システム売買でも悩みはあるものです

市場の一寸先は分からない。多少分かったとしても、それらにより持株の処理や新規の仕掛けなど、その対応まではなかなか判断が付かない。であるから、投資家は、常に迷いや悩みから逃れられない。

このような迷いや悩みから開放されたいとの一心から、システム売買ならこれらを解消できるのではないかと考え、システム売買に参入する。しかし、安易な気持ちでシステム売買に参入しても、すべてが解消するわけではない。

システム売買では大きなトレンドが発生すると含み益が増大する。「これはいける」と思ったものの、相場が反転し、含み益が見る見るうちに減少の一途を辿る。「含み益」は、利益確定しない限り「幻想」に過ぎず、ぬか喜びであることは知りつつも・・・。

投資家は、含み益が最大のときのことはしっかりと覚えています。そして「あの時処分していればなあ」となる。しかし、システム売買はそれを許さない。そこで投資家は悩む。システム売買では「迷いや悩みが解消できると思ったのになあ」と。

お金儲けはそんなに甘くはありませんよ。裁量売買でもシステム売買でも大なり小なり迷いや悩みはあるものです。楽して儲かることなどないことは誰でも知っているはずなのに・・・。

しかし、システム売買においては、投資家の個人差はあるものの、ある程度の期間を辛抱して運用していくと、あまり迷いや悩みを感じずに運用ができるようになるものです。このような状況になるまでの間には、システム売買に挑戦した多くの投資家が脱落していくのも事実です。

実際にシステム売買で億単位の運用を行っている人もいます。たしかに、一時はシステム売買をやめたり、再び再開したりしていたようですが、最終的にはシステム売買に落ち着いたようです。

その中の一人からお話を聞いたことがあります。その投資家は「とにかく株式運用で生活していきたい」との信念から、あらゆる売買手法にトライしたそうです。しかし、どのようなシステムでも一時的に利益は上がるものの継続性がないとのこと。

また、多くのシステムでは「マネー・マネージメント」が一切ないため、投資金をどのように配分してよいのか分からず、あるとき調子がよいので全資金を投入したが、相場急変で大損してしまったという。

システム売買とは、マネー・マネージメント等もしっかり組み込まれたシステムであり、売買と資金管理が一体となったシステムでなければなりません。株式投資で生活をしようと考えている私にとって、システム売買は非常にマッチした売買手法であると話してくれました。

今後の課題ですが・・・

最近は、米中貿易問題で市場も揺さぶられている状況にあります。全体では安値より上昇傾向にはあるものの、直近ではこれらの問題で下降傾向であり方向感の定まらないところです。このような相場展開では、成績も上がらないし、強気派も弱気派も思い悩むところではないでしょうか。

このような相場展開では、短期売買に分があるようです。しかしながら、これらも結果論でしかないわけです。今後の展開は短期に上げ下げするということが分かっていれば短期売買にシフトすることも可能です。しかし、後講釈はできても実践では不可能です。

テクニカル分析において、短期用で売買するか長期用で売買するかということは非常に重要なことであり、これらにより分析期間を設定することはシステム構築上、大きな課題となります。

一般的に、短期売買では勝率は下がります。反対に長期売買では勝率は上がります。なぜなら、短期売買では「だまし」が多く発生して勝率を下げることになります。長期売買では、そのスパンが長いため、多少の「だまし」の部分はスルーしていきますので勝率は上がってきます。

投資においては、勝率を云々することはナンセンスであり、勝率を気にするのは初心者だけということになります。要は、投資においては、そのパフォーマンスを競うわけですから、最終的には投資利回りについて考えるべきです。

通常では、長期売買の方がそのパフォーマンス高くなるものの、短期売買が良いのか、長期売買が良いのかという問題は、投資家の好みなどもあり、一概に「どちらが」ということは言えないものです。

本来、短期売買と長期売買の良し悪しは、投資家の判断で行うものではなく、正しくは「相場の展開しだい」と言うことになります。短期に上げ下げする相場では、短期売買が向いていますし、大きなトレンドが発生する相場では、長期売買が向いています。しかし、今後の相場展開など分からないことです。

大きな上昇トレンド形勢の中で、長期売買で運用し、それなりの評価益も順調に増大し続けていたものの、突然のサプライズで相場が急落したとします。このような状況では、当然ながら長期売買においては、その評価益も急減します。

