日本人と相場

日本人の特徴は「真面目である」「秩序を守る」「礼儀正しい」「きれい好きである」「約束を守る」など、民度、素養の高さは世界一といっても言い過ぎではないだろう。なぜなのだろうか。

それは日本の歴史の長さにあると思う。島国であり、単一民族であり、また、四季に恵まれた国である。一貫して継続され長い歴史を持った国である。神武天皇が大和の地に国をつくり、王朝が一度も滅びることなく続いている。日本は世界最古の国です。こうした事実は日本人として誇るべきことだと思います。

また、日本は古来、農業国であった。つまり、日本人は農耕民族であった。農業は主として米作りである。米作りは春に田に水を引き、耕し、苗を植え、秋に刈り取るという作業の間には台風などで風水害もあるだろう。しかし、日本人はそれらを乗り越え、コツコツと農作業を続けてきたのである。

田植えや稲刈りの作業は一家族では賄いきれず、人手を借りての共同作業であった。このような生活の中から、コツコツと努力することや他人への思いやりや礼儀などの作法を身につけたに違いない。我々日本人には、長い歴史とともにこれらがDNAにインプットされてきたのだと思う。

前置きが長くなりましたが、そこで、日本人と相場について考えてみたいと思います。日本での相場の常識とされた「株式投資とは長期に持つものである」について考えてみると、これは農耕民族の資質とうまくマッチしているような気がします。

米作りのように種を蒔いてから刈り取るまでじっくりと待つ。つまり長期投資である。そこで長期的に積み立て投資すれば、株価の変動リスクを抑制でき、最終的には安定した利益を確保できると考える。これはにドルコスト平均法という投資法である。

ドルコスト平均法は、規律のある積み立てで時間分散を進めれば、長期的に収益が上がるという考え方だ。しかし、現実的に長期間にわたり規則正しく、同じ投資信託などに積み立て投資を続けてきた人はどれだけいただろうか。

大手の会社には「従業員持株会」などがあり、毎月の給料から一定の金額を拠出して、その会社の株を買うというドルコスト平均法的な持ち株制度がある。これらも長期投資でコツコツとという考え方からである。我慢すれば報われるという理屈だ。

このような投資スタイルは日本人の性格に合っているようです。しかし、このような投資法も日本経済も発展し、今後も会社がある程度成長していくという前提に成り立っている。しかし、現状を見てみると、シャープや東芝などの例もある。

辛抱強いのも日本人の特徴でもあるが、雨にも風にも負けず辛抱強くバブル崩壊やリーマンショックにも絶えて長期投資ができる人は果たしてどれだけいるだろうか。長期投資は今後も日本経済は上昇するという前提に立っているように思う。

振り返って、日本の成長は高度成長期とバブル期である。このように時期がまた来ると考えてのことだろう。少子高齢化などを考えると高度成長期やバブル期のようなことは期待できそうもない。よって株式市場もこれからは上がったり下がったりの往来相場が続くような気もする。

日本人は民度も高いし、素養の高い。しかし、このような日本人の性格や気質が相場に適しているだろうか。日本人の性格からすると長期投資が最適かもしれない。それを否定するつもりはないが・・・。ある古参の投資家が言う。「高度経済成長が終わった日本では、相場は上がったり下がったり。長期投資が良いなんて幻想だ。長く持ち続ける事ほど辛いものはない」と。

結論は投資家の成績がその証明することになるだろう。