金融派生商品

散歩の途中ぶらりと書店をのぞいてみた。投資関係のコーナーは当然ながら現在の相場状況を表すかのように縮小されていた。そのような中、目に付いたのは「仮想通貨」「FX」の投資指南書である。

今、仮想通貨がブームなのだろうか。仮想通貨は投資金が少なくても売買ができ、また、株式投資のような面倒な銘柄選択なども必要ないため人気なのだろうか。

また、日経225の先物にも人気があるようだ。そのような投資技術書が幅を利かせているように感じました。また、CFDなる取引もある。

CFDとは?
CFD (Contract For Difference、「差額決済契約」)は、通常の金融取引商品に比べ、さらにパワフルでより有利な金融取引を個人投資家に提供する革新的な金融取引商品であるなどと説明されている。物理的に現物株(原資産)等を所有することなく、原資産取引と同様に売買価格の差で決定する。

つまり、戦前に行われていたような差金決済である。例えば、トヨタ自動車現物株CFDを1現物株CFD購入したとします。この現物株CFDの価格は、実際のトヨタ自動車現物株の値動きを反映しますが、実際に現物のトヨタ自動車株を保有しているわけではありません。しかし、通常の現物株取引と同様に、売買価格の差額がCFD取引の損益となります。

FXにおいてもしかり。日経225の先物、CFD、仮想通貨にしても、小額の資金で大きなレバレッジをかけて大儲けができますとのキャッチフレーズです。最近、FXのレバレッジが高すぎるので10倍程度にすると検討されていましたが、業者側の反対によって却下されたようです。

各証券会社もこれらの勧誘に力を入れているようです。まるで投資市場はギャンブル場と化しているようです。このような市場に素人投資家や初心者を勧誘するのは、いかがなものか。証券会社や出版社のモラルを問いたいところである。

私は、投資において企業の収益以上の収益率を上げようとすることは、その裏には、それらと同様、あるいはそれ以上のリスクを孕んでいると申し上げています。投資市場で取引する投資家は、これらを十分理解した上で慎重に取引していただきたいものです。老婆心ながら・・・。

投資では、それなりの投資資金を準備し、投資知識を習得した後に参入するものです。それでも市場から収益を上げることは困難なものです。特に金融派生商品は、さらに高度な知識の習得を必要とし、これらに素人投資家や初心者が参入することは、もってのほかである・・・と考えるのは私だけでしょうか。

今後、ますます新たな金融派生商品が開発、発売されてくると思います。これらの仕組みの多くは、それらを販売する側、取引させる側に有利な仕組みとなっていることを理解しておかなければなりません。「儲かりますよ」の甘いささやきに惑わされないように心がけたいものです。
『欲しい物があったら必ず自分で取りに行け。外部のささやき、甘言などはすべて拒否せよ。外部のすすめで失敗すると「恨み」だけが残る。』

収益とシミュレーション

私が長年、株価分析やシミュレーションをして、発見したことや理解できたことなどについて、いくつか説明したいと思います。最近の株価分析システムには、シミュレーション機能が備えてあるシステムもありますので、これらを利用する際は下記の点に注意してください。

まず、シミュレーションを行うときの注意点ですが。一般的には、パソコンの株価チャート画面上でテクニカル指標などを駆使して、これはどうか、あれはどうかなどと最適な指標や分析日数などを割り出します。

そこで、仮に最適と思われる指標が見つかったとします。しかし、その指標をいきなり実践に使用することは危険です。なぜなら、それらの指標を利用し続けると成績はマイナスとなってくるからです。では、なぜ成績がマイナスとなってしまうのでしょうか。

通常、自分なりの最適な分析指標を見つけたとすると、他の銘柄についても最適な分析指標が機能するかテストするはずです。そして、「おおむね良いだろう」として運用を開始するはずです。

しかし、あれだけ何銘柄もテストしたのに結果は・・・、となってしまいます。何が原因なのでしょうか。多くの銘柄で何度も適正テストして、間違いなくいけると判断したのに・・・。

株価の変動をある一定期間に限ってみた場合、多くの銘柄はほぼ同じような変動をしています。そして、日経平均やTOPIXと連動したような動きを見せているはずです。そのため、上記のようにパソコン画面で表示される程度の期間で、同じような変動銘柄の適正テストを行ってもあまり意味のないものとなってしまうのです。

