インタビューを受けて

先日、私が林投資研究所の林知之氏(林輝太郎氏のご子息)のインタビューに答えた記事が書籍として出版されました。タイトルは「億トレⅢ」でマイルストーン社、定価(本体2500円+税)。個人トレーダー10名の共著ですが、私の経歴や現在の売買状況などが掲載されています。

その一部をご紹介します。『』内は林氏の質問および感想です。

■林氏『先日、拝見した先物のシステムも、同じような緻密なポジションの取り方でしたね?』

株価指数の先物をトレードする場合、指数そのものの動きを見るのではなく、その指数を構成する個別銘柄すべての動きをチェックする必要がある、というのが私の考え方です。ロジックそのものは単純でいいのですが、ポジション操作を丁寧にすることが重要だと考えています。」
■林氏『するとポジションが0~100の間で非常に細かく動くと言うことですね』

どちらかがゼロになることはありませんが、売り買いの一方が90を超えるケースはあります。たとえばリーマンショックの時は売りが極端に多くなり、結果として大きくとることができました。多くの人は「損切り」とか「利食い」という観点を意識しすぎるかもしれませんね。「値動きに応じたポジション操作があるだけ」という考え方でいいのではないでしょうか。でも私のシステムは順張りなので、保合の相場に弱いのが欠点です。
■林氏『常に順張りですか?』

はい、そうです。手仕舞いとかドテンを前提にシステムで臨むと、必然的に順張りになると考えています。
■林氏『それには同意します。売り値が買い値より高くなければ利益になりませんが、「安く買って高く売る」では正しいポジションの取り方に結びつかないと思います。強い銘柄を、高くてもいいから買い、さらに高値で売る、ということですよね?』

それでは、まだ、弱いと思いますね。高く買って、さらに高値で買い乗せるんですよ。価格の推移とポジションの増加を、単純に図式で考えて見ましょう。「100円ごとに買い下がる」ルールだと、下がっていく中でポジションが膨らんでいき、どの時点でも評価損です。しかし「100円ごとに買い上がる」ルールならば、上がっていく相場に対してポジションを増やしながらも、評価益の状態が維持されます。私は、こういう考え方を基礎にして、現実の安全性を盛り込んだポジションの取り方を規定しているのです。狙い所にもよるのかもしれませんが、株の場合はこの考え方で正しいと思っています。評価損は多大なストレスを生みますが、評価益はハッピーな気分にしてくれますしね。
■林氏『なるほど、とても納得できますね。予測の的中率に限界がある以上、メンタル面は非常に重要です。』

私が「相場に向いていない」と感じるのは、感情をコントロールする能力が足りないという意味です。トレードのキモは、先見の明や分析力ではないし、情報収集力でもありません。ちまたの使いものにならないような指標は論外として、テクニカル分野においても、自分の感情をどうコントロールするかがカギになります。「トレードは、歓喜と絶望とストレス」という説明がありますが、まったくその通りだと思いますね。
■林氏『システムは、ストレスを軽減してくれますか?』

もちろんです。ストレスの問題を解決できず、トレードをやめようと何度も考えたのですが、「これしかない」という気持ちを続けながら、パソコンを使ってトレードシステムを確立することがストレスの軽減につながると気づいたのです。
■林氏のまとめ
『照沼氏は、最初から純粋な個人トレーダーとして研究を重ねてきたうえに、トレードシステム構築のために理論立てて考えてきた経験があるから、借りものではない言葉を発する、重みのある言葉で話す、というのが私の印象だ。やさしく穏やかな表情の中心にある2つの目には、嫌みのない輝きがある。比較するのも失礼だが、中途半端に金融の現場を経験した者たちの警戒心あふれる目つきとはまったく違う。このように立場や経験の異なる実践家との相場談義は、自分のことを再確認する最高の機会である。そして、照沼氏は、これからも長くおつき合いしたいと心から思える、魅力的な人物だ。』