饒舌は徳を乱る

イギリスのEU離脱問題で、ニュースとしてはすっかり色あせてしまいましたが、大スキャンダルとして「パナマ文書」流出がある。パナマ文書は、簡単に言えば、資産隠しに利用されるタックスヘイブン(租税回避地)の顧客名簿が流出したということです。ファンドが税務負担を安くするためにタックスヘイブンを利用することはしばしばありますが、富裕層等が税金逃れのために利用するケースもあるため、バレルとまずいという方が世界中にいるということです。

世界の権力者や富裕層がパナマのタックスヘイブン(租税回避地)にペーパーカンパニーを設立し、資産隠しや麻薬・武器取引、脱税などに利用するためのアドバイスをしていたのではないかと疑われている。タックスヘイブンはパナマに限ったことではなく、ケイマン諸島など世界にはたくさんの租税回避地ある。

これらのスクープから思うことは、口では立派なこと(課税逃れ批判、腐敗撲滅、汚職没滅)を言っていても裏では私利私欲に走り、何をやっているのかわからない。庶民には関係ないことなのでしょうが、国民から税金を吸い上げておいて、国民に牲を強いて自分は・・・、というところが垣間見える。

この問題がスクープされて早々に辞任した首相もいる。あまり金銭には関係ないと思われる欧州サッカー連盟元会長の名も挙がっている。おとなりの中国では汚職追放を叫んでいるにもかかわらず、パナマ文書には首脳やその親族の名が連ねている。

このようなことから、我々は何を信用してよいものかと考え込んでしまう。私は政治の裏側を見聞きしているので政治の世界には関心を持たない。政治家は話をすることが商売であり、その話し方もうまいし説得力もある。しかし、しかしである。

私の語録に「饒舌は信用に値しない。饒舌は自分の「非」を無意識に隠す行為である。知る者は言わず、言う者は知らず。巧言は徳を乱る。」とあるが、元都知事などの政治家はそんな感じではないだろうか(すべてとは言わないが・・・)。私は、あまりおしゃべりな人は信用しない。

投資の会合などでは、必ずと言っておしゃべり(饒舌)な人がいる。ワンマンショーのようだ。たまに突っ込んでみると、そのはぐらかしもうまい。私は付いていけない。

皆さんも一度や二度は投資セミナーなどに出席されたことがあると思います。講師は慣れたもので理路整然と解説し説得力もある。しかし、それだけ投資に対する理解があるのなら講師などしないで自分で投資すればと思う。

投資セミナーの受講経験者には失礼であるが、投資についてあまり理解していない講師の話を聞いても実践ではあまり役に立たない。投資についてあまり理解してない講師とさらに理解していない受講者であるから、受講者は「うんうん、なるほど」と納得している。ある意味ではバランスが取れているのだろう。(失礼)

やはり、投資の世界は実践から学び取るべきでしょう。損失を出し、その辛さを体験し、初めて成長するものです。もちろん理論も大切ですが、実際に大きな損失が発生すると理論どころではないことは皆さんも体験済みでしょう。

少し話題が飛んでしまいましたが、要は、投資ではあまり人の話は鵜呑みにせず、自分で体験して学ぶべきです。

 

一番重要で難しいこと

投資家であれば誰でも「トレードで生きていこう!」と考えるのは、ごく自然のことでしょう。また、人付き合いが苦手だから「トレードで生きよう!」などと考える人もいるかもしれません。しかし、株やFXだけで生活できる人は極めて少ない。たまたま追い風に乗って大きな収益を上げることもあるが、ならしてみればトントンかマイナス。その失敗も「認識の甘さ」からではないだろうか。

実際のところ「株やFXで生活できている人がどの程度いるか」といえば、それは極めて少ないものです。カリスマ投資家も時間が過ぎればただの投資家となる。投資では、ほとんどが失敗して、けっこう悲惨な境遇になったりする。

