統制経済

一般に株価は市場金利と企業業績で決まると言われています。景気低迷期には、市場金利も低く抑えられため、高配当などの利回りの高い銘柄などが物色され金融相場を演出する。また、好景気時期には、好決算や予想業績の良い銘柄などが物色され業績相場となる。長期的な視点から見ると、このような展開で株価は循環するものです。

しかし、実際の株価変動は、すべてこのように理想的に、また理論的に変動しているわけではない。株式市場は、情報や材料といった投資家の先取り的な思惑や突発的な事件、事故なども織り込みながら変動するため、適正な株価水準を容易に判断できるわけでもなさそうです。

このように、実際の株価の水準や変動は、あらゆる要因を取り込み変動しています。基本的行動として、今は市場金利が低いから、利回りの高い株式投資をしよう。この企業は、技術開発力がすばらしいため将来性があるので長期投資しようなどと、その投資要因や内容から投資を決定するわけです。

投資先が決定されると、今度は市場において、実際に資金を投資するという行動に移ります。この行動が「需要」となるわけです。その「需要」に至るまでの根拠はさまざまですが、実際に資金で買いに入るため、これが実需となって、実際の株価にインパクトを与えるものです。

改めて説明する必要もありませんが、短期的な株価は実際の需給関係で変動しているわけです。業績が良いというだけで株価は上がりません。これらを裏付けとして多くの投資家が買い(実需)に入って株価を押し上げるわけです。また、暴落時のように、理論的解散価値(PBR)を大きく割り込んでしまうという現象も需給関係で引き起こされるものです。

また、以前のバブル崩壊時に政府は、株価をこれ以上下げさせないようにと公的資金を使って、日経平均が2万円を割れないように、PKO(プライス・キーピング・オペレーション)を行いました。しかし、その下値サポートラインも突破され、今度は2万円が上値抵抗線となってしまった。

これらを証明するかのように、2万円のしこりが取れたかのように、今回の日経平均は2万円を抜いて直線的に上昇してきています。先のことは分かりませんが、このような需給関係が株価変動に影響を及ぼすことになります。

市場変動は市場に任せるべきであって、安易なてこ入れなど考えるべきではないことが証明されたわけです。安易なてこ入れや規制は逆効果になる場合が多いものです。中国の株価を見てみるとよい。

中国の株価は2015年の最高値から急落し、3000ポイント強で2年近くも横ばいで推移しています。これは当局の指示により株価維持策がとられているためです。不動産についても然りです。不動産についても当局の指示により不動産価格維持策がとられています。

もはや中国の名物と言ってもよい「鬼城」(住む人のいないマンション街)は有名な話で、中国に数多くある地方都市に多く存在しています。それなのに・・・。

このようなことから、最近は特に中国崩壊論が巷にはびこっているようです。中国貿易指標である輸出入指数も下がっているのにGDPだけはプラスで推移している。どういうことなのか。一般に、経済評論家の間では中国の経済指標は捏造されたものであると言っている。まさしくその通りだろう。

しかし、バブル崩壊の様相もない。なぜだろうか。それは、そこに資本主義と共産主義の違いを見ることができる。かつて日本ではバブル崩壊後、失われた20年といわれ景気低迷が続いた。

しかし、日本のバブル絶頂期の経済指数と現在の中国の経済指標を比較しても、現在の中国の経済指標は恐ろしく悪い。しかしながら、明確なバブル崩壊とはなっていないようだ。なぜだろうか。

資本主義では経済は需要と供給で決まる。中国も経済は資本主義のようではあるが、基本は共産主義である。中国の実体経済から見ると、株価、不動産価格を需給関係からみればとうに崩壊してよいはずである。

それは中国は資本主義と異なる点、つまり共産主義の得意技である「統制経済」を発令しているからである。たしかに、当局から株価を3000ポイント以下にはするなと指令が出れば、空売りさせない、株主は持ち株を売ってはならないとなる。不動産価格でも同様である。もし、これらに違反した者は罰せられる。資本主義経済ではありえないことを共産党一党独裁での「統制経済」ではこれが可能となる。

では「統制経済」の末路はどのような結果になるのだろうか。上記の日本のバブル崩壊後の株価対策であった「統制経済」のような日経平均2万円維持策後の経過を見てみれば分かるだろう。これを中国では株価維持だけではなく、あらゆる国内経済に適用しているため、その末路は通常のバブル崩壊の比ではないだろう。

過去、世界は栄枯盛衰を繰り返しながら現在に至っている。歴史を振り返って、衰退あるいは滅亡した国には共通の課題がある。それは「自由」と「人権」のない国はいずれ衰退、滅亡となっている。また、革命などによって自由と人権を獲得した国は繁栄している。

我々の日本では自由と人権は保障されている。自由経済の代表である投資市場も自己責任において自由に活動できる。大いに活躍していただきたい。

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