つまり、同じような株価変動の銘柄で、多くの銘柄のテクニカル分析指標の最適化を行っても、これでは正しいシミュレーションとはなりません。まず、一般的なシミュレーションにおける失敗は、ここに原因があると思います。

正しいシミュレーションとは、相場の上昇期と下降期に分けて行い、それらのどの時期でも利用可能となる分析指標を採用するべきです。限られた期間での分析では片手落ちということになります。

しかしながら、相場の上昇期と下降期に共通する分析指標を見つけ出すことはかなり難しいものです。であるならば、上昇期ではこの指標を使用し、下降期ではこの指標を使用すれば良いのではという意見も当然ながら出てくると思います。

しかし、そうは問屋が卸さないものです。分析指標を利用する前に、上昇期、下降期を何で判断するかということです。これらの判断が容易にできるのであれば、何も分析指標など利用しなくても収益を上げることができるはずです。

多くの投資家が、このような上昇期でも下降期でも共通して利用できる分析指標を捜し求めてさまよっているのも事実です。もし、現実的に相場の上下に左右されず、ある一定の収益を上げることができる分析指標を発見してとしても、その収益は期待しているほど多くはないはずです。

毎年確実に利益を上げているという世界のトップトレーダーでも、その収益は20%前後であるということの本質は、この辺りにあるのではないでしょうか。これらから、市場からコンスタントに収益を上げ続ける手法は、その収益はおのずと低く限定されてくるものです。

たまたま、相場上昇期に株式取引に参入し大儲けしたという話も聞きますが、ビギナーズラックは、そう長くは続かないものです。投資家は、株式市場に大きな期待を持って参入してきますが、ここで改めて申し上げます。相場変動に係わらず、長期間にわたりコンスタントに収益を上げようとするならば、その期待値「収益(利回り)」は大きく設定しないことです。

上昇期でも下降期でも共通して利用できる分析指標で長期間(10~20年)にわたりシミュレーションした場合(2000銘柄以上の平均値)、そのパフォーマンスは年率換算で5~10%程度です。もちろん、これらの多くの銘柄から、さらにフィルターを通してセレクトすれば、そのパーフォーマンスも向上しますが・・・。

当然ながら、これらのシミュレーションも片張り的ないいとこ取りのシミュレーションでは何の意味も成さなくなります。シミュレーションは必ず「どてん売買」によるシミュレーションでなければなりません。

ここでは、シミュレーションの方法と投資収益(利回り)について説明いたしましたが、私の感想としては、投資収益の本質は一般に考えられていることと、かなりズレがあるように感じています。

マインド・マップ

投資の世界で活動している間は「苦悩」から開放されることはないと思います。苦悩は投資の世界にかかわらず、一般社会でも何かしらの苦悩を抱えています。会社内での人間関係や売り上げの伸び悩みなど、また家庭内での問題など、その内容に大小はあっても悩みは尽きません。

これが人生だと割り切ってしまえばそれまでですが、どうしても解決しなければならない問題も発生してくるでしょう。投資活動にかかわらず皆さんは悩みや問題などをどのように対処しているのでしょうか。

これらの諸々の問題を解決する方策などはないものでしょうか。物理学者などは問題解決の方程式まで作ってしまうと言うのですが・・・。しかし、我々凡人にはチョット無理なようです。

そこで、参考になるかどうか分かりませんが、私が苦悩の相場人生を歩んできた中から、その解決策や対処法、考え方などを少し述べてみたいと思います。

人間は記憶の中に生きています。記憶がなければ悩みなどはないはずです。記憶は非常に大事なものですが、この記憶が時として悩みを発生する原因となるのです。

たとえば、現在相場で大きく負けているとします。これはこれで悩みでもあるのですが、もし現在の状況が以前に相場で破綻したときの状況と酷似していたとすると背筋がゾーとして恐怖を感じると思います。「また、以前の二の舞か!」と。

同じ人間が投資活動をするのですから、その行動パターンも同じようになってくるはずです。ですから、投資市場で「負け組みはいつも負け組み」と言われるわけです。では、これらを少しでも改善する方法はないものでしょうか。

