迷いのない実行

金融市場が荒れた展開になっています。こうした状況下では、投資家は「世界経済はどうなるのだろう」と不安を抱く。投資家の不安心理が増幅されると、誰でも「価格変動性の高い株式や、為替など、一旦処分してリスク資産を減らしておきたい」という行動に走るのも当然だろう。

こういう時こそ落ち着いて行動すべきだと言われていますが、明日の追証を考えると落ち着いていられるはずもない。相場の経験のない人に言われたくない。相場の世界はそんな理屈や理論通りにはいかないものです。

統計によると、このようなショック安は10年で平均2回は起こると言われています。コツコツと儲けてきても急落ですべても吐き出す結果にならなければよいのだが・・・。まさに相場の世界は歓喜と恐怖の世界である。

今回のような急落ではどのような投資手法も当てはまらなくなる。テクニカル分析のボリンジャーバンド(短期の場合)などは通常2シグマ以下で買いといわれているが、5シグマ以上にもなっては・・・。また、ファンダメンタルズ分析でも、一時的ではあると思うが優良銘柄でも売り叩かれる。

今回の危機の震源地である中国では、官民合わせて80兆円も注ぎ込み、株価を下支えしたが、売りはとまらず、80兆円が水の泡になったという。景気対策の効果で一時的に経済が浮揚するかもしれないが、中国が抱える根本的な問題の解決ができるわけではない。

中国経済の減速とさらに米国の景気下落のタイミングが重なると、世界経済には大きな下向きの力が働くことになるかもしれない。その場合には、実体経済はさらに落ち込み、世界の金融市場も今回以上の混乱の渦に巻き込まれることになりかねない。よって、投資も多様化が求められる時代がくるかもしれません。

投資家はこのような不安の中で運用を続けていかなければならない。あれやこれやとシナリオを描いて売買するのであろうが、結局はシナリオも当たる時もあれば外れるときもある。五分五分であろう。

であるならば、シナリオなど描かなくても同じではないか。五分五分なのだから。私は、シナリオを描いて売買するとあまりよい結果にならないと思っています。なぜなら、相場が描いたシナリオ通りに展開しなかった場合の投資家の心理状態を考えてみてください。

投資家は誰でもプライドと自信を持って投資活動をしています。相場展開がシナリオの反対に展開した場合、当初は「このようなこともあるだろう」などと様子を見ます。しかし、さらに反対の展開になった場合「こんなはずはない」と。自分の分析に間違いはないと意地を張ります。

最後には「自分の判断に間違いはないが、株価が間違っている・・・」などとは言わないと思いますが、結果的に損切りが遅れるということになります。

私も仕事上、経済ニュースなどを見たりしますが、これらの情報により今後の相場展開を無意識のうちに描いています。しかし、私の投資手法はシステム売買であるため、必ずシステムの指示に従って売買します。当然ながら、描いたシナリオの反対の売買指示があった時などは「どうなんだろう」などと考えますが、最終的にはやはりシステムの指示に従って売買します。

私は短期売買であるため、今後の相場展開を予想しての売買はあまり意味がないと考えています。私は今まで、シナリオを描いての売買によい思い出がありません。私だけかもしれませんが・・・。

長期投資は別として、短期売買では今後の相場展開など予想せず、現在の値動きで判断すべきであると思うのですが・・・。しかしながら、今回のような急落では、どのような分析手法も役に立たない。このような状況下では対策のしようがないのではと悩むところです。もし、暴落時でも機能する手法があるとすれば、それは「順張り手法」ではないだろうか。

もちろん順張りでも失敗することがある。それは変動幅が小さい相場のときです。変動が小さい相場では損切りが続くことになりますが、その幅は小さいはずです。しかし、相場変動の大きい場合は、順張りでは大幅に稼ぐことができます。

順張りか逆張りかは投資家の自由です。相場展開により、これらの手法を使い分けするのが効率的でしょうが、今後の相場変動が予想できない状況では、これらの判断も難しいでしょう。

