株価の変化に対処する

投資に対する考え方は投資家によりそれぞれ異なるものです。一般的に株式投資の場合、多くの投資家は今後の見通しの判断が重要であると考えているようです。株式投資は未来に対する投資であるため当然といえば当然でしょう。

しかし、多くの投資家が今後の展開を予想しながら投資しているものの、結果は惨憺たるものです。なぜだろうか。調査に調査を重ねタイミングよく安値で業績上昇銘柄を仕掛けて、予測通り株価上昇となったとしても、その後の利食いが問題である。

ファンダメンタルズからはなかなか目標値が算出できない。利食い幅は各自の判断に委ねられるのが一般的であろう。せっかく業績上昇銘柄を仕掛けても、利幅が10%程度ではもったいないような気もする。このあたりがなかなか儲からない原因なのだろうか。

私は、現在の株価はすべてを織り込んでいると考えています。もちろんファンダメンタルズもです(これは短期的な視点からですが・・・)。これらの考えに異論を唱える投資家が多いのは十分承知しています。しかし、投資手法も十人十色であるので、これが正しくこれが間違っていると目くじら立てて異論を唱えるのもいかがなものか・・・。

仮に株価チャートを表示され、この株価は今後どちらの方向に展開するでしょうか、と質問された場合、多くの投資家は上昇だ、下降だと腕組しながら考えるでしょう。私は、このような質問は今後の相場の見通しを立てるのと同様にまったく意味がないと思います。投資に何の役にも立ちませんから・・・。私がこのような質問を受けたら「分からない」と答えます。おそらく「分からない」が正しい答えであると思います。

私は、投資においては、予測するものではなく「もし、上がったら」「もし、下がったら」に適正に対処することが、投資で成功する道ではないかと考えています。「上昇するはずだ」とシナリオを描いて投資に入った場合に、もし、株価が反対に展開してしまうと「上昇するはずだ」と頑張ってしまうはずです。

株式投資の世界は株価が主役であり、投資家がいくら違うと頑張っても現在の株価が正しいのです。よって、投資で勝つためには先読みすることより、株価の変化にいかに適正に対処するかにかかっているのではないでしょうか。

恐怖心

先日、ある投資家交流会なる会合に出席した。出席者全員が投資初心者(私が見る限り)であった。しかし、彼らの投資暦は平均で10年前後であった。キャリア10年で今でも初心者とは・・・。とは言うものの、私の投資人生でもキャリア10年のころはやはり初心者であったと記憶している。

なぜ投資の世界はキャリアが長くても成長しないのだろうかと考えさせられる。通常の仕事であれば10年もすれば、それなりに成長しているであろう。しかし、投資の世界はそうではないようだ。多くの投資家が4~5年で退場してしまうという現実は何を意味しているのだろうか。

何が原因なのだろうか。何が投資家の成長を妨げているのだろうか。一般社会と投資の世界の違いはどこにあるのだろうか。私なりに考えてみた。一般社会においては会社に勤め給与を頂く。商売であれば品物を仕入れそれを売りさばく。

そこで考えてみると、一般社会と投資の世界の大きな違いは「損の概念」ではないかと思います。会社勤めであれば多少サボっても給与は頂ける。仕事で失敗しても給与なしとはならないだろう。たとえリストラされても今まで頂いた給与を返せとは言われない。逆に割り増し退職金がもらえる。

商売であれば売り上げの変化はあっても売り上げがマイナスになることはない。差し引きで赤字になることはあっても売り上げがマイナスにはならない。いずれにしても、貯めたお金が一度に全部持っていかれるということはないだろう。

一方、投資の世界を見てみると、最悪の場合、追証で持ち金を全部持っていかれた上に、さらに追加請求されることだってある。現物で売買しているから大丈夫と思っていても、投資した企業が倒産してしまうということだってある。

このようなことから、投資家が常に心の根底には損失に対する「恐怖」があるのではないだろうか。この恐怖が通常の人間の判断を狂わせるのです。一般的に恐怖からは得られるものはないと言われています。それどころか、恐怖心は常に敗北をもたらすことにもなるのです。

つまり、恐怖心を持つということは結果的に敗北をもたらすことになるのです。投資の世界は歓喜と絶望(恐怖)の世界と言われています。恐怖することにより負けるのです。ここに一般社会と投資の世界に大きな違いが生ずることになります。つまり、一般の人々は損に対する体験が乏しいのです。誰でも概念的に損失については理解しています。しかし、理解と体験は別物です。体験がないから損に対する対処ができないのです。