そのような状況に追い込まれた場合、投資家はどのような判断をするべきでしょうか。慌てて持株をすべて処分するのでしょうか。それとも辛抱強くシステムなどの指示に従うのでしょうか。

相場が急落となったとしても、その後の展開など誰にも分からないことです。慌てて持株をすべて処分したものの、その後相場が急回復したら失敗したとなるでしょう。辛抱強くシステムなどの指示に従ったものの、相場は更に下落し評価益も底を付いてしまったとなるかも知れません。

一般に、テクニカル分析では、その多くの手法を「平均値」的な分析を採用しています。この「平均値」的な分析では、相場の急展開には付いて行けず、その判定は遅くなるのが通常です。特に、長期売買においては、それらが顕著に現れます。そのため、短期に乱高下するような相場展開では、その判定も逆になってしまいます。

これらはテクニカル分析の根本的な問題であり、避けて通れないところでしょう。では、これらの問題をどのように解決していけばよいのでしょうか。これらについては、私自身の今後の大きな課題でもあります。

ひとつの考え方として、ヘッジ比率などの指示が買い一辺倒となり、これらに伴い買いポジションを多く積み上げていた状態では、収益も高まるものの、その裏には大きなリスクが存在することになります。

このようなリスクをどのように消化していくかということも考えておかなければなりません。基本的には、投資家の判断を排除して、システムなどの指示に従った売買をお奨めするわけですが、たとえば、買いポジションが95%などとなった場合などには、何らかの対応をすることも考えられます。

たとえば、日経先物(日経mini)などに売りつなぎを入れておくなど。しかし、これらも持株のボラティリティなどを計算し、適切な資金量で日経先物に売り繋ぐという手法をとらなければなりません。機関投資家などは、これらの手法でリスクヘッジをしているようですが、これらも個人投資家においては難しい判断となります。

もうひとつの考えとして、相場急落などでは長期売買より短期売買の方がその対応が早くなります。これらを利用した方法として、長期売買と短期売買を併用して運用するということも良いのではと考えています。利回りはともかく、長期売買と短期売買を併用して運用することにより、過大なリスクを軽減する作用が働くと考えます。

このような考えから、直近の相場変動にも敏感に反応しながらも長期的な運用が可能となるようなオールマイティなシステム開発が望まれるところです。私は、これらを念頭に入れながら、今後もシステム開発にまい進する考えでいます。

人間の器

我々は収益を得ようと投資活動をしています。投資の究極は投資利回りであり、投資金を投じることにより、その見返りとして何がしかの配当や利益を得ることにあります。

つまり、お金を投じてお金を得るものです。投資家は、その見返りをできるだけ多く得ようと日々努力しているものです。これらの行為もある意味では経済活動ではあるかと思いますが、そこに何かを忘れていることはないでしょうか。

私自身も投資家の皆さんと同様に、いかに効率よくそのパフォーマンスを向上させるかに苦心しています。投資で収益を上げようとすることは、投資家の共通の意識であることは間違いありません。

そこで、もし、投資において収益を上げた場合、その後のことはどのように考えているのでしょうか。多くの投資家は、その収益を再投資して、さらに多くの収益を上げようとするのではないでしょうか。これらも投資家共通の意識であると思いますが・・・。

一般に、投資で収益を上げている投資家は3%程度と言われていますので、さらに多くの収益を上げた場合などと仮定してもあまり意味がないかもしれません。しかし、投資経験を積んでいくことにより、少しずつでも収益の積み上げがあった場合、その先にあるものは何でしょうか。

私は「お金を稼ぐことはひとつの手段でしかない」と考えています。お金を儲けることは目標ではなく、目的のための手段であるということです。たとえ、投資で多くの利益を得ても、そのお金も有効に使わなければあまり意味のないものとなります。預金残高を見てニコニコしている人もいるようですが・・・。

投資の目的やその利益の使い道はそれぞれであると思います。利益を得て、それらにより各自の価値観に基づいて、豊かな生活を送るということが本来の目的であるような気がしますが、いかがでしょうか。ただお金を増やすことだけを考えているのでは、ちょっと寂しいような気もするのですが・・・。

では本題に入りましょう。
投資には投資金が必要になってきます。その投資金の源泉は、各自各様であると思いますが、その多くは自らが働いて得た資金であると考えられます。団塊の世代が、老後のためにと、その退職金で投資を始めようとする資金も自らが働いた虎の子の資金であると思います。

