情報化社会の渦

情報や思惑で売買していると、相場が急変した場合などには情報が錯綜し混乱することになります。確かな情報があればと考えますが、間違いない情報はインサイダーの情報ぐらいなものでしょう。インサイダー情報であれば儲けることはできると思いますが、インサイダー情報で売買すると罰せられることになります。

私は情報のあり方について考えてみました。最近はブログやフェイスブック、ツイッターがブームであり、その中身を見ても他愛ない情報が多いようです。それは問題ではありません。友達どうしで情報をやり取りして楽しんだり癒されたりするわけですから大いにツイートすればよいと思います。

浸透したソーシャルメディアは、素早い情報の拡散、自由な情報発信、そして友達とのゆるいコミュニケーションの場を与えてくれる一方で、負の側面も見えてくることになります。

まず、ソーシャルメディアの現在の利用者数は42.9%にものぼるとされている。まさに情報化社会である。情報化社会はブームを引き起こしやすいものです。何かの原因で火がつくと、瞬時に情報が拡散し伝達する。しかし、ブームであるから覚めるのも早い。結局、ブームに乗った人がバカをみることになる。

また、それらの情報を得た人が「テレビで見たんだけと・・・」「ツイッターでブームになっているよ」などと第三者に話をし拡散される。このようにして情報だけが独り歩きして、その情報の根拠が正しいのか誤っているのかの原因追求はなされていない。

投資の世界の情報も同じようなものではないだろうか。我々個人投資家に伝わってくる情報に儲かる情報などあるのでしょうか。あるのは偽情報を流して売り逃げするための情報ぐらいのものでしょう。

私も駆け出しの投資家であったころ「投資とは情報の先取りである」という諺を鵜呑みにして売買を行ったときもありましたが、証券業界の裏側を知ってからは一切情報での売買はやめました。

「証券業界の裏側とは何ぞや・・・」と疑問に思う方もいると思いますが、業界にいる私としても、ここでの記述は差し控えたいと思います。実際に自分で調査して納得するべきです。

何事にも表と裏があります。表裏一体です。それらを踏まえたうえで物事を判断すべきです。棚からぼた餅はありません。これからも投資活動を続けていく考えであれば、現在のような情報化社会の渦に巻き込まれず、自分を見失うことなく投資の基本に則って売買を継続していくべきと考えます。

時代が変わっても変わらないものは、投資の業界ぐらいのものかと考える今日この頃です。

情報の90%はノイズ

私は常々「新聞は読まない」「テレビは見ない」と述べています。その理由として、面白くないということもありますが、私も年を重ねてきて世の中が冷静に、そして客観的に見れるようになったことにある思っています。

新聞やテレビの情報には「やらせ」や「誤報」などがはびこっていて、どれが真実かわからなくなってきています。このようなことから、私は新聞もテレビも見ないことにしています。

昔は、我々の知る多くの情報源は新聞、テレビ、ラジオしかありませんでした。その情報も一方方向の情報でした。しかし、現在ではインターネットの普及によりブログやフェイスブック、ツイッターなどの双方向のソーシャルネットワーキングが盛んになり、誰でもどこでもいつでも情報交換が可能となりました。

このような中、最近話題の「朝日新聞捏造事件」が起こり社会問題となっています。この問題については、すでにご存じてあると思いますのでここでは割愛しますが、今回の問題は、インターネットなどによる個人による情報発信や双方向の情報交換などにより「これはおかしいよ」と国民レベルから問題化したのではないでしょうか。

今回の「朝日新聞捏造事件」は困った問題ではありますが、私としては、この問題が日本人を覚醒させたのではないかと思っています。もし、この事件がなければ、いまだに新聞やテレビの情報は「常に正しい」と信じきっている多くの人々がいたと思います。

「世の中はいつも間違っている。世の中は、本来あるべき正しい姿から常に乖離しながら変化している。よって、現在の常識はいずれ非常識となる。常識は先入観」と私は何度か述べています。

