勝率30%?

最近の異常な相場は、実践している投資家は分析指標に頼らずとも体感的に理解されていると思います。たとえば、当日の寄付値が前日の終値から大きく乖離して寄り付いたり、驚くことに日中の変動幅が1000円もあったりして通常の株価変動とは明らかに異なることは分かるはずです。

現在も異常な相場展開となっていることは、テクニカル分析指標でキャッチできていますが、その原因までは分かりません。原油の急落などの大きな世界情勢の変化などが要因なのかなと思っていますが・・・。

相場波乱の要因は別として、このような相場展開の中、個人投資家はどのようなことに注意をして売買を継続していけばよいのでしょうか。

市場のボラティリティが非常に大きいため、少し戦線を縮小するのもよいでしょう。また、ロスカットを確実に行うことも不可欠となってきます。現状の相場展開ではロスカットも頻繁に行わなければならなくなります。頭の痛いところです。

ここでロスカットについてもう一度考えて見ましょう。投資家は自分なりのロスカット基準で持ち株の処分などを行います。ロスカットはそれなりに痛みを伴うものですが、ロスカットなしに投資の継続は不可能であることは周知の通りです。

ロスカットの回数は勝率にリンクしてきます。ロスカットが多いということは勝率が下がることになります。もちろん勝率は高い方がよいのですが・・・。

では、一般的な適正勝率はどのくらいなものでしょうか。当欄でも何度も解説していますが、相場の上げ下げの確率は長期的に見れば50%程度でしょう。多少、上昇、下降のトレンドが発生してもいずれは50%前後に収斂してきます。

では、勝率は50%を目指して売買を続ければよいのでしょうか。一般的な売買では「損少利大」の売買でなければ利益が上がらないことは何度も解説しています。「損少」についてはロスカットで対処します。ロスカットを行うから「損少利大」となるわけです。

勝率50%前後とはロスカットなしでの一般的な概念です。では、ロスカットを入れて「損少利大」にすると勝率はどの程度となるのでしょうか。統計上のデータでは、ロスカットを入れて「損少利大」にすると勝率は30%前後になってしまいます。残念ながら投資の世界における勝率は30%前後が通説です。

もし「この分析システムの勝率は30%前後です」と言ったら利用する投資家は皆無でしょう。よって「この分析システムの勝率は80%あります」という、うたい文句で分析システムを販売することになるのです。投資家は3回も続けて失敗すると「この分析システムはダメだ」と言って他の分析システムを探し回ります。これが現実でしょう。

上記の理論からすると勝率30%前後は揺るがないところです。もちろん短期的な相場では勝率80%となることもあるでしょう。厳選した銘柄での売買では勝率も上がるでしょう。しかし、投資とは継続して長い期間売買を続けなければ収益は上がらないということからすると、勝率30%前後は揺るがないところとなります。

現実問題として、勝率30%前後は投資家にとってはかなりシビアです。「投資とは損の続くゲームである」と言った投資家がいましたが、勝率30%前後は、まさにこのことを言っているのでしょう。

投資家は長期間運用を続けるという前提に立つと、投資の原理、原則に背を向けて運用を行っても長期的には良い結果は得られないことになります。よって、現実、事実には正面から対峙して、これらを取り込んで売買システムの構築に取り組むべきです。

何事にも落胆しないこと

何が株価に影響するか分からないものです。しかしながら、政府の決定事項、特に金利政策は経済や金融市場に徐々に反映してくるものです。情報や材料といった株価変動要因も株価にどのようにインパクトを与えてくるのか分からない。株価に即反映してくるのか緩やかに反映してくるのか分からない。

これら株価変動要因の反映が早くなろうが遅くなろうが結果的には織り込まれるわけですが、この遅いか早いかは投資家にとって重要な問題となる。このあたりの読みが難しい。

私は相場の先読みは一切しないので、株価変動要因の反映の分析などはまったく行わない。行わないと言うより分からないからしないと言った方が正しい。よって情報や材料で振り回されることはない。

