売買手法について

投資家が市場に参入する場合、ある程度どのような売買手法で運用していくかを決めて参入するものです。これが投資手法というものです。投資手法は投資家の数ほどあると言われていますが、どのような手法であっても最終的に収益が上がれば良いわけです。

投資手法を採用するにあたり事前にある程度の模擬売買をします。しかし、模擬売買では完璧であったものが実践してみるとまったく逆の結果になってしまったという経験はなかったでしょうか。

何故そのようになってしまうか考えてみましょう。長期的視点から見れば模擬売買の結果より実戦での結果が下回るのが一般的です。しかし、ことごとく逆になってしまうということは、その手法の利用方法自体が間違っていると言えます。

もっともポピュラーな分析指標に移動平均線があります。通常は、株価がその移動平均の上にあるか下にあるか、また、現在の株価と移動平均線の乖離などを見て上げすぎているとか下げすぎているとか判断します。

この移動平均線に対する乖離率を採用したテクニカル分析手法に、ボリンジャーバンドがあります。これらは標準偏差を利用して分析するのですが、大きく下に乖離したシグマ2で買い付けする、大きく上に乖離したシグマ2で売るなどと判断します。

過去の株価をボリンジャーバンドで売買シミュレーションするとうまく儲かる。これはいいと実戦に入るが結果は惨憺たるものとなる。買いの水準をシグマ2以上にすればよいのだろうかなどと悩む。

たとえば、乖離率を大きくして成功率を上げようとします。すると成功する確率は高くなりますが、反対にそのチャンスは少なくなります。変動の小さい相場では、一年間待ったが一度も仕掛けのチャンスがなかったなどとなります。

待ちに待ったチャンス到来と仕掛けに入ったものの、その時はなんと○○ショックの暴落の時であったなどとなる。なかなかうまく行かないものです。

「自分はボリンジャーバンドを利用して儲けているよ」という話も聞く。結果的に儲かればそれはそれで良いのだが、よく聞いてみると上昇相場でシグマ2以下での買いだと言う。たしかに「上昇相場」という前提なら効率的な売買ができよう。

しかし、下降相場であったならいかがだろうか。同じような成績を収められたかどうか。もし、買いのみであったとすれば、上昇相場であればボリンジャーバンドを利用しなくても他のどのような手法でも儲かるのではないだろうか。

要は、相場のトレンド判定が可能であれば投資手法などどのようなものでも収益を上げることはできる。この点を十分に理解すべきである。たとえ、この投資手法で儲かったとしても相場のトレンド判定なしでの収益は「たまたま、偶然に」の範疇ではなかろうか。

私は常々、相場で収益を上げるには「相場観測」「売買手法」「売買テクニック」であると述べています。このうち「相場観測」による収益ウェイトは85%であると言い続けています。極端な言い方をすれば「相場観測」なしでのテクニカル分析は無効であるとも言えます。

投資家は常に目先の売買手法の良し悪しに走りがちですが、相場で勝ち続けるにはやはり「相場観測」が不可欠となります。トレンドに追従すれば最終的に勝ち組に入ることができます。

「相場観測が重要なことは分かったが、どのようにすればよいのか分からない」と言った声も聞こえてきますが、何も難しく考えることはありません。高度な相場観測分析もありますが、超簡単な方法としては、現在の日経平均が移動平均線(何日線を利用するかは投資家の投資スタンスにより決定)の上にあれば上昇トレンド、下にあれば下降トレンドにするなど簡単な方法があります。

投資では主観的、感情的にならず、ある一定の指標の元に売買の判定を下すことが肝心かと思います。