自問自答

まず投資を始めると期待感と不安で気分は高揚する。仕掛け後に株価は上下に不安定に変動する。その変動に比例するかのように気分も上下する。

仕掛け後(買い仕掛けとする)に下げたとする。下げの初期段階では相場とはこんなものだと自分に言い聞かせる。さらに下げると不安がよぎり、仕掛けは間違いだったのかと自問自答する。しかし、その後相場が切り返すと、やっぱり、自分は正しかったなどと思いにふける。

その後、相場がもちあいとなり気分も強気、弱気と微妙にぶれてくる。相場もちあい後に急落。急落の原因は何かと調べまわる。その原因が分かると、急落で損をしているにもかかわらず妙に納得する。急落は自分の問題ではなく他の原因であるなどと自分に言い聞かせて自分を納得させる。

しかし、その後じり安となり漠然とした不安でもんもんとする。ナンピンを入れるのはまだ早いのではないかなどと考えたり、損切りという言葉がチラリと浮かぶ。その後さらに急落。当初決めておいたナンピン水準をはるかに超えての下落である。

「こんなはずでは・・・」とパニックになる。そして正常な思考と平常心は飛んでしまう。パソコンを立ち上げ相場を見るのが怖い。恐る恐るマウスをクリックするとさらに下げている。思考停止となる。

しばらく相場を見ることなく時間が経過し、少し平常心を取り戻す。「やっぱり損切りすべきだったな。あそこで損切しておけば損は半分で済んだのに・・・」。後悔しきり。持ち株はそのまま放置してある。結果的に損失は大きくなる。

ある時、テレビのニュースで相場が急騰しているとの報道があった。急いでパソコンを覗くと以前の損切り水準まで戻っている。これはしめたと思い、持ち株の持続を決める。損切り水準まで戻ったのに・・・。

その後は毎日パソコンを覗いて「上がれ、上がれ」と叫ぶ。世の中そんなに甘くない。相場トレンドは下降であり、その後、さらに前回の安値を割った。

もし、仕掛け後に運よく上昇となったとする。「見込みどおりだ。俺の読みは正しい」などと気分も爽快。パソンコを覗くのが楽しみだ。朝の寄付きが待ち遠しい。そして相場はさらに上昇、ハッピーだ。

相場はその後もじり高となり気分が良いはずだか、少し不安がよぎってきた。この不安は何だろう。儲かっているのに・・・。相場がさらに上昇となると喜びより不安がいっぱいになってきた。

「もし、ここから下げたら儲けが少なくなってしまう」と漠然とした不安が漂う。不思議と最大利益時の記憶は鮮明に覚えている。その後は、その最大利益時が基準になって損益を計算することになる。相場が少しでも下げると「あの時売っておけばこれだけ儲かっていたのに・・・」と。最大利益時の基準がいつまでも忘れられない。今度、最大利益時の水準になったら決済しようと考える。戻るはずはないのに・・・。

含み益が増大してから「もし下がったら」という不安は、仕掛け後に下げて損となっているときより不安が大きいと言う。不思議だ。つまり、損をしているときより儲かっているときの方が不安が大きい。損失に対しては免疫があり、利益に対しては免疫がないからなのだろうか。

相場が下がり、含み益が少なくなってしまうという不安は、投資家を早めの利益確定に走らせる。結果的に利益が小さくなる。これでは相場で利益を積み上げるには程遠い。実は、これは私自身の体験でもあるのです。

以上のように、投資家は常に心の葛藤の連続である。疲れてしまいストレスが蓄積される。そして自問自答の連続である。ストレスが蓄積され心が常に不安定な状態では相場で儲かるはずはない。投資家はこれらについて考えてみる必要があります。

「己のほかに敵はなし。向かう敵は自分だけ」

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