悩みは知恵のはじまり

今年の夏はかなり暑かったが、このところは朝晩寒さを覚えるところです。市場はこのところ上昇となっているものの大きなもち合いを抜けていない。早々に利食いしてしまい、更なる仕掛けチャンスを待っているものの・・・。相場格言に「戻り待ちに戻りなし」とある。今回ははたしてどうなるものか。

投資活動を休止していた投資家が、ここのところの株価の上昇を見て投資を再開したいと考えているのではないでしょうか。そこで、今まで休止していた投資家は、なぜ休止に追い込まれたかを考えるチャンスでもあるのです。

休止した原因を追究するべきです。その原因を相場のせいにしてはいけない。投資家自身の投資に対する考え方や投資手法に問題があると理解している投資家はどれだけいるだろうか。

しかし、投資を生業としている者にとっては、休止するわけには行かない。相場展開がどのようになろうとも何らかのかたちで収益を上げなければならない。現在のような状況でも運用が継続できる方法を考えるべきである。投資家はそのような覚悟ができているだろうか。

本業を持ち、副業としい株式投資をしている投資家と、株式投資を本業としている投資家の気持ちの持ち方は雲泥の差があると思う。副業で株式投資をしている投資家は、本業という逃げ場がある。逃げる場所があれば困ったときに退避することもできる。

しかし、株式投資を本業としている投資家には逃げ場はない。石にかじりついても続けていかなければならない。この差は大きい。意気込みが違う。

必死になれば何とかしようと考える。市場が最安値を更新し続けるのであれば、休むこともよいが、それでは生活が・・・。買いのみでの売買では継続性もないし・・・。さりとて、ナンピンも愚かしいし・・・。などと。

「悩みは知恵のはじまり」と言う。悩めば悩んだだけの見返りはあるものです。逃げては何も得られるものはないし、再開してもまたゼロからのスタートとなる。何事も続けなければ、その成果は得られない。どのような相場展開となろうとも継続できる投資手法を考えるべきです。

私はどのような相場展開になろうとも継続できる投資手法でなければならないと考えているのですが、いかがでしょうか。これは私の思い上がりでしょうか。実際に、現在の相場環境では、システムが買い主体となっているし、これらに沿った売買であれば一時休止とはならないような気もするのですが・・・。

今後の日本は高齢化して財政を圧迫し、日本経済の衰退は避けられないと考えられます。これらについては、以前のコメントで解説いたしました。このような状況下では、やはり最後に頼れるのは自分自身です。

相場が最安値になって「どうしよう」などと考えているようでは、この先は真っ暗です。株式投資など早いうちにやめるべきです。

もし、今後も株式投資を継続していくという考えであれば、もっと真剣に考えてほしい。もっと真剣に勉強してほしい。もし、突然のリストラにあっても動揺しないような体制を整えておくべきです。

投資の世界は「売り」と「買い」しかありません。あまり複雑に考える必要はありません。できるだけシンプルな方法であきらめず継続するべきです。
『「あきらめ」とは、成功の一歩手前のことをいう』

『希望と絶望は一字違い』

信用取引残高から見えてくるもの

市場全体を見る指標に信用取引残高(三市場残)があります。これらの推移を注意深く観察している投資家がどのくらいいるか分かりませんが、市場全体を観測する上では重要な指標となります。

信用取引残高(三市場残)に絡む指標には、売り残高、買い残高、取組比率(貸借倍率)、信用評価損率などがあります。これらは市場全体を把握する上では、きわめて重要な指標です。

2019年08月09日現在で売り残高は 5億9350万株、金額 8631億3400万円、前週比 -3.05%、買い残高は 20億5945万株、金額 2兆3624億900万円、前週比 +2.07%、評価損率 -14.67%、倍率 2.74倍となっています。

ここでは信用評価損率について見てみましょう。現在の信用評価損率は -14.67%となっています。これはどのような事かと言いますと、信用取引で信用買いをしている投資家の手持ちの損益評価(平均で)はマイナス14.67%であるということです。

