現在の決断がベスト

日経平均は2万円前後で推移している。世界経済が成長を続ける中で、日本も輸出が伸び、設備の稼働率が上がってきている。設備投資も増えてきており、企業経営者のマインドも悪くないようだ。

さて、現在は買い方有利の相場展開ではありますが、皆さんの投資成果はいかがでしょうか。損切りしないで持続していればもっと成績が良かったのにと悔やんでいる投資家もいるかもしれませんが、それは現在の相場を見ての結果でしかないのです。以前の損切りは、その時点の判断であり、間違いではなかったことを理解すべきです。

投資家は「損切りしなければ良かった」という不都合な状況をいつまでも引きずります。再び同じような損切り場面で、以前の苦い経験から「今度は損切りせず持続しよう」などと考え持続することになります。しかし、結果は逆の状態に・・・。よくあることです。

成功体験でも失敗体験でも同様な結果が見られます。これは「人間は記憶の中に生きている」という証なのです。記憶は体験として積み上がっていきます。相場の世界では、一般社会での体験よりきわめて明確に現れてきます。

要は、決断すべき時は、その答えを記憶や体験の中から導き出すことになります。しかし、その決断を記憶や体験の中から導き出しても常に正しいとは限りません。損切りか持続かの決断を迫られた場合、もし、自己ルールが明確であり、それらに従うのであれば、このような判断は必要なくなります。しかし、そのルールに従って決断しても結果が良くなければ、やはり悔やむことになります。

このような状況に追い込まれた場合には、決断後の気持ちの整理が必要となってきます。私の場合はシステム売買であるため、すべてルールどおりに決断しています。しかしながら、負けが続いたときなどは「やはり持続だったかなあ」などと思うことはあります。

人生では、投資に限らず決断をすべきことは結構多いものです。その決断が間違って、後で後悔することもしばしば。このような時、私は常に「現在の決断がベスト」と自分に言い聞かせるようにしています。

先のことは誰も分からないのです。そのため、現在の状況であらゆる情報、記憶、体験からベストの判断をしているのですから「現在の決断がベスト」となるわけです。現在の判断がベストであるため、現時点では他には選択肢はないわけです。

よって、現在の決断がベストとなるわけですが、この時点でもうひとつ重要な点があり、この点を欠いては、現在の決断がベストとはなりません。それは・・・。

私の語録に「決断する前に自分の鼓動に聞いてみろ。興奮状態で結論を出すな。決断は常に平常心で行うべし」とあります。また「緊張は能力を封じ込めてしまう。緊張は本来の健全な姿を歪めてしまう」「焦りと緊張は多くの失敗を招く」とあります。

つまり、決断時に自分の心が平常であるか否かを見極めてから決断しなさいということです。特に投資での決断は追い込まれた状態で決断する場合が多くありますので、この点は最も重要となってきます。

もし、決断時に自分の心が興奮状態であったりする場合は決断を避けるべきです。決断には「何もしない」という決断もあるのです。

北朝鮮と暴走族

我々投資家の目指すところはキャピタルゲインであり、そのキャピタルゲインは株価の変動によってもたらされるものです。では、その株価変動はどのように起こるのか。当然ながら景気や企業業績の動向などにより変動するわけですが、特に短期売買を目指す投資家にとっては、需給関係を引き起こす内部要因、つまり出来高や信用残高などは見逃すことはできません。

さらには突発的な出来事や事件などのニュースでも株価は変動します。目先筋や材料で売買する投資家は、最新のニュースを魚の目鷹の目で探しています。しかし、何らかの早耳ニュースを聞いたとしても、そのニュースのインパクトが持ち株にどの程度の影響があるか分からない。

トランプ大統領当選のニュースをいち早く分かって、売りをかけて成功したと思われたが、翌日には全値戻しとなって糠喜びとなった。かの有名なジョージ・ソロス氏もやはりトランプ大統領当選で大量に売りをかけたようです。しかし、「そんなはずはない」と、今でも売りを持続して大きな含み損を抱えていると聞く。

ジョージ・ソロスだってうまく行かないこともあるのです。我々個人投資家だって当然ながら損が続くこともあるのです。裁量や思惑で売買することは決して悪いことではありません。ただ、思惑が外れたら早々に撤退するべきです。負けを認める勇気も必要です。

私はシステムトレードであるため、裁量や思惑での売買はいたしません。しかし、人間である以上、やはり大きなニュースなど飛び込んでくれば気になるものです。

最近までの気になるニュースは、やはり北朝鮮のミサイル発射でしょうか。日本は地理的に北朝鮮と近いため、一度に大量のミサイルを打ち込まれたら防御できないと思います。一抹の不安を感じるところです。

メディアでは専門家やジャーナリストが、これらの問題をあれこれ解説しているようです。私は専門家ではないので詳しくは分かりませんが、この問題を私の視点から見てみると・・・。

私は現在の北朝鮮は暴走族のようなものだと考えています。暴走族は徒党を組んで信号無視をしながら暴走します。一般社会からは嫌われ者の存在です。暴走族の特徴としてエンジンを空吹かしをして虚勢を張ります。