では、この恐怖を払拭するには・・・。これは難しい問題です。私は、恐怖心の多くは無知が作り出すと考えています。知らないから不安になるのです。不安だから恐怖心が沸いてくるのです。だから損失が発生したときにおろおろしてしまうのです。

投資初心者は知識が乏しい。知らないから不安になり恐怖心を抱き、利食いは早めに、そして損失はいつまでも・・・、となるのではないだろうか。投資知識の欠乏、投資経験の不足は結果的に損失を招くという構図になるのです。だから投資初心者はいつも負けるのです。

恐怖心取り除き、そして投資で収益を上げるためには、やはり経験を積み、正しい知識を身につけ、確固たる自分の投資ルールを持つことに回帰するのではないでしょうか。
拙者の格言

『恐怖はためらいを作り出し、結局、恐怖を現実にする。恐怖は知的な行動の妨げとなる。恐怖は精神を萎縮させ、きわめて重要な直感を減退させる。恐怖は無知が作り出す。恐怖心は常に敗北をもたらす』

投資の習慣と常識

私の語録に『世の中はいつも間違っている。世の中は、本来あるべき正しい姿から常に乖離しながら変化している。よって、現在の常識はいずれ非常識となる。常識は先入観』とある。最近は私も年を重ねてきたせいか、このことが痛切に感じるようになってきました。

人は習慣のなかで生きている。人はある程度決まったローテーションのなかで生活しています。朝起きて歯を磨いて食事をして出勤する。会社に行って定められた範囲で仕事をこなし帰路につく。このような行動に何の違和感を持たず生活しています。つまり、人は習慣と常識の中で日々生活しているものです。

では、投資の世界をこの習慣と常識から見てみましょう。投資の場合、その投資スタイルは長期投資から短期売買、さらにはデイトレードと多様なスタイルがあります。

長期投資であれば、朝刊を経済欄から読み、夜はテレビの経済ニュースなどを見て今後の経済展望などを考えます。短期売買であれば寄り付きの株価を確認し、昼にはスマホなどで株価をチェックします。夜は翌日仕掛ける銘柄や決済する銘柄の検討をします。デイトレードであれば日中パソコンに張り付いて売買を行います。

以上が各投資スタイルによるローテーションではないかと思います。これらが習慣となって投資活動を行っています。意識せずに日々同じような行動をとることになります。これが習慣です。もし、これらの習慣的な行動の結果として、投資収益が上がれば特に問題はないと思いますが・・・。

一方、投資の常識についてはいかがでしょうか。投資の常識と言えば「安いところで買って高いところで売る」というものです。また、株式であれば企業業績の上昇傾向の銘柄を買うなどでしょう。また、テクニカル分析であれば移動平均線を利用した売買でしょう。

では「安いところで買って高いところで売る」は正しいのでしょうか。確かに株価チャートなどを見ると、ここで(安値)で買って、ここで(高値)で売れば儲かると考えます。しかし、これは後講釈に過ぎません。株価は新値をとった方向に進むと言われています。

つまり、上に新値を取れば上昇となり、下に新値を取れば下降となる傾向が強くなります。この考えに基づく手法がブレイクアウト手法です。もし、この手法が効率的であると考えるならば、新高値を買ってさらに高いところで売り、新安値を空売ってさらに安いところで買い戻すとなります。

このブレイクアウト手法と「安いところで買って高いところで売る」手法は、相反する手法となります。どちらが正しいかはシミュレーションをしてみれば明らかです。

企業業績の上昇傾向の銘柄を買うということに対しては「現在の株価はすべて織り込まれている」という考え方もあり、もしこれが正しいとすれば、業績の検証も意味を成さなくなります。

もっともポピュラーな移動平均線について考えて見ましょう。たとえば、分かりやすく100、200、300、400、500円の株価の移動平均線は300円= (100+200+300+400+500)÷5となります。つまり現在の株価500円のときの移動平均線は300円となります。しかし、この300円は過去の数値ではないでしょうか。移動平均線とはこのようなものなのですが、過去の数値を現在の株価の比較として利用するのは問題ありと考えべきではないだろうか。移動平均線とは遅行線であるため判断が遅れることになります。