つまり、持ち株の評価が損となっているため頭が痛いといったところでしょうか。しかし、実際には「現在は頭が痛い」などと言っている場合ではありません。信用評価損率がプラスだったのは2013年5月17日のの+3.09%が最後でした。それから現在まで信用評価損率はすべてマイナスです。

2001年6月から現在まで信用評価損率がプラスになったのはたったの12週しかありません。あとはすべてマイナスです。ちなみに、2001年6月から現在までで信用評価損率のプラスの最高が+4.06%(2013.5.10)、マイナスの最高は-39.65%(2008.10.24)となっています。

ということは、信用買いをしている投資家は、いつも損ばかりしているということになります。これは信用取引についての数値ですが、現物株の評価損率はもっと悪いのではないかと思います。なぜかと言うと、塩漬けで何十年も持続している投資家もいると思いますので・・・。このような現状を皆さんどのように捉えいるのでしょうか。

ここでは詳しく解説はしませんが、信用取引残高(売り残高や買い残高)の推移やその最高値、最低値や取組比率。信用評価損率の推移やその最高値、最低値を捉えることで相場の天井や底を捉えることも可能となってくるのではないでしょうか。一度、日経平均との推移で比較検証してみてはいかがでしょうか。

株式取引は「長期間にわたり継続して運用する」ものであり、現在のような長期もちあい期においても生き残るためには、やはり、空売りなどを絡めて運用するべきと思います。信用買いも空売りも、そこに違いがあるとは思えないのですが・・・。

以上のように、信用取引残高の数値だけでも相場状況が判断できるものです。投資市場は、捉えどころがないものですが、このように公表された数値の分析でも相場状況は把握できるものです。

投資とは、公表され確定した数値のみで分析を行うものです。

セオリー

投資においてはいくつかのセオリーがあります。これらのセオリーを理解し、投資手法に取り入れることにより、更なるパフォーマンスの向上につながるものと思います。

■投資のセオリー その1  「投資は継続運用」
利用を決めた投資手法は、多少成績のばらつきがあっても、ある一定期間は辛抱して利用すべきであると思います。それらの中で、現在の相場状況に応じて投資手法の多少の調整をしながらもじっくり利用すべきです。ちょっとかじっただけで、次から次へとシステムを変えたのでは、何も身につかないし、何も得るものはない。「継続は力なり」

■投資のセオリー その2  「利回りについて」
投資においては、市場が大きく変動し、結果的に大きな利回りとなる場合もありますが、それらは追い風であり、ビギナーズ・ラックでもあるのです。投資とは「長期間にわたり継続して運用」するものであり、これらの前提にたてば、投資家が考えているほど「利回り」は高くはありません。もう少し現実も見てほしいと思うところです。ジョージ・ソロスであっても年率20%前後です。

■投資のセオリー その3  「損を受け入れる」
損は誰でも避けたいところです。しかし、投資においては損は影のように付きまといます。損失を受け入れられない、その原因は、誰でも持っている「損をしたくないという人間の感情」です。感情が出れば、必ず負けます。

投資世界では「損失を容認する」「損を受け入れる」という考えでなければ、継続的な運用はできなくなります。投資においては、損失を容認し、受け入れるべきです。株式投資をいくら勉強しても損失を避けることはできません。

■投資のセオリー その4  「損切りについて」
株式投資で儲からない一番の原因は「引かされた銘柄をいつまでも持っている」ということにつきます。評価損は膨らむし、資金の回転も悪くなります。これらの問題を解決しない限り、いつまでたっても、株式投資で利益を上げることはできません。

損切りができない本音のところでは、「評価損には耐えられるが、実損には耐えられない」といったところでしょう。投資においては「損切り」は必須です。しっかりと実行していただきたい。

■投資のセオリー その5  「投資は損切りから始まる」
勝率50%で利益を生み出すには「損小利大」以外にないことはすでに承知しているはずです。「勝率50%」と「損小利大」は、投資家が避けて通れない道なのです。

これらの法則により、新しく売買をスタートした場合、その売買では「損切りから始まる」ということが、投資のセオリーとなります。しかし、「最初から儲からないと許せない」という投資家も多いようですが・・・。