今まで情報発信機関は「報道の自由」を盾に権威を持って情報を発信してきました。しかし、ここにきて報道の自由に疑問符が投げかけられました。私の語録に、「自由とは素晴らしい。しかし、規律と責任のない自由は暴走し、崩壊を辿る」とあります。これはまさに今回の朝日新聞の報道に当てはまります。

インターネットの普及などにより、まさに「朝日新聞捏造事件」がクローズアップされたわけですが、私はこれらの多くの情報がすべてプラス要因であるとは思っていません。私は現在の情報の90%はノイズ(雑音)であると思っています。また、情報過多は迷いを引き起こすとも思っています。

このようなことから、私は垂れ流しのようなテレビや新聞などの情報は一切拒否し、必要な情報は「自分から取りに行く」という姿勢で臨んでいます。私の投資手法はシステム売買であるため投資情報は一切必要ありません。

以上のことから、株式投資の情報などでも、そのほとんどが懐疑的な情報であることを肝に銘じておかなければなりません。

臨機応変な対処

株式市場は長らくもちあいを続けてきましたが、久々に新値を取ってきました。評論家達はその解説に鼻息が荒いようだ。アベノミクス効果なのだろうか。

株式市場では、これから株価が上昇するという噂で持ち切りになっています。その理由として、公的年金による大規模な買いが予想されているからだという。足元ではすでに買いが始まっているとの見方もあります。

投資とは将来を買うものであり、株価は期待感だけでも上昇するものである。公的年金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、129兆円の運用資産を抱える「世界最大の年金基金」である。

世界最大の年金基金とはどの程度の規模なのだろうか。世界中のヘッジファンドの資産額は合計しても260兆円くらいで、単独では最大のヘッジファンドはブリッジウォーターの10兆円だ。つまり規模だけ見ても、日本株式に限らず世界の金融市場に大きな影響を与える「世界最大の年金基金」なのです。

GPIFの昨年末の資産構成は国内債が55%、日本株が17%、外国株が15%、外国債券が11%、短期資産が2%である。もし、GPIFが日本株の組み入れ比率を10%引き上げれば、単純計算で13兆円近い日本株が新たに購入され、昨年1年間の外国人投資家の買い越し額15兆円にほぼ匹敵します。

真偽のほどは定かではないものの、以上のような思惑から株価上昇となっているのかもしれない。

株価の上げ下げは別として、私の投資手法は順張りであり、その流れについていくという手法であるため、成績も順調に推移している。ただ、相場上昇となってもまだ初動の段階であるため、相場についていけない出遅れ銘柄も多く存在しているのも事実です。

順張りでは、細かなもちあい相場では取れないという定説があります。まさにその通りであると思います。しかし、もちあい相場でも順張りで取れないものかと考えたことがありますか?。

行って来いの相場での順張りは、上がって買い、下がって売りのため利幅が取れないばかりか、逆ざやとなって損失が発生することが多くあります。ここからここまでがもちあいであると分かっていれば、それなりの対処もできるのでしょうが。

もし、システム売買ではなく、従来の一般的な売買で行うという前提であれば、もちあい期間を順張りで売買しようとした場合、その分析手法の分析日数を短くして使用することです。たとえば、移動平均などで従来使用している期間が25日移動平均であった場合、その期間を20日とか15日などにします。

分析期間を短くすることによって、従来より指標が株価にフィットしてくるはずです。これですぐに利益が上がるとは思いませんが、従来のもちあい期間による損失はいくらかは軽減できるはずです。

では、もちあい状態からトレンドが発生した場合は、どのような対処をすればよいのでしょうか。もちろん、もちあい状態からブレイクしてトレンドが発生したと思っても、また元のもちあいに入ってしまうかもしれません。

その対策として、もちあい状態からブレイクしてもしばらくの間は分析日数を短くしたままで使用することです。分析日数が短くなったからといって、トレンドが発生しても損をするわけではありません。小刻みな売買が続くだけです。

その後、本格的なトレンド発生が間違いないと判定した場合に、改めて従来の分析日数に戻せばよいわけです。

株価の変動は掴みどころがありません。しかし、株価の変動が「主」であり、我々投資家は「従」の関係にあるため、システム売買でない場合には、株価の変動に投資家が臨機応変に対処しながら売買することが良いのではないかと考えます。

