相場気質

現在、株式市場は安値圏から脱出しようとしているところですが、中、長期投資家には歯がゆいところではないでしょうか。安値圏のもちあい期の売買手法は、逆張りが効果的であることは分かっていますが、逆張り手法はいったん相場がブレークすると大きくやられてしまう危険もあるので注意をしなければなりません。

相場の方向感が定まらないと、当然ながら投資家の迷いも高まってきます。迷いやプレッシャー、ストレスは、投資判断を狂わせる大きな要因となることは周知の通りです。

ところで我々投資家は、株式投資は資本主義の根幹をなすものであり、企業の資金の調達の場でもあり、経済に大きく貢献するものであることを理解しています。決して、仮想通貨のような捉え方はしていないと思います。

しかし、投資活動を行わない一般の人達からは、株式投資はギャンブルと同一視されているようです。最近はそれほどでもないにしても、以前は投資の世界はギャンブルと同じように見られていたようです。ところで、一般の人々は仮想通貨をどのように捉えているのでしょうか、投資それともギャンブル・・・。

宝くじをギャンブルと捉えてている人は少ないと思います。ある人が宝くじを買ったとします。それを人に話すと「当るといいね、楽しみだね」などと言われます。一方、競馬などをやっていると、一般の人からは冷たい視線で見られます。私にしてみれば、どちらも確率の悪いギャンブルではないかと思うのですが・・・。

宝くじの配当は50%以下です。競馬は75%です。どちらがギャンブル性が高いのでしょうか。世間一般では、宝くじはいいが、競馬はダメという雰囲気です。宝くじを買う人は、その根拠を口をそろえて「夢を買うんだ」と言います。それはそれでよいのですが・・・。

ところで、株式投資家はどのように見られているのでしょうか。たしかに投資の世界では、その功罪の「罪」の部分が大きくクローズアップされるため、一般には、そのイメージもあまり良く写らないのでしょう。つまり、これは儲かっている人がほとんどいないという裏返しなのかもしれません。

人間の性格や気質はゲームなどをするとよく分かります。大負けした人は、頭に血が上り決してやめようとしません。負けを取り戻そうと必死です。誰でもこのような経験はあると思いますが、追い込まれると人間の本質が出てくるひとコマではないでしょうか。日本人にはこのような傾向が特に強いようです。

これらは投資の世界でも言えることです。大負けすると無意識に損を取り戻そうとあれこれ画策します。しかし、精神状態はパニックであり、冷静な判断もできなくなります。そのような状況下ではうまくいくはずもありません。

このようなことは、大なり小なり誰でも持っている人間の本質でもあります。株式投資はギャンブルではありませんが、日本人の気質は、傾向的にこのような投資やギャンブルなどには向いていないように思えます。

日本人は、それらに対する教育を受けていませんし、社会からは冷たい視線を浴びて、本人もまた心の奥底には、それらを悪とする潜在意識を持っているせいなのかもしれません。いずれにしても、我々には欧米人のような狩猟民族と異なるDNAがあるのでしょうか。

私自身、ギャンブルは行いませんが、やはり向いていないということは自覚しています。投資とギャンブルは本質的に異なるものですが、短期的なキャピタルゲイン狙いの投資は、見方によってはギャンブルに似ていないこともありません。

人間には大なり小なり射幸心という本能が備わっています。投資にせよギャンブルにせよ、人間の欲と射幸心が絡み合って、時には自分でも想像できないような行動をとることがあります。冷静になって、あの時なぜそのような行動をとったのか分からないといった経験はなかったでしょうか。

投資歴何十年というキャリアがあっても成績はいまだに初心者なみ。これらは、投資の世界が一般社会における経済活動とは異なる特殊要因に起因しているからです。投資においては、人間の本質を突いてくるような場面が数多くあり、投資家は、これらを克服できないため、いつまでもその成長を妨げる結果となります。

難しい問題ではありますが、投資の世界に身をおく者は、自分自身の本質や気質、性格の部分まで変える事が困難であるため、その運用において、投資家が追い込まれてしまうような状況をつくらない運用手法を考えていかなければなりません。

以上の問題については、投資の理論やその手法より格段に重要なことであり、投資家各自がこれらの問題と真剣に向き合い、自己診断して、今後その対策を考えていかなければなりません。