投資に向かうひとつの理由としては、会社などでの対人関係に嫌気がさして、自分ひとりでできるビジネスはないものかと考える。ネットビジネスはいかがなものかと考えるも、ネットビジネスも相手が見えないだけで、クレームの処理などで頭を痛めてしまう。

そこで、その行き着く先に残ったのが「株」や「FXトレード」ということなにる。私は、対人関係がうまく行かない人は投資の世界でもうまく行かないことが多いような気がします。

なぜなら、対人関係がうまく行かないということは、たとえば、相手の意見に反論せずに我慢してしまう、自分が意見すると相手はどのような気持ちになるか考えしてしまい、意見しないでしまうなどが多いのではないだろうか。つまり、気持ちが入りすぎてうまく対応できない。そして、ストレスが蓄積され対人関係に嫌気が差すといったところだろう。

また、あるときは自分が批判されると、我を忘れてキレてしまう。受け流すことができず、とことん攻撃してしまう。つまり、対人コミュニケーションが上手くいかない典型的なパターンは、感情コントロールができなくて、いわゆる「キレてしまう」ということです。

「感情コントロールができない・・・」。これは当欄で何度も解説しましたように、投資で一番重要で難しいことは、感情のコントロールなのです。投資の世界は歓喜と絶望の世界と言われるように、まさに感情が大きく揺さぶられる世界でもあるのです。

しかし、感情が揺さぶられれば投資の世界では負け組みに入ります。実社会でも同様ではないでしょうか。よって、対人関係がうまく行かないということは、ある意味では感情のコントロールがうまく行かないということでもあり、そのような方が投資の世界に参入してもうまくいかなということにならないだろうか・・・。

とは言うものの、実は私も人付き合いが苦手なひとりです。そのためか今まで相場の世界では散々苦労してきました。相場では、感情、欲と恐怖のコントロールができなければ最終的には負けることになります。

現在でも感情のコントロールは苦手な方ですが、できるだけ自分のメンタル面の弱さを理解し、感情にブレや歪みがないかを確認しながらトレードを続けています。

投資家の皆さんも感情をうまくコントロールして、投資の苦しみを楽しみに変えるような状況を作り上げるべきです。投資技法などはその後ということになります。

作用・反作用

投資は難しいものです。「投資をすると勉強になるからやった方がいい」とよくいうけれど、そんな生易しいもんじゃない。そんなつもりならやめておいた方がいい。やるなら本気でやらないと。すべてを投げうって・・・。

市場は合理的だという考えがあります。もし本当に経済学の合理性がすべて成り立っているなら、すべての銘柄が適正な価格のはずではないだろうか。自分のリスク許容度に合わせて銘柄を組み合わせれば、いつ買っても損ではないということです。でもそんなことはありえない。実際には誰もがいつ何を買うべきか悩んでいます。

私は、株価は常に間違っていると考えています。かくあるべき正しい(実際には分からない)水準を軸として上下に変動している。正しい水準とはファンダメンタルズであると思いますが、その軸を正しく算出すべき手法が見当たらない。

一般的に、かくあるべき水準より下落している銘柄を割安株と呼び、かくあるべき水準より上昇している銘柄を割高株と呼ぶ。通常はこの割安株を買い付けすることになる。理論的にはこうなる。

要は、この正しい水準が分かれば良い訳で、そこで理論価格(株価)なるものを算出する計算する手法があるが、これが適正であれば誰もが飛びついて採用することになります。しかし、理論価格を誰もが採用すると株価は変動しなくなるはずです。

ここが投資の難しさでもあり面白さでもある。私は株価は常に間違っていると考えいますが、間違っているから正しい水準に戻ろうとして、結果的にそこに変動が発生すると考えています。

この考え方は、株価の変動に限らず、世の中の現象も株価と同様に変動していると捉えています。現在の世界は、かくあるべき正しい世の中(株価の適正と同様に実際には分かりませんが・・・)から常に乖離しながら変化しています。