自らが汗を流して得た資金であるから、その投資にも慎重になります。元金を減らさず、いかに収益を上げようかと真剣に努力するものです。自ら稼いだお金であるからこそ価値があるのです。

若い投資家であれば当然ながらその投資金も少ないでしょう。若いがゆえに投資の世界に夢を抱いて大きく儲けようとするものです。それらの現象が如実に現れているのが、ブームになっている仮想通貨やFXです。仮想通貨やFXは、少ない資金での運用が可能であり、レバレッジも非常に高く、うまくいけば大儲けもできます。そこが仮想通貨やFXの魅力のひとつでもありますが・・・。

若い投資家であれば、何度か失敗しても再起は容易です。取り返しはつくものです。しかし、すでにリタイヤした投資家はそうはいきません。苦楽を体験し、長く人生を重ねた人であれば、お金の重みも理解しているし、若者とは経験の差もあり、あまり無茶はしないものです。

人間は、額に汗して稼ぐ過程において、その金額に応じて人間としての器(うつわ)が備わっていくものです。苦労して貯めたお金は、早々に無駄遣いはしないものです。苦労して貯めたというプロセスを自分自身で体験しているからです。そして、そのお金の価値を理解しているからです。

一般社会からは、投資で得たお金は不労所得のように、楽して儲けたなどと思われているようです。私が投資家であるから言い訳するわけではありませんが、そのような見解は完全に間違っていると思います。投資家であれば理解されると思いますが、投資の世界で稼ぐということは、一般社会で稼ぐより何倍も大変なことなのです。

これらを踏まえて・・・。投資の世界では大きく儲けることもあり、時には大きく負けることもあります。人間の心理として、大きく儲けるともっと儲けようとする心理が働きます。また、大きく損をすると、その損を取り返そうとする心理が働きます。これらは、人間として不変の深層真理でもあるのです。

もし、大きく儲けた場合「もう少し資金があればもっと儲かるのになあ」と考えます。そして、どこからか資金調達を考えます。一方、大きく負けてしまった場合、何とか損を取り戻そうとするものの資金がありません。そこで「資金があれば、この損を取り戻せるのになあ」と考えます。そして、どこからか資金調達を考えます。

大きく儲けても、大きく損をしても次に考えることは「資金調達」です。もちろん、すべての投資家がこのように考えるわけではないと思いますが、ある意味では、投資家の心理でもあると思います。

もし、個人投資家が「資金調達」ということを頭に浮かべたら、それは破局への始まりと考えて間違いありません。取り返しがつかなくなる場合もあります。その理由は、すでにお分かりであると思いますが・・・。

その理由は「人間には自分の力で稼いだお金以上は、そのお金を運用するだけの器が備わっていない」と言うことです。このことは非常に重要な問題ですので、よく理解しておいてください。

上記の若者の仮想通貨やFX投資の例においても、レバレッジを高くするということは、ある意味では、自分の器量以上の運用をしているということにはならないだろうか。ブームの影で多くの投資家が破綻しているということはあまり知られていない。

これらの例は「自分の器以上のお金は運用できない」ということを証明したものです。私の体験の中で、投資の世界でもこのような例をいやというほど見せ付けられてきました。投資家の皆さんもこれらを他山の石として学んでほしい。

お金というものは、それを稼ぐプロセスにおいて、それらに応じて人間を成長させるものです。それは必ずバランスのとれたものとなるのです。つまり、現在の自分の姿は、今まで自分が歩んできた過程の結果の姿であり、現在の自己資金は、自分自身の現在の器を証明するものなのです。

投資家は、自分の器(器量)の範囲内で投資活動を行うべきであると・・・。

投資手法の根拠

個人投資家向けに「株式投資でどのくらいの利益を上げたいか」というアンケートがあった。その結果も記載されていた。そこには「個人投資家の期待リターンは、年収程度」と記載されていました。

これらについて、皆さんどのように感じられたでしょうか。「もっともだ」「難しいのでは」「少なすぎる」など、いろいろな意見があると思います。感想は感想として、株式投資では、実際にはどのくらいのリターンが望めるのでしょうか。

ある資料によりますと、まず、配当については、前期基準の配当利回りは2.04%となっています。そして、期待収益ですが、これらはあくまでも過去の数値です。当然ながら、これらの数値は平均値であり、場合によってはマイナス10%の年もあるだろうし、プラス10%の年もあるはずです。