しかし、このエンジンを空吹かしは、日ごろ嫌われている暴走族の自己主張のように聞こえます。普段は誰にも相手にされない寂しさから、暴走して「俺はここに居るんだ、みんな振り向いてくれ」と叫んでいるように思えます。

若者が暴走する要因は、自分の存在意義と自信を失うことによって軌道を逸脱していくのです。よって、エンジンを空吹かしは、自分の存在を認めてもおうと主張しているよう聞こえます。

同様に北朝鮮も国際ルールを無視し、国際社会から嫌われています。そのため、暴走族のエンジンの空吹かしと同じようにミサイルを打ち上げて「我々はここに居るんだ、みんな振り向いてくれ」と、存在を認めてもらおうと主張しているように感じます。

話が脱線してしまいましたが、投資の世界は対戦相手も見えず孤独なビジネスです。特に負けが多くなってくると投資家としての自信を失って、自分の存在意義すら分からなくなってしまうことがあります。

そうならないために何をすべきか。それは当欄で何度も解説してますので、今更述べることはないと思いますが、投資の世界は投資家の人生をも変えてしまうような危険もはらんでいます。よって、今、何をすべきか、何をしないべきかを考え、軌道を逸脱し暴走しないようにしたいものですね。

ロスカットは必須

投資市場は長期的な視点ではファンダメンタルズをベースに変動するわけですが、目先的にはニュースや材料などで振り回され変動しやすい。

短期投資家にとっては目先的な突発ニューなどに成績が左右される。私も今回の変動で損切りを余儀なくされた。思い起こせば、トランプ大統領のまさかの当選の時も株式市場は大きく乱高下した。私はその時も損切りした。私とトランプ大統領は相性が悪いらしい。

先物取引には日中取引と夜間取引がある。日中取引は、ほぼ現物市場と相関する変動となっています。しかし、先物の夜間取引は米国の市場の変動に大きく影響されています。そのため、米国市場で何らかの大きな変動があれば日本の先物市場も影響されてしまう。

よって、夜間取引で大きな変動があれば、翌日の東京市場の寄り付きは飛んで窓空けして始まる。もし、今日の株式市場の寄り付きは高いか安いかを判断するなら、先物の夜間取引の終値を見るとよい。夜間取引の終了時間は翌朝の5時30分です。

インターネットの発達により、現在では世界中の情報がリアルタイムで発信され、さらにそれらの情報に投資市場は敏感に反応する。「さて、今日の投資成績はいかがかな」とパソコンを開いて見たら「持ち株ゼロ」になっていた。このようなことはありませんでしたか。

これはどうしたことかと確かめると、知らぬ間に相場が急変しロスカット水準を通過し損切りとなっていた。短期売買ではこのようなことは頻繁に起こる。しかし、ロスカットなしではリスクが高すぎます。

ロスカットの水準を設けて損切りとなるが、もし、ロスカットを入れておかなかった場合、その後の経過はいかがだったろうか。その後の経過を追って見ると「損切りしなかったほうが良かった」というケースが非常に多い。

私自身の売買でも同様です。であるならば、当然ながらロスカットなど入れなければ良いのではないかという考えも湧いてくる。

以前も解説しましたが、ロスカットは海から押し寄せる波と同じようなものであると説明しました。波は100回に一回は大きな波となって押し寄せてきます。さらに1000回に一回は大波となって釣り人を飲み込んでしまいます。

このように、100回に一回ぐらいの波ならロスカットしなくても何とか売買を継続していけます。そこでロスカットなどしないほうが効率的だなどと考えていると、突然1000回に一回の大波が押し寄せてきます。

たしかに、ロスカットしないで持続していれば良かったというケースは多いのですが、投資市場に参加している短期売買投資家であればロスカットは必須ではないでしょうか。もし、これが先物市場で1000回に一回の大波に遭遇したら即「破産」です。

売買手法について

投資家が市場に参入する場合、ある程度どのような売買手法で運用していくかを決めて参入するものです。これが投資手法というものです。投資手法は投資家の数ほどあると言われていますが、どのような手法であっても最終的に収益が上がれば良いわけです。

投資手法を採用するにあたり事前にある程度の模擬売買をします。しかし、模擬売買では完璧であったものが実践してみるとまったく逆の結果になってしまったという経験はなかったでしょうか。

何故そのようになってしまうか考えてみましょう。長期的視点から見れば模擬売買の結果より実戦での結果が下回るのが一般的です。しかし、ことごとく逆になってしまうということは、その手法の利用方法自体が間違っていると言えます。

もっともポピュラーな分析指標に移動平均線があります。通常は、株価がその移動平均の上にあるか下にあるか、また、現在の株価と移動平均線の乖離などを見て上げすぎているとか下げすぎているとか判断します。

この移動平均線に対する乖離率を採用したテクニカル分析手法に、ボリンジャーバンドがあります。これらは標準偏差を利用して分析するのですが、大きく下に乖離したシグマ2で買い付けする、大きく上に乖離したシグマ2で売るなどと判断します。