なぜ日本人は相場が下手なのか

日本の相場歴史は江戸時代の米相場からと言われています。大坂・堂島では、宝永・正徳期から米相場が始まり、紆余曲折の末に享保15年(1730年)になって江戸幕府の公認を受け、堂島米会所を開いた。これが先渡し契約の無い公認の近代的な商品先物取引の始まりです。

つまり、差金決済の先物の考え方は日本から始まったのです。相場の世界では、日本は先物取引の先進国であったのかもしれない。さらに、そこで相場師たちはデイトレードも行っていたというから驚きです。

当時、相場師と呼ばれる投機家たちが商品先物取引でデイトレードを行っていたという記録がある。江戸時代、デイトレードのことを「日仕舞い取引」、先物取引の証拠金を「敷銀(しきがね)」と言れていたようです。

投資技法で有名な酒田五法も日本で作られ、またローソク足チャートも江戸時代の日本で作られたようです。これらが現在の日本の相場でも海外の相場でも使われているようです。

しかしながら、相場の先進国であった日本の投資家がどうして相場が下手なのであろうか。たしかに過去において日本でも有名な相場師が輩出されている。しかし、過去の相場師の歴史を紐解いていても、その多くは大量の資金に任せての大勝負であったようです。

相場師の中には成功裏に終えて、後に実業家に転身し更なる躍進を遂げた人もいますが、その他の多くの相場師の末路は決して華々しいものではなかったようです。

私は、なぜ日本人は相場が下手なのかについて以前から考えていますが、いまだに結論は出ていません。その要因は複雑で多岐にわたると思いますが、考えられるいくつかの要因を挙げてみましょう。

まず日本人の民族性です。我々日本人は元来、気候に恵まれた農耕民族です。春に種をまいて秋に刈り取るというサイクルを長年続けてきました。農耕には耕作した作物が台風などで被害を被ることもありますが、そこに投資や投機という考えはあまり存在しません。

また、日本の文化に由来する要因もあります。額に汗して働かない稼ぎは「不労所得」などと揶揄され、また「悪銭身につかず」といった格言によって利潤追求を蔑視する意識があります。

日本人にとって、潜在的に投資や投機は「悪いこと」という概念があるようです。私が投資関係の仕事をしていると分かると「楽して儲かっていいですね」と、嫌味半分で言われます。そこで私は「額に汗してはいないが、背中には冷や汗をかいているんだ」と言って返したいところですが、分からないやつにはいくら説明しても無駄なのでやめた。

以上のように、日本には投資や投機に対しての理解が遅れているような感じする。さらに、投資に対するネガティブな話題が多すぎます。たとえば、ある人は先物に手を出し破産した。会社の金を横領して投資につぎ込んだなどの話題が多すぎる。また、投資詐欺の報道のたびに投資に対する否定的な世論が形成される。

反面、マスメディアでは、大儲けしたなどのカリスマ?投資家の話題を捏造してキャンペーンする。これらの情報に安易にのって投資の世界に入っていく。検証のない「相場必勝法」などがもっともらしく宣伝されている。

その他にも考えられる要因はいくつもある。「清貧を尊ぶ文化が継承されている」「お金を卑下する思想がある」「米国の占領政策で骨抜きにされた」「戦後の産業政策で国民の預貯金を奨励した」「若い世代の収入が少なく、投資する余裕がない」など、その要因はいくらでも考えられる。

まず、我々投資家は、投資技法や投資理論を構築する前に、これらの外部環境とも戦わねばならない。大変なことです。このように日本における投資環境はマイナス要因が多すぎる。これらの要因を払拭できる方法はないものだろうか。

これらの要因を一掃できる方法はひとつしかない。それは投資理論でもない。投資技術でもない。それは実践で成績を上げて投資の優位性を見せ付けることである。つまり、裏付けのあるスーパースターの登場です。 ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズなどのような投資家の登場です。

日本人にその手本を見せてあげることです。それはあなたかもしれません。がんばりましょう。