集合と分散

最近のニュースに下記のような記事があった。

『億万長者やそれ以上の富裕層を名乗ることができるのは、世界人口のわずか1%だが、その人々が世界の富のほぼ半分を占め、しかもその割合が増加していることが、7日に発表された新しい報告で明らかになった。しかもその割合は2013年の45%から、15年には47%へと着実に増えており、格差が世界中で広がりつつあるとする経済学者らの不安を裏付けている。一方、残る53%の資産を、世界人口の99%で分けていることになる。世界の富裕層にとってオフショア金融センターは依然として重要で、タックスヘイブン(租税回避地)には約10兆ドル(約1070兆円)があり、この額は昨年約3%拡大した。』

このような記事を読んで皆さんはどのように感じられたでしょうか。「自分には関係ないよ」「困ったものだ」「何とか是正しなくては」などと、意見はまちまちであると思います。

今後の世界の経済はグローバル化し、ТPPに代表されるような聖域なき関税撤廃による自由化が進んでいくものと考えます。このような状況を客観的な視点から見た場合「グローバル化」「関税撤廃」「自由化」と、文字だけ見れば理想的とも思える。

しかし、それぞれの国には風土的特性や経済的格差があるのも事実であり、これらを無視した自由化には問題が生ずることになりはしないか。事実、EUの加盟国であるギリシャ問題などは、このような典型的な例ではないだろうか。

上記の記事にあるように、世界人口のわずか1%が、世界の富のほぼ半分を占め結果になるのは、グローバル化や自由化がもたらしたとも考えられる。経済学者たちは、このような格差が今後ますます広がるのではないかと危惧している。

EUは東側諸国や西側諸国に対抗する意味で、また、グローバル化や自由化に対して、さらに強力な結びつきが必要となってEU(欧州連合)を結成することになったわけです。

このように、弱い者はみんなで集まって(集合)団結して強い者に対抗する。そこで、ある程度力が付いてくると、今度は自己主張が強くなり分裂(分散)することになります。過去の世界の歴史を見ても多くはこの繰り返しです。これは宇宙の成り立ちと同じように「集合と分散」を繰り返すことになります。自然の摂理は皆同じ。森羅萬象、皆どこか似ているものです。

上記の「世界人口のわずか1%が世界の富のほぼ半分を占め、しかもその割合が増加している」が、さらに進んでいけばどのように状況になると思われますか。それは「分散」という結果になります。もし、100人中、一人しか食べるものを持っていないとすると、その後どうなるかは想像できますね。

「グローバル化」「関税撤廃」「自由化」は、すばらしいものですが、そこに規律や責任がなければならない。人間は一人では生きていけないのですから・・・。

投資の世界にも確実に「グローバル化」「自由化」が進んでいます。現在の投資市場はさらにグローバル化され、海外の市場でも売買は可能です。投資家の精通した市場での売買ができます。また、多くの指標も上場され売買が自由です。投資家にはメリットのある売買手数料も自由化されています。

しかしながら、投資家は自己規制して自分を見失うことなく「グローバル化」「自由化」の波に飲み込まれないようにしたいものです。自己ルール厳守(自己規律)です。
『欲深き人の心と降る雪は、積もるにつれて道を忘るる 』