今回の世界同時株安パニックで、米国株や中国株、さらには日本株が恐ろしいまで乱高下しています。相場急落はいつ起こるかわかりません。また、いつ起こっても不思議ではありません。投資家は、そのための対策を取っておかなければなりません。

投資をする上でまず学ぶのはリスクという概念です。投資のリスクとは下がることだけではありません。投資の一番のリスクは何と言っても相場か短期間に、しかも大幅に乱高下することです。投資家は振り回されてしまいます。しかし、これも相場です。

投資にシナリオを描くことも結構なことですが、やはり重要なことは投資家自身のリスク管理を含めた投資手法の確立でしょう。そして、その手法の迷いのない実行でしょう。

いかにリスクを低減するか

週末の株式市場は荒れ模様である。グローバル化した経済では、当然ながら世界同時株安も起こりうることになる。このような現象は、ある日突然起こるように見えますが、実際には内在したあらゆる問題が臨界を越えた時に起こるものです。

それらの予兆はいくらでもある。ギリシャ問題、中国、韓国経済の減速、原油の下落など、その要因は多い。長期投資家ならば、これらの現象は日々のニュースで感じ取れるはずです。

特に中国の問題は深刻であろう。中国市場のリアル株価を見ていると、当局の株価のてこ入れのための操作が手に取るように分かる。実に不自然な株価の動きである。

中国証券監督管理委員会は、規則に違反して上場企業株式の保有を減らした株主を厳格に処罰する方針を示した。一党独裁の国であるからこのようなこともできるのであろうが、いくら強権を振り回しても自由経済の象徴である株式市場を操ることはできない。

実際に当局が鳴り物入りで株価の下支えをしても、その週末には安値を付け、その努力が水泡に帰する。経済が下降線をたどっているのに株価を上げようとすること自体、所詮無理な話である。当局は経済の原則を理解しているのだろうか。

さて、日本の株式市場であるが、アナリスト達は、株価に連動要因をあれこれ言っているようですが、結果見てからでは何とでも言える。

前回解説しました「相場を休む時」のように、ボラティリティが大き過ぎるときは、ハイリスク・ハイリターンとなるため、あまりリスクを好まない投資家であれば戦線を縮小するか、または一旦休戦するかなどの対策を採るべきでしょう。

今回の大幅な下落の前にボラティリティが拡大傾向にあったことは解説しましたが、短期売買を目指す投資家であれば、やはりボラティリティに注視しながら売買すべきでしょう。長期投資家であれば経済指標や日々のニュースでこれらの判断は可能であると思います。

私は先物市場で売買をしていますが、先物市場は単一銘柄であることやレバレッジの高さなど現物市場との違いはたくさんあります。私が先物市場で売買した中で一番苦戦したことは、前日の終値から値が飛んで寄り付いたときです。今回のように寄付値が前日の終値から2%も変動したところで寄り付いたのではとんでもないことになります。幸いに今回は売りスタンスであったため難を逃れましたが、もし、買いスタンスであったなら・・・。

私が現物市場から先物市場に転向した理由は、商いの薄い銘柄では自らの建玉で寄付値が飛んでしまうことが多く発生したためです。先物市場では市場が大きいためそのようなことはありませんが、実際には上記のように前日の終値から大きく乖離して寄付くこともあります。

先物市場には夜間取引があります。その夜間取引中に何らかの問題が発生すれば市場も大きく変動します。そして、翌日の寄付きが前日の終値より大きく乖離して寄り付くことになるのです。これらは市場の動きであるからやむを得ないところですが、先物投資家にとっては大きなリスクです。

私はこの問題で苦戦したのです。私の投資(分析)手法はその日の終値で分析して翌日の寄り付きで注文するという手法です。そのため夜間に大きな変動があると大きなリスクが発生します。しかし、すべてがリスクということではなく反対に多くのリターンが発生することもあります。

私はこれらの寄付きリスクをいかに解消すべきか、いかにリスクを低減するかを考えました。その答えは夜間取引の寄付きでの売買でした。日中取引の寄り付きも夜間取引の寄り付きも結果的には同じではないかと考えますが、その理由はあるのです。シミュレーションの結果も良好でしたので、また機会がありましたら結果を報告したいと思います。