しかし、このところの相場の乱高下には振り回されている。日経平均の寄り付き値が前日の終値から300円も400円近くも離れて寄り付いては、短期的な相場の流れを判定することも容易ではない。よって、成績も芳しくない。

これらも夜間取引での米国市場の影響が大いに関係しているようです。米国の利上げの影響などもあって、しばらくはこのような状況が続くのではないかと思われます。まだまだボラティリティは大きい状況にあります。

投資家は負けが続くと一時中断しなくもなるものです。私も友人に「そんなに損が続くのになぜ止めないのか」と言われたことがあります。「止めたくもなるが、これが私の仕事であり、投資を生業としているので逃げ場がない」と返事した記憶があります。

投資家であれば誰でも負けが続けば投げ出したくもなります。そこで踏ん張って売買を続けられるには何が必要でしょうか。強い気持ちでしょうか。強い気持ちがあっても、みるみるうにち減っていく投資金を見れば気持ちも折れてしまいます。

このように状況に追い込まれたとき、投資家は何を心のよりどころにするのでしょうか。何を信じて売買を継続していけばよいのでしょうか。

一般的に、追い込まれたときには「自分を信じて・・・」という言葉をよく耳にしますが、現実的には、なかなかできることではありません。私のような凡人には所詮無理な話です。ここで投資家は大いに悩むのです。

私の語録に『「力」とは繰り返しの結果である。目標と信念と情熱を持って、良い時も悪い時も、ひたすら続けることである』とありますが、まさに継続は力なりです。しかし、投資では上記のように継続できないという問題が多く発生し、結果として「力(成果)」が発揮できないということになります。

このような問題に対しては、以前から当欄で「投資金を最小単位にしても継続すべき」と解説してきました。投資の世界では「もうギブアップ」という状況はたくさんあります。しかし、売買を一度中断してしまうとまたスタートラインからとはじめることになります。

やはり、私の語録に『逃げては何も残らない。逃げてもまた元のところに戻るだけ。今逃げたら、明日はもっと大きな勇気が必要となる。逃げずに困難に立ち向かえ。』とあります。実際にはこの言葉のようにはいきませんが、気持ちだけでも落胆せず前向きにしたいものです。

話は戻りますが、私は現在でも負けが続けば落ち込みますし、投げ出したくもなります。しかし、そこで踏ん張れるのはシミュレーションの結果です。実際の成績はシミュレーション通りにはなりませんが、少なくても継続運用すればプラスになるという結果を心のよりどころとしてがんばっています。
拙者の格言

『成功するための極意、何事にも落胆しないこと。あくまでもやり続けること。 決して断念しないこと。』

金額での損切り

相場の上昇期から下降期に転換する時の売買は難しいものがある。そこで、ひとつの投資手法(損切り)について述べてみたいと思います。

たとえば、株価1000円の銘柄を1000株買い付けしたとします。売買代金は100万円となります。そこで損切り幅を設定します。損切りを10%に設定すると損切り金額は10万円です。株価が900円になったら損切りします。

これは一般的に損切りと考えられますが、もし株価が1100円に上昇し、さらに買い増し(1100円で1000株)した場合の損切り基準はどのように設定すべきでしょうか。

1000円と1100円での買い付けで2000株。それぞれを10%で損切りすると、21万円(10万円+11万円)の損となります。これらの方法で買い上がりや買い下がりを行っても投資金に対する損切りは10%となります。これらが一般的な損切りに対する概念でしょう。

これらは「率」によって損切りとなりますが、もうひとつの方法は「金額」での損切りです。たとえば、損切り金額を10万円とします。株価1000円の銘柄を1000株買い付けした場合、損切りは10万円なので株価が900円になったら損切りします。これは上記の10%損切りと変わりません。

もし、この「金額」での損切りで買い増しした場合はどのような処理をするのでしょうか。「金額」での損切りは、損切り限度額が10万円ですので、たとえ建玉が増えたとしても損切り金額の10万円は厳守します。

