだ。株鬼さんに貸したお金の分は戻ってきたよ。だから、返してもらわなくてもいいんだよ』

これを聞いた太郎は『今回は暴落して、空売りしていたお父さんは儲かったけど、
もし、株鬼さんの見込みどおり上がったらどうするんだい』とたずねた。

父親は静かに『もし、株鬼さんの見込みどおり上がれば、お父さんは損をすることになるだろう。しかし、株鬼さんは儲かることになるので、貸したお金は返ってくるだろう。』と言った。

太郎、『へえー!』

つづく

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