ここで、もし、給与の年収が500万円であった場合、株式投資で、それと同等の収益を上げようとするにはどのくらいの投資金が必要となってくるのでしょうか。年率6%であれば、投資金は8000万円以上必要となってきます。個人投資家で株式投資の投資資金が8000万円以上で運用している投資家がどれだけいるのでしょうか。

ここでまたアンケートの結果ですが「個人投資家の平均的な投資資金は200万円から500万円程度」とされています。これらの結果から、期待と現実とのカイリがとんでもなく大きいとしか言わざるを得ません。これらから、個人投資家はいかに株式投資に夢を抱いているかがわかります。しかし、その反面、現実離れした思いであるとも言えます。

これらの問題に異論を唱える投資家もいます。「投資利回りが年率6%と言うのは平均値であって、技術を駆使すればもう少し高い利回りが確保できるのではないか」と。まさにその通りです。高度な投資テクニックを駆使し運用すれば、平均値以上の利回りが期待できるはずです。

私を含め多くの個人投資家は、高度な投資テクニック駆使し市場の平均利回りを上回るパフォーマンスを上げようと日々努力しているのです。もし、年率25%であれば、期待収益の500万円を上げるには、投資金は2000万円でOKです。このあたりであれば現実味がでてきます。

ただ、この期待値である年率25%も、一過性であれば可能な時期もあるのですが、相場には山あり谷ありで、長期間にわたりこれらのパフォーマンスを上げることは非常に困難となります。しかし、努力如何では・・・。

そこで、我々個人投資家に課せられた課題は、高度な投資テクニックよる実践にあるのではないでしょうか。しかし、この「高度な投資テクニック」以前の投資家も多いのも事実です。投資金が500万円であるのに係わらず、損切りもできないのに、年間500万円の利益を上げようとする無謀な考えの投資家もいます。冷静になって考えれば分かることなんですがねえ・・・。

勘違いはともかく、投資の世界では「金融理論を学べば必ず儲かると思う人」と、「金融理論など役に立たないと思う人」がいます。これらについては、私が常々申し上げています「投資の世界には正しい答えはない」ということであり、どちらが正しく、どちらが間違っているとは言えません。

強いて言えば「理論が伴った実践」にあると私は考えています。理論ばかりで頭でっかちなってもいけませんし、理論もなく感覚的な売買でもいけません。理論と実践が車の両輪のようにかみ合った状態での運用がベストではないかと考えています。

高度な投資テクニックの追求において、多くのテクニカル分析派の投資家は、いろいろなテクニカル分析指標を駆使して運用されているものと思います。そこで、現在採用しているテクニカル分析指標の根拠は何だろうと考えたことがあるでしょうか。何も考えず無条件で利用していないだろうか。

私が最初に覚えたテクニカル分析指標にサイコロジカルラインがあります。サイコロジカルとは「心理的な」という意味であり、投資家心理は、株価の上昇が続けば、ますます強気に傾き、逆に株価の下落が続けば弱気に傾きがちである。

このような考え方から直近12日間の中で終値が前日比プラスの日数を数え、12日間のうちプラスが何日あったが、その比率を求める。前日比変わらずの場合は、前日プラスであれば、その日はプラス、前日マイナスであれば、その日はマイナスとして数える。サイコロジカルラインの考え方に上昇幅・下落幅を導入したのがRSIである。

これらのサイコロジカルラインは、投資家の強気と弱気の心理を捉えた指数であり、市場は投資家の心理状態を良く表したものであり、ある意味では理論的である。しかし、私が問題にするのは、その点ではなく分析期間が12日間というところです。

なぜ12日間なのだろうか。13日間では、あるいは20日間ではいけないのだろうか。根拠が希薄であれば、その結果もあいまいになってしまう。何事にも原因・結果の法則がはたらく。

「あなたの分析手法に理論(根拠)があるのか」とよく尋ねられる。私は、それらの質問には次のように答えています。「私は特に金融理論を学んだわけではないが、その根拠(原因)には、徹底したバックテストにある。これらは金融学ではないかもしれないが、膨大なバックテストの結果は、ある意味では統計学(理論)ではないでしょうか。私は、うまく行かないときも、これらを心のよりどころとして、そして、その統計を信じて日々運用を続けています。そのためか、今でも現役でいられます」と答えています。

私は統計学も理論であると考えています。根拠なき運用では、いずれ破綻します。ここで、投資家の皆さんも、現在運用されている投資手法の根拠について、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。