世の中も株価も常に行き過ぎが発生します。そして株価は変動し、世の中は移り変わります。つまり、森羅万象「作用・反作用」の原理で動いているのです。

アメリカの大統領選挙でトランプ氏が話題となっていますが、その背景にはアメリカの閉塞感があるためです。今の閉塞感を打ち破ってほしいという期待感から、奇抜なトランプ氏が注目を浴びているのではないだろうか。閉塞感という作用により、トランプ氏の注目という反作用が働いているように思えます。

世の中、株価は「作用・反作用」の原理で動き。「作用・反作用」は、調和(バランス)が取れるまで続きます。つまり、バランスが取れたときが、かくあるべき正しい姿となります。しかしながら、本来あるべき正しい姿は、理論的にも体感的にも、その判断は難しいものです。

株式投資も、この「作用・反作用」の原理を利用した投資手法が正しいことになりますが、なかなか思い通りにはならないものです。人生も・・・。

最近の成績

「最近、投資の成績が悪いなあ」と、多くの投資家が悩んでいる。投資成果が芳しくないのにはいくつかの理由があるだろう。投資活動は長期にわたり運用していくものであり、長い間には良い時も悪い時もあるのは当然です。

しかし、最近は特にうまく行っていないなあとぼやく。何が原因なのだろうか。今までは、そこそこうまく行っていたのに・・・。トレンドが一方通行の時は、それなりに収益は上がる。しかしながら、現在のような方向が定まらないような展開では成績もいまひとつ。

トレンドが定まらないということも原因のひとつですが、もうひとつ、ボラティリティが大きいということも成績不振の原因でもあります。以前にも解説しましたように、最近の相場は、通常の相場展開より5割もリスクが増大しています。つまり、ハイリスク・ハイリターンの相場展開であるということです。

では、最近の相場で成績が芳しくないのは自分だけなのでしょうか。プロ集団であるヘッジファンドの成績を見てみましょう。

ニュースによると『ヘッジファンドは昨年には欧米のファンドを上回るリターンを上げたが、今年は過去最悪の滑り出しとなっている。低調な成長見通しを背景に同地域の株式相場が低迷しているためだ。調査会社ユーリカヘッジ(シンガポール)によると、日本を除くアジアに投資するヘッジファンドの運用成績は2月がマイナス1.5%。1-2月ではマイナス6.6%と、この時期としては過去最悪。世界主要地域のファンドの中でも運用成績は最も悪かった。1月に苦戦したグリーンウッズ・アセット・マネジメントやジール・アセット・マネジメントがさらに損失を膨ませた 』

また『アジアのヘッジファンドは2015年に市場の混乱をうまく切り抜けたが、世界の成長鈍化懸念が強まる中で今年に入って運用成績が暗転。中国株の上海総合指数は今年19%下落と、世界の株式市場で最も下げた指数の1つで、アジアの大半の株価指標でボラティリティ(変動性)が大きかった。ユーリカヘッジのシニアアナリスト、モハマド・ハッサン氏(シンガポール在勤)は「アジアのヘッジファンド、特にロングショート戦略に軸足を置くファンドは市場のボラティリティで痛手を受けた」と語った。ユーリカヘッジによると、1-2月の運用成績は欧州のヘッジファンドがマイナス3.2%、北米がマイナス1.7%だった』

2015年に清算されたヘッジファンドの本数は、2009年以来で初めて新たに設定されたファンド数を上回った。ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のデータが示した。変動性の高い市場環境の中でヘッジファンド業界が世界的に縮小したという。

15年10-12月(第4四半期)に清算されたファンドは305本で、前年同期の257本を上回った。昨年全体では清算が979本、新規設定が968本だった。

投資家に資金を返還したヘッジファンド会社には、コマック・キャピタル(ロンドン)やフォートレス・インベストメント・グループが含まれる。フォートレスでは23億ドル規模のマクロファンドが損失を出し、清算された。

上記のように、最近はプロでも成績は芳しくないようです。主役である相場全体が不安定であり、ボラティリティも大きいため収益もいまひとつとなっています。あまり焦らないことです。