過去の株価をボリンジャーバンドで売買シミュレーションするとうまく儲かる。これはいいと実戦に入るが結果は惨憺たるものとなる。買いの水準をシグマ2以上にすればよいのだろうかなどと悩む。

たとえば、乖離率を大きくして成功率を上げようとします。すると成功する確率は高くなりますが、反対にそのチャンスは少なくなります。変動の小さい相場では、一年間待ったが一度も仕掛けのチャンスがなかったなどとなります。

待ちに待ったチャンス到来と仕掛けに入ったものの、その時はなんと○○ショックの暴落の時であったなどとなる。なかなかうまく行かないものです。

「自分はボリンジャーバンドを利用して儲けているよ」という話も聞く。結果的に儲かればそれはそれで良いのだが、よく聞いてみると上昇相場でシグマ2以下での買いだと言う。たしかに「上昇相場」という前提なら効率的な売買ができよう。

しかし、下降相場であったならいかがだろうか。同じような成績を収められたかどうか。もし、買いのみであったとすれば、上昇相場であればボリンジャーバンドを利用しなくても他のどのような手法でも儲かるのではないだろうか。

要は、相場のトレンド判定が可能であれば投資手法などどのようなものでも収益を上げることはできる。この点を十分に理解すべきである。たとえ、この投資手法で儲かったとしても相場のトレンド判定なしでの収益は「たまたま、偶然に」の範疇ではなかろうか。

私は常々、相場で収益を上げるには「相場観測」「売買手法」「売買テクニック」であると述べています。このうち「相場観測」による収益ウェイトは85%であると言い続けています。極端な言い方をすれば「相場観測」なしでのテクニカル分析は無効であるとも言えます。

投資家は常に目先の売買手法の良し悪しに走りがちですが、相場で勝ち続けるにはやはり「相場観測」が不可欠となります。トレンドに追従すれば最終的に勝ち組に入ることができます。

「相場観測が重要なことは分かったが、どのようにすればよいのか分からない」と言った声も聞こえてきますが、何も難しく考えることはありません。高度な相場観測分析もありますが、超簡単な方法としては、現在の日経平均が移動平均線(何日線を利用するかは投資家の投資スタンスにより決定)の上にあれば上昇トレンド、下にあれば下降トレンドにするなど簡単な方法があります。

投資では主観的、感情的にならず、ある一定の指標の元に売買の判定を下すことが肝心かと思います。

チャレンジこそ我人生

ほとんどの投資家が体験していると思いますが、初心者のころ市場に参入するに当たり夢を抱き、ワクワクとした気持ちで売買を始めたのではないでしょうか。当然ながら投資にはリスクがあるのは理解していました。

そのリスクも「10%損切りで対処すればいいんだ」などと考え参入します。しかし、その期待が裏切られることに時間はかかりません。当初考えていた10%損切りもできずじまい。これらは私を含めて投資初心者が通ってきた道です。こんなはずではなかったと苦悩します。

苦悩しながらも、ある投資家は再度チャレンジしようと考えます。また、ある投資家は志半ばで健闘むなしく退場していきます。退場すれば、その間に培った経験はすべて悪夢となって記憶に残ります。これで良いのだろうか・・・。

日本人は何でも減点方式で考えます。すべてうまくやるのが前提で、うまくいかないことをそこからマイナスします。何かミスをしたりペナルティを課せられるという考え方をします。相場で躓くと当初の夢を抱いた100点から減点していきます。

なぜ日本人は減点主義なのでしょうか。これは日本の教育にあるのではないだろうか。学校のテストは上限が100点と定められていることにすべてが現れています。よって100点以上の点数は取れません。もし、加点方式で良いところだけを評価し、積み上げていくのであれば100点という考え方すらなくなります。

仕事でも同じです。ミスをすると減点されます。良い成果を出してもなかなか認められないのにミスをするとすぐに評価が落ちてしまいます。

このような方式ではチャレンジしたことは評価されず、ミスだけが評価対象になってしまうのです。チャレンジしてミスするなら何もせずに現状維持でよいのではないかという考えも発生してきます。

子どもの時からミスを咎められ減点されるという考え方にどっぷり浸っています。そんな環境を与えられた時、合理的な人間であれば、それなら何もしないのがベストだと考えるでしょう。そして、あえて行動しないという選択肢をとるのです。それが一番合理的だからです。

減点を恐れると、チャレンジすることで得られるプラスの側面ではなく、失敗して失うマイナス面ばかりに目が行きます。何も失わないように、静かに生きるようになるのです。そして、何のへんてつもない人生に行きつくのです。

「チャレンジすれば失敗するかも知れない。しかし、チャレンジしなければ何も得られない」という諺があります。さらに、晩年になり一番後悔することは「チャレンジしなかったこと」という話もあります。

チャレンジは闇雲にするのではなく、それなりの準備をして行動すべきです。それでも失敗することがあります。しかし、その失敗は成功以上の価値があります。失敗は体験を通して人間を大きくしていくのです。

チャンレンジしようとして怖くなったら、自分が減点思考に陥っていることを思い出してください。そして、動かないことはゼロであるという事実を思い出してください。人生を変えようと思うのならチャレンジ以外ありません。