ではまず、この記憶の整理から行ってみましょう。現在考えていることをできるだけ脳内に近い形でノートに書き出すことです。たとえば今考えていることが投資で良い成績を収めたいと考えるならば、まずノートの中央に「株式投資」と記入します。

そして、株式投資で成績を上げるためには何が必要かを考えます。たとえば「分析手法」「資金管理」「リスク管理」「投資心理」などと、ノートの中央の「株式投資」のまわりに各項目を書き入れて、それらを線で結びます。

「分析手法」であれば、自分に合った手法が「短期売買」であれば、「分析手法」から線でつないで「短期売買」と記入します。さらに「短期売買」でもどのような手法か記入します。デイトレードとかスイングトレードとか。そして、さらに細部にわたって線を繋げながら記入していきます。

同様に「資金管理」の項目には、現在利用できる投資金額や信用取引であれば投資限度額などを線で繋げながら記入していきます。さらに最大の損切り金額や損切り幅などを記入していきます。

以上のように、あまり深く考えず今考えられることを「株式投資」を中心に書き込んでいくのです。とにかく今考えられることを記入します。時間を置いて、何か浮かんだら追加しながら記入していきます。

ある程度書き込んだら各項目について毎日、検討、修正し一覧表を作るのです。これを「マインド・マップ」と言い、問題解決の手法の一つです。私もこれらを記入し検討しています。

私は以前より「投資とは継続するものなり」と述べています。私の記入したマインド・マップには中央の「投資」から「継続する」という項目があります。その先には「継続する」→「相場を見ない」→「趣味など他のことをする」という一連の項目があります。

これは毎日相場変動を見ていると相場にのめり込み、我を忘れ客観性がなくなってしまうことや時間の無駄であること。自分を戒めるための項目でもあるのです。

以上のようなマインド・マップは、現在多くの企業や個人の問題解決策として利用されています。

「マインド・マップ」の定義は・・・。
『頭の中で考えていることを脳内に近い形に描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくするもの。中心となるキーワードから関連する言葉やイメージを繋いでいくことで、考えをまとめたり、複雑な問題の解決策を見いだすことが容易になる。コミュニケーションや企画力、精神力などのトレーニングとして教育現場やビジネスで広く使われています。』

私はさらにもうひとつの方法を採用しています。決して難しいことではありませんが、あまりなじみの薄い方法かもしれません。それは、その問題について考えつくあらゆるすべての事項(問題点や思いつく解決策)を箇条書きに書き出します。これ以上考えられないという限界まで考えつくすべての項目を書き出します。そして、それを何度も読み返します。

暗記できるほど読んだら、その書き込んだものを燃やすか捨てるかします。その後は、そのことを一切考えず日常生活を送ります。ここで大事なことは、その後は一切考えないことです。

しばらく日常生活を送っていると、ふと解決策がひらめきます。そして、自然と正しい方向に進みます。このような話をすると、なにか胡散臭いとか科学的根拠がないじゃないのと言われます。

私は次のようにたとえて話をしています。まずジグソーパズルがあります。そのピースが少なければすぐに完成します。もしピース多ければ完成には時間がかかります。「ふと解決策がひらめきます」は、それぞれのピースが組み合わさり完成したときです。何も考えなければ、ひらめきも起こらないはずですから。

話を戻して、人間は記憶の中に生きています。脳は箇条書きに書かれた問題を今までの記憶の中から最適な方法で組み合わせ解決を図ります。しかし、脳内での最適な組み合わせには時間がかかるものです。

ジグソーパズルのピースは箇条書きに書かれた問題に該当し、その数が多ければ多いほど組み合わせ(解決)には時間がかかるわけです。「その後はそのことを一切考えず・・・」は、脳が必死に解決策を考えているときに邪魔をしないということになります。

ここで「脳は記憶の中から最適な方法で組み合わせ解決を図ります」とあるが、なぜこのようになるのかと疑問が湧いてくるでしょう。私はこれらは「人間の生存本能に由来する」と考えています。

もうひとつあるとすれば、ポジティブなマインド・コントロールでしょうか。

問題解決策は各自それぞれお持ちと思いますが、ご参考までに。