投資では今後の展開を判定するものですが、遅れている指標で分析するのはいかがなものでしょうか。移動平均線は誰でも知っていますが、この移動平均線で儲けることができないのは、このあたりに原因があるのでしよう。

よって、平均値で計算されたテクニカル指標は移動平均線と同様に使えない指標となってしまいます。私が過去に検証した結果として、指数を変えないで長期に利用しトータルで収益を上げることのできるテクニカル分析指標はまったくなかったと検証結果があります。

以上のように、間違った投資の常識を習慣として身につけてしまうと、未来永劫投資で儲けることはできないような気もするのですが・・・。要は投資収益が上がらないということは何かが間違っているということです。よって、投資の常識がすべて正しいと考えるのはいかがなものでしょうか。

コンプライアンス

世間は広いもので、多くの投資家が損失を被って唸っているいるのに、一方では何億、いや何十億と儲けたという話も聞く。同じ市場で戦っているのにどうしてこのような差が出てくるのでしょうか。

長期投資で株は買うだけで一切売らないという投資家もいる。このように投資家は相場が上昇となれば含み益が多くなり、それなりに利益は出るだろう。しかし、相場には低迷期もあり、このような時期も平然と買い増ししていくという度量が必要となってきます。

我々個人投資家は、少ない資金で銘柄選びを慎重に行い、さらに注意深く仕掛けのタイミングを見計らって売買する。このように慎重に売買を行っても成績はいまひとつ。それなのに億単位で儲けている投資家はどのような手法で売買しているのだろうか。

私の知る限りであるが、億単位で利益を上げている投資家は決して長期投資ではないことは分かっている。売買銘柄は新興市場の銘柄などで売買しているようである。しかも短期売買である。では、どのような手法で億単位のお金を手にしているのだろうか。

通常、個人投資家が現在利用している投資法なり投資手法で二桁の億の利益を得ることは難しいことは誰でも理解しているであろう。しかし、実際に二桁の億の利益を得ている投資家がいるのも事実です。

たまにニュースで、インサイダー取引や株価操縦で当局に摘発されたという投資家の記事を目にする。インサイダーについては、会社の役職員や大株主などの会社関係者、および情報受領者(会社関係者から重要事実の伝達を受けた者)が、その会社の株価に重要な影響を与える「重要事実」を知って、その重要事実が公表される前に、特定有価証券等の売買を行うことを言うのですが・・・。

インサイダー取引は、それなりの会社関係者、情報受領者が身近にいなければ情報も受けられずインサイダー取引はできないものです。もちろん金融商品市場の信頼を損なう代表的な不公正取引ですので罰せられることになります。

よってインサイダー取引は誰でもできるというものではありません。しかし、株価操縦は誰でもできそうです。約定させる意思のない大量の注文発注・取消し(見せ玉(ぎょく))で株価を吊り上げる(売り崩す)などです。この株価操縦も違法であり罰せられます。

たまに株価操縦で摘発を受けたというニュースを耳にします。個人投資家が株価を吊り上げるために約定させる意思のない大量の注文発注・取消しをたびたび行えば証券取引等監視委員会に摘発されることになります。

もし、この株価操縦を個人投資家ひとりではなく、数十人のクループでかわるがわるに大量の注文発注・取消しを行った場合いかがでしょうか。個人で株価操縦をすれば同一の人物が注文発注・取消しを行うのですからすぐにばれてしまいます。

ところが数十人でこれらの株価操縦を行った場合はいかがでしょうか。なかなか株価操縦の証拠が掴めないのではないでしょうか。もし、これらの方法であれば株価も自由に操ることができるのではないだろうか。

いずれにしても、これらの売買も違法行為であることには違いはないのですが、なかなか摘発が難しいところなのでしょう。これも私の知る限りではあるが、このような違法な売買で何億、何十億との利益を上げているところもあるようだ。

我々個人投資家は、このような投資手法とは一線を画すものであり、コンプライアンスを遵守して正々堂々と株式投資を実践するべきである。
拙者の格言

『楽をして手に入れた金は、人の目をくらまし最後には身を滅ぼす。自分で汗した金以外は身に付かない。浮利を追うな』

『諸悪の根源は金と権力への執着である。この根源を絶たなければいずれ破滅する。金、権力は人格にあらず』