■投資のセオリー その6  「明確な数値による判定」
株式投資を実践していると、どうしても「明日は上がるだろうか、下がるだろうか」と気になります。しかし、どのように考えても答えは出てきません。わからないことをいくら考えても正しい答えは出てきません、明日のことは考えず、現在の数値で判断・決断すべきです。

■投資のセオリー その7  「株式投資の世界は別次元の世界」
投資の世界では、常に暴落などのサプライズが起きます。そして投資家はパニックになります。パニックになった投資家は、理性を失い、感情的になり、そして、本能のままに行動してしまうという結果になります。

このような状況は頻繁に起こります。投資家の感情が、その判断を狂わせ、収益の足を引っ張ることになります。感情的な売買では、最後には負けるということになります。投資の本質を見極めることです。

シミュレーション

日経平均は今年に入ってボックス圏の動きが続いています。いずれ、どちらかにブレイクすると思われますが・・・。はたして?。

このような状況では儲けることは難しい。このような長いもちあい相場も珍しいが、これらの原因は、やはり対外的な問題であろうか。

このような相場展開では、投資家もうんざりし一時休戦、もしくは退場してしまうことになる。しかし、これも相場である。もちあい途中では、評論家達は、盛んに今後の展開をあれこれ述べていたが、ここにきてはトーンダウンしているようです。

このように、今後の相場展開など誰にも分かりはしないのです。分からないものに勢力を費やすのもいかがなものでしょうか。たとえある程度予想が当ったとしても、どこで仕掛け、どこで決済するかの判断までは難しいものです。

もし、その予想が外れたと判断した時点では(その予想がどの時点で外れたかが分からないが)、持株は大きくマイナスとなっているはずです。

このように相場の予想は、当るも八卦、当らずも八卦状態になる。このような意見を述べると、あちらこちらから反論がくる。「資格も持って評論しているのに、評論家を占い師呼ばわりするのは何事か」と。このような反論には、私は素直に「ごめんなさい」と言っている。でも、相場の実践キャリアは私の方が長いのに・・・。

そこで、相場は理論が上か、実践が上かとなる。もちろん、両方が必要なことは誰でも分かっている。要はバランスである。理論もなく実践のみでもダメであり、理論だけの頭でっかちでもダメである。車の両輪のようにバランスがとれていなければならない。

投資家であれば、このようなことは分かっている。しかし、理論と実践がバランスが取れているから儲かるかというと、そうでもないようです。更に何が必要なのでしょうか。

投資は人間が行うものです。人間は感情の動物です。ここまで話せば何を言わんとしているか分かるはずです。いつも述べていますので・・・。投資の世界で一番厄介で、一番難しいのは「感情のコントロール」です。

現在のようなもちあい相場では誰でもうんざりします。「うんざりする」のは感情です。これをシステム化されたコンピュータであれば、そのシステムに従い淡々と売買サインを出してくるはずです。機械には感情がありませんから・・・。

そこで、もし現在でも裁量的な売買をされている投資家であれば、それはそのまま続けて、一方では、シミュレーションで結構ですから、完全にシステムに従った売買を平行して、それらを記録してみてはいかがでしょうか。

これらは、ある程度の期間(1年以上)が必要かと思いますが、これらを比べてみたらどのような結果になるしょうか。まず、このような実験をしている投資家はいないと思います。これからも長く続くであろう投資活動の中で、このような実験は、資金もかからず、無駄にはならないと思うのですが、いかがでしょうか。

投資の世界では、投資の結果が投資家の感情を揺さぶり、そのストレスは計り知れないものとなります。ストレスやプレッシャーは、投資判断を狂わせ、決して投資においてプラスになるものではありません。

投資家は、これらを少しでも軽減するためにも多少の努力も必要なのではないでしょうか。努力は無駄にはなりません。その努力の過程で新しい何かを発見できるかもしれません。まんじりと株価を眺めていても、何の成長もありません。

現在、市場も混沌とした状況にありますが、ここはひとつ、気持ちを切り替えて新たなチャレンジをしてはいかがでしょうか。
『悩みは知恵の始まり』『困難は体験という大きな財産』『希望と絶望はシーソー』