心の拠り所

私は常々、投資手法は投資家に合った手法であればよいと述べています。さらに言わせていただければ、投資手法は投資家に合った手法でなければならないと考えています。

なぜなら、投資とは継続して売買を続けるものであり、自分に合わない手法であれば、それがストレスやプレッシャーとなり継続が困難となる可能性が高くなります。それでなくても投資は心労が絶えないのに・・・。

投資手法はどれが正しいというものはありません。投資の基本セオリーを守っていればそれで良いと思います。あれこれ理論をこねくり回しても勝てなければ意味を成しませんし、あまり理論は分からなくても動物的な勘が鋭く儲けている投資家もいるようですし・・・。

投資の世界は「勝てば官軍」的なところもありますが、しかし、一番大事なことは、継続していかに勝ち続けるかにあります。追い風もいつかは逆風になるし、ビギナーズ・ラックもあります。要は、相場動向に大きく左右されず堅実に利益を積み上げていく手法がベストではないでしょうか。

さて前回、投資家の揺れ動く心理について解説いたしましたが、多くの反響がありました。私を含め投資家は皆同じような心理状態になるのだなあと感じました。

ところで、私の売買テクニックについて解説してほしいとの要望がありましたので、少しお話してみましょう。前述のように投資手法は、それぞれの投資家に合った手法であれば良いのであって、私の手法も数多い手法の中のひとつと捉えてください。

私は先物市場で売買しています。まず最初に自己資金に合わせて最大投資金額を設定します。たとえば最大売買枚数を100枚などとします。私はシステム売買ですからシステムからのシグナルの指示によって売買注文を出します。

たとえば、少し相場が上昇気味の場合などは「新規買い20枚」のように指示が出ます。この指示に従って、翌日の寄り付き成り行きで発注します。さらに相場上昇となると「買い30枚追加」となり、建玉は合計で50枚となります。さらに相場上昇となれば追加買いの指示がでます。一発で90枚などと指示が出る場合もあります。もちろん「売り建玉」の指示も出ます。

この一連の売買を見ればいとも簡単なように見えますが、実戦ではハラハラドキドキとなるはずです。なぜなら、仕掛け後に上昇となって利食いしたいところに、さらに「買い乗せ」しているのです。

これらの売買を裁量的な判断で行うとすると「含み益があるので減らないうちに半分だけでも利食いしておこう」と。また「ここはひとまず利食いしておいて、下げたら再度仕掛けよう」などの心理が働きます。誰でも考えるような心理状態です。

しかし、私のシステムは、その心理を逆なでするように、相場が上がれば上がるほど買い増ししていくシステムなのです。実に恐ろしい(心理的に)システムなのです。これを裁量的トレードで行えば胸がはちきれそうになるでしょう。私自身も裁量トレードでは無理です。

なぜそのような売買法になったかと言いますと、第一にシュミレーションの結果が良かったことにあります。結果が良かったとは言え、実際にこれで売買ができるものかと不安があったことは確かです。

そこで冷静になって考えました。多くの個人投資家は結果的に裁量的な売買が多いのではないか。その個人投資家の投資家心理はいつも変わらず、上がれば利食い、下げれば持続となってしまう。多くの投資家は「誰でも考えるような心理状態」での行動となってしまいます。

統計によると、5年以上継続して投資活動を行った結果、収益を上げられたのは総投資家の1%に満たないと発表されている。これはどうしたことか。感情の赴くままに売買すると皆負けてしまうと言うことなのか。

これらを踏まえて、シミュレーションの結果と売買手法が一般的な裁量トレードの逆の売買手法となっていることに採用の決断が付いたわけです。しかし、実戦に入ると「えっ、こんなところで反対売買かよ」「仕掛け枚数が多すぎるんじゃないの」など、心理と大きくかけ離れた場面に遭遇します。

しかし、それであっても一度たりともシステムの指示に違反して売買したことはありません。もちろんシステム売買であっても損の続くこともあります。そこは踏ん張りどころです。自分の作ったシステムを信じるしかないのです。

私の心の拠り所は、私自身の裁量的トレードより、たとえ損となってもシステムトレードのほうが「上」であると固く信じているところにあります。

以上、私の売買手法を説明しましたが「これがベストのようだから真似しよう」などとは考えないでください。何度も繰り返しますが、投資手法にこれが最高などというものはなく、投資家自身に合った手法で行うべきであることをお断りしておきます。