グローバル化の問題点

投資家であれば誰でも今後の経済見通しなどを占ったりします。これからの日本の経済はどうなるだろうか、そして、世界情勢はと考えを巡らします。景気が良くなれば儲かるのになあなどと期待します。

世界情勢を見ますと、昨年の大きな話題はイギリスのEU離脱であったのではないだろうか。EU離脱は何を意味するのだろうか。また、今年は米国でトランプ大統領が誕生しました。これらによって世界はどのように変わるのだろうか。

昨年まで世界では「グローバル化」が叫ばれていました。グローバル化とは「ヒト・モノ・カネの動きを活発化(自由化)させましょう」ということなのだろう。

グローバル化による「モノ」については、輸入品には自国の製品や農作物を守るため、関税がかけられています。こういった関税は、国内の産業を守るためには良いことではありますが、日本製品を外国に売る時に、 同じように関税がかけられてしまいます。

関税を高くすることは、グローバル化とは逆行していることにもなりますので、国際社会の場で圧力がかかることもあります。貿易という視点で見てみると、グローバル化が進む=関税の引き下げ・撤廃という問題が発生します。

「カネ」については、例えば、企業は商品やサービスを売って儲けを出します。できるだけ、商品を作る元値(=生産コスト)は下げて、 売る時は高く売りたいです。そのため、生産コストの大きな部分を占める人件費を安くするため、企業は外国の賃金の低い新興国で商品を作り始めます。これによって国内の空洞化という問題が発生します。

「ヒト」については、グローバル化が進むと、自由に国境を越えて、他国に入国することが可能になります。ヨーロッパでは、シェンゲン協定という決まりを締結している国通しでは、パスポートやビザなしで出入国できます。

以上がグローバル化の骨子ではあると思いますが、はたしてこれが正しいのかと疑問を抱く人も少なからずいます。「カネ」に対するグローバル化の弊害の典型にリーマン・ショックがあります。

「ヒト」に対しては、グローバル化とは少し異にしますが、ヨーロッパでは移民問題が大きくクローズアップしています。また、メキシコ国境に壁を作り不法入国者を防ぐという話題もあります。異国人が流入することにより独自の文化の破壊なども起こります。「モノ」については、日本の農業政策に支障をきたしてきます。

世界各国は富める国、貧しい国があるのも事実です。民族性や言語の違いもあります。これら格差のある国を含めて、すべて自由化するには大きな障壁があるのも事実です。そこに明確なルールや倫理観がなければグローバル化も混乱をきたすことになります。

以前に解説しましたように「自由」とは素晴らしいものですが、そこに厳格なルールや倫理観がなければ最後には破綻することになります。ロシアを見てみてわかるように、ソ連の共産主義が崩壊しロシアが誕生して、資本主義に移行しようとしましたが、そこに高度な倫理観があまりなかったので、いまだ成長していない状況にあります。

また、深刻な不況からなかなか立ち直れないアメリカで、1%対99%と言われるように富裕層と貧困層の格差が最大に広がっているという。これは資本主義の行き着く先なのか?。ここに富裕層による高度な倫理観である社会還元がなされていないような気がします。

このような現状から、グローバル化の問題点が浮き彫りになってきています。前述のイギリスのEU離脱はグローバル化に逆行する動きでもあります。また、次期トランプ大統領の掲げている「アメリカ・ファースト」は、アメリカ第一主義。つまり、国力が相対的に停滞し国内にさまざまな問題を抱えるアメリカは、自国の社会、経済建直しを最優先し,国際的問題への関与を可能な限り控えるべきであるとする考え方です。

このように、イギリスのEU離脱、および次期トランプ大統領の掲げている「アメリカ・ファースト」は、グローバル化に逆行する動きでもあります。このような問題も考慮された上で、今後の世界情勢や経済状況を読み解く必要もあるのではないでしょうか。

私の格言に「世の中、いつの時代も矛盾だらけ。人は矛盾の中で生きている。世の中は常に距離をおいて客観的に見よ」とある。また「情報過多は迷いを引き起こす。マスメディアの情報の9割はノイズ(雑音)。時として、メディアにより真実が嘘の情報のもとに隠蔽されることがある」とあります。

責任を取らないマスメディアなどに振り回されることなく、世の中の情勢は、できるだけ主観を入れず客観的に観察して、これからの投資活動に役立てていただきたいと思うところです。

以上の内容には反論もあると思いますが、これらは、あくまでも私の独りよがりの「私見」でありますので、このような考え方もあるのだなあ、程度に留めておいてください。ご参考までに・・・。

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