不確定要素の排除

デフォルトのリスクが高まるアルゼンチンなど、米国の量的緩和の解除が新興市場国の経済成長に悪影響があると考えられます。このような状況下では投資家も一喜一憂するところです。特

に短期売買での投資家は、相場の方向性が読めないため売りにまわるか、買いにまわるか苦慮しているようです。

そもそも、投資とは将来(見通し)に対しての活動であるが、これがさっぱり分からない。初心投資家ならいざ知らず、キャリアのある投資家でも難しい。では、専門家ではいかがだろうか。

面白い記事がウェブサイトに掲載されていたのでご紹介しましょう。タイトルは「大きく外れる年初の株価&経済予測」である。これは1年前の2013年1月に各エコノミストやストラテジスト

が予想した日経平均の予測値である。

2013年1月5日付の毎日新聞より

マネックス証券チーフストラテジスト    1万3500円~1万円
大和証券チーフエコノミスト        1万2500円~9500円
野村證券チーフエコノミスト        1万2000円~9000円
SMBC日興証券チーフ株式ストラテジスト 1万1500円~9000円
ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト   1万1000円~8500円

また、2013年1月4日付の毎日新聞より

94社の企業経営者の日経平均予想は     1万732円~8877円 であった。

年間の予想は多くの社会的要因が絡みあって株価を形成するのであるから、株価予想が外れてもやむを得ないところでしょう。

株価を予想するエコノミストやストラテジストも本気で株価を予想できるとは思っていないだろう。昨年の予想が軒並み外れたことを云々するわけではなく、もともと、株価を予測するなど

難しく、不可能に近いのではと考えるものです。

株式セミナーなどで講師の話を聞いても同じである。もっともらしく解説しているようだが、彼らだって株価を予測するエコノミストやストラテジストと同様ではないだろうか。結局は誰も

何も分からないと言うことであろう。

このように、将来(見通し)に対しての投資活動を「結局は何も分からない」状況下で、虎の子の大金をつぎ込んでよいものだろうか。

投資とは、リスクとリターンのバランスでもあるから、何も分からないというリスクを取ることによってリターンを得られるのかもしれない。しかし、このような考えで投資活動を続けても

よいのだろうか。

投資の世界には「絶対」は無いことは周知の通りですが、できるだけ投資における不確実性や未知数的な要素をできるだけ排除することによって、希望する投資スタイルに近づいていくので

はないでしょうか。つまり「不確定要素の排除」です。

上記の日経平均の予測のように、結局は、当たるも八卦、当たらぬも八卦でしょう。であるならば、不確定要素である「予想」を排除してはいかがでしょうか。これらの考えには多くの反対

意見があると思います。「予想なしで株式投資などできるわけないだろう」などと・・・。

そのような意見は意見として、私は当初より「予想しない投資法」を提唱しています。つまり、現在公開された確定数値のみで売買の判断を下すというものです。予想には必ず投資家の感情

的な期待感が入り込みます。この「感情的な」が、最後には投資家を悩ますことになるのでは・・・。

予想を織り交ぜながら投資活動するか、客観的な数値だけで投資活動を行うか、最終的には投資家自身の判断となります。

短期売買における実験

さて、今回は「短期売買における実験」について説明します。「短期売買における実験」は、投資効率と売買期間の短縮について実験を行ったものです。「短期売買における実験」は、まだ結論には達しておりませんが、現在までの経過を解説したいと思います。

まず、東証における信用取引可能な銘柄を約2000銘柄選択し、これらについて検証を行いました。売買法は当然ながら、買い付けた後に決済し、決済と同時に空売りを行うという「どてん売買」です。

私の売買は「どてん売買」で行うシステム売買です。なぜ「どてん売買」なのかと言うことですが、これらについてはすでに解説済みですが、一般的にシステムのシュミレーションを行う場合、買いのみ(または空売りのみ)で行うことが多いようです。しかし、私は、この方法では絶対に正しい答えが出ないと考えています。

なぜなら、逆張りにおける乖離率での検証を行う場合など、その乖離幅を大きくすることにより、勝率もパフォーマンスも上がってきます。さらに上昇相場などで、乖離幅を大きくすると1年間に一回しか売買が発生しない、または一回も売買サインが出ないということになります。これでは机上の空論となります。

私は、検証は必ず「どてん売買」で行います。実際に検証されるとよく分かりますが「どてん売買」の検証は非常に難しく困難を極めます。そのため、このような売買手法は一般に出回っていないのだと思っています。

当然ながら、「短期売買における実験」は、実際の売買と同様に、売買サインの翌日の寄り付きで売買したと仮定し実験しました。

現在までの検証結果は、採用した2000銘柄のうち年間を通してプラスになった銘柄は約75%、つまり2000銘柄中1500銘柄は収益があったということです。ところで、なぜ多くの銘柄で検証しなければならないのでしょうか。それは、すでにお分かりのように少ない銘柄での検証では、信頼性、安定性に欠けるという根拠からです。

また、年間の利益率は20~25%程度でした。これはマイナス銘柄を含めた2000銘柄の年間平均値です。もちろん、買いと空売りのどてんによる連続売買です。ランキング上位銘柄(上位100銘柄)のほとんどが年間の利益率は100%以上でした。実践において、このような数値が獲得できるかは疑問の残るところですが、次に説明する売買日数を考えれば、ある程度信頼できる数値ではないかと思います。

売買平均日数は18日、年間売買回数(1銘柄あたり平均)は21回程度です。これらは、いずれもカレンダー日数ですので、実際の立会い日数は15、16日です。売買日数をこれ以下にすることも可能ですが、パフォーマンス面や現実性といった視点から、この売買日数が限界ではないでしょうか。

また、勝率は平均で45%前後でした(マイナス銘柄を含めた2000銘柄の年間平均値)。当然ながらランク上位銘柄の勝率は、それを上回りますが、実際の売買においては勝率50%前後と見ておいたほうが良いと思います。

これらの検証で特に注意を払ったことは、株価の変動に合わせて分析指標も変化させることでした。一般的なテクニカル分析では、分析期間を固定させて行います。たとえば、移動平均線であれば、25日線と75日線などとして分析します。しかし、株価は常に上昇、下降、あるいは「もちあい」と変化します。また、その上昇、下降も大小あります。そのような掴みどころのない株価の変動を、固定した物差し(移動平均線など)で分析するのは理論的に無理があります。

「その流れにおいて把握する」という考えの下に、株価の変動に合わせた分析指標を採用しなければなりません。そこで株価の変動を指数化するにはどのような指標が最適であるか考えると、それは株価のボラティリティであり、ボラティリティこそが株価の変化を捉える指標と考えます。

株価の変化をボラティリティで捉えるにするも、そこにまた問題が発生します。そはボラティリティの期間の設定です。最適な期間は?・・・。と検証するも、なかなか正しいと思われる期間の検証ができません。

よくよく考えると、そのボラティリティもその設定期間を株価の変動により変化させなければなりません。その設定期間を決める指標もまたボラティリティでとなり、堂々巡りなってしまいました。そんなこんなで試行錯誤しています。また、複雑な分析には、数学的な複雑な公式などを使い検証するのでしょうが、私には難しくて分かりません。そのためパラメータを1ポイントずつ変えながら膨大な検証を行っています。まことに気の遠くなるような作業です。

以上が今回の「短期売買における実験」の途中経過ですが、何らかの答えが出れば逐次解説してまいりたいと思います。

このような作業の中、ある人間国宝が言ってことを思い出しました。「一生修行ですよ」と。ある意味では投資の世界も一生修行(研究)かなと思うこのごろです。