株価1000円と1100円で合計2000株買い付けしたとします。この場合の金額での損切りはやはり10万円です。投資金は210万円となりますが、これらに対して10万円の損が出たら損切りします。

同じ銘柄での買い付けのため、株価1000円も1100円も同じ幅で変動します。そこで、投資金は210万円で損切り10万円は株価がいくらの時か逆算します。逆算すると株価1000円での損切りとなります。(1000円での買い付けは損益0、1100円での買い付けは損益-10万円)

投資において投資金の増減はあるものです。投資金が増えてくると投資家も緊張してきます。なぜなら、万一、損切りが発生すると損切り金額も大きくなるからです。緊張が続くと投資判断も狂いがちです。

もし、金額での損切りであれば投資金が増えたとしても、あまり緊張せず気楽な投資ができるのではないでしょうか。「損はこまめに切る」という投資基本にも合致してきます。一考されてはいかがでしょうか。

何を信じるのか

先日誘われて、あるトーレーダーの会に出席してきました。皆さん各方面で活躍されている方達なのでワイワイガヤガヤと賑わっていました。大人数であったため限られた投資家としかお話ができなかったのが少し心残りでした。

出席者は、システムトレードのコンテスト優勝者やギャンブラー、専業トレーダー、証券マン、証券アナリスト、システムエンジニア、アナウンサーなど多彩な顔ぶれで、そのほとんどがFXのトレーダーでした。

トレーダーの会合に出席するということは、それなりに投資で成功している方と考えられます。投資家はなかなか自分の手の内は明かさないものですが、少し話をするとどのような投資手法であるか私には分かります。

FXトレーダーのほとんどはテクニカル分析のようですが、その分析指標はおおむね証券会社から提供されているシステムか市販のアプリケーションを利用しているようです。つまり既存のテクニカル分析指標を組み合わせでの利用です。

何度も解説していますが、既存のテクニカル分析指標の組み合わせでは一時的に好成績を収めることもありますが、長期間運用しているとあまりよい結果が得られないことは分かっています。

このことを出席したある投資家にぶつけてみた。すると彼は「確かにその通りだが、うまくいかなくなった時は裁量でやりますよ」という返事が返ってきた。彼は「自分はシステムトレーダーである」と言っていた。

また、トレードシステム製作者にも尋ねてみた。よくウェブサイトに右肩上がりのパフォーマンスで勝率80%などと宣伝しているサイトがあるが、あれはいかがなものだろうかと。

システム製作者いわく「過去のシミュレーションの結果は正しいのだろうが、その後のパフォーマンスは相場を見て少し手を加えているようだ」と言った。確かに未来永劫、右肩上がりであれば自分で売買するだろう。

相場の世界はそれだけ難しいということなのだろうか。投資では儲かることもあるが、その難しさは継続性にあるのではないだろうか。やはり上記のシステムトレーダー?のように、既存のテクニカル分析指標を組み合わせでは限界があるので一部裁量を交えながらの売買となるのではないでしょうか。

私自身のシミュレーション分析において、1000日間の連続売買でおおむね右肩上がりのパフォーマンスとなるシステムを作成したのですが、実際に売買すると損切りが連続したりして気持ちが折れそうになることもあります。勝率が50%前後であるので損が続くのは当然なのですが・・・。シミュレーション(仮想)と現実のギャップに頭を痛めるところです。

私でもそうであるように、ましてや他人の作ったシステムで連続して3回も損切りが続くようなら、このシステムは使えないと止めてしまうのも当然でしょう。要は、うまくいかない時、追い詰められたときに、何を心のよりどころにするかにかかっているようです。

やはり、最後は自分自身を信じるしかないのでしょうか。私は「自分で作ったシステムを自分が信じなく何を信じるのか」と、自分に言い聞かせ頑張っています。皆さんはいかがでしょうか。