相場を休む時

最近の株式市場はボラティリティが大きい。そのため、ハイリスク・ハイリターンとなって投資家を悩ませている。しかし、これも相場のうちではあるから文句を言ってもはじまらない。いかに乗り切るかである。

投資家たるもの、いかなる状況におかれても対応しなければならないのだが・・・。

投資家は、このようなハイリスク・ハイリターンの相場でどのように立ち回ればよいのか。損を覚悟でチャレンジするか、はたまた様子を見るか。相場格言に「休むも相場」とあるが、どのような時に休むのであろうか。

私自身は投資を職業としているため、あまり休むことはしませんが、もし相場を休むとすれば、やはりボラティリティが大きい時であろう。ボラティリティが大きい時は売買も面白いが、相場はギャンブルではないのですから、やはりボラティリティが大きい時は休むのが賢明かと思います。

では、相場を休むときはボラティリティが大きい時だけでしょうか。反対にボラティリティが小さい時も休むべきでしょう。ボラティリティが小さいということは株価変動が小さいことを意味しますので、逆張りなどでは売買が反対になって取れないことが多くなります。

よって、もし相場を休むとすれば「ボラティリティが大きすぎる時、ボラティリティが小さすぎる時」でしょう。そのためにも常にボラティリティを計測して、これらの判定に採用すればよいでしょう。

P波(第一波)

金や原油などのコモディティーが弱含みで推移しています。中国の株式市場の低迷により、損失補填の売りなどと囁かれている。中国のレアアースの取引所が停止したとも聞いている。コモディティーが弱含みであるということは、単純に経済が低迷しているからとも言えるのではないだろうか。

長く投資活動を行っていると、今まで順調に収益を収めていたが、ある日を境に突然損失を被ることがある。この原因は
相場急騰、急落によるものであるが、ただ単に急騰、急落だけが原因だけなのだろうか。

株価の変動は波動と捉えることができます。また、地震も波動である。今回(東日本大震災)の地震は大きな災害をもたらしましたが、現在の技術ではこれらを予め予知することは難しいようです。

しかし、直前の地震を予知することは可能です。それは地震の第一波であるP波(第一波)を検出することはできます。もしこのP波が検出されたら、その後に起こる大きな地震(S波[第二波])の前に避難することが可能です。これらにより被害が小さくなるはずです。

株価も波動であるから、地震のようなP波(第一波)を直前に観測はできないものだろうか。今年の日経平均の推移を見てみると、株価の変動は穏やかなうねりを見せながら上昇波動を描いています。

しかし、6月22日に突然大きな上昇となり本年の最高値(20952円)を付けました。その後は急落して元の水準まで戻してしまいました。つまり、大幅に3日間上昇し、大幅に3日間下げました。これらの動きは今までの動きと明らかに異なります。

これらが地震でいうP波(第一波)にあたるのではないでしょうか。意地悪な人は、「結果を見てからでは何とでも言えるよ」と言うかもしれませんが、これらのP波を数値的に検出することは可能です。

株価の変動の大きさを測るのはボラティリティです。これらにより検証すれば、6月末の株価変動は明らかに大きな数値となっています。6月末のボラティリティの変化を見れば、明らかに今までの株価変動と異なり、今後注意しなければな
らないことが分かります。

ボラティリティが大きくなればハイリスク・ハイリターンとなります。それを承知で売買するのであればそれはそれでよいのですが、ボラティリティの大きいときの売買には必ず逆指値などのロスカット対策を講ずるべきです。

投資成績が悪いときは、ボラティリティが大きすぎるか小さすぎるかのいずれかの時です。「休むも相場」と言われますが、もし売買を休むとすればボラティリティが大きすぎるか小さすぎるかの時です。

ボラティリティの計測は一般的に標準偏差を利用しますが、テクニカル分析指標のボリンジャー・バンドなどで利用できます。その際には設定期間を短くして検証するようにしてください。