投資家心理とシステム

最近の株式市場は、安値圏でのもちあい状況にあり方向感のない展開となっています。これらに伴い、投資家の心理状態もあまり芳しくないようだ。

私の分析システムには「相場観測」指標が搭載されていますが、これらの指標で現在の相場状況はある程度把握できますが、それより、もっと明確に分かる方法があります。

それは問い合わせの数とその内容です。その特徴は、現在のような安値もちあい状況であれば「これから相場はどうなりますか」「持株は持続していても良いだろうか」など、どちらかと言うと後ろ向きな投資家の不安な心理状態が読み取れます。

相場の上昇初期においても同じような質問がありますが、声はやや明るく、どちらかというとやや前向きの不安な心理状態となっているようです。これらは、昔も今も変わっていません。

投資家は、いつも不安の中にいます。では、相場の天井や大底ではどのような状況になるかと言いますと、天井圏では、ほとんど相場の行方などの質問はありません。分析システムの問い合わせが多くなります。成績が良くなるため、投資家はウキウキ、イケイケ状態になり、誰にも相談する必要もなくなります。

大底ではどうかと言うと、これまた、ほとんど問い合わせはありません。ダンマリを決め込んで冬眠に入ります。誰かに相談する気力もなくなります。

天井や大底の期間はあまり長くないため、問い合わせのない期間は少ないのですが、その他の相場展開では、やはり、あれこれと質問がきます。若い人はメールで、年配者は電話できます。「損切りしなければいけないのは分かっているのだが・・」など。20年前と何一つ変わっていない。

私のところは「よろず相談所」ではないのですが、投資家の心理状態はよく理解していますので、できるだけ丁寧に、時には厳しく答えているつもりです。かつて、私が辿ってきた道でもありますので・・・。

相場の変動の要因には、基礎要因であるファンダメンタルズ、需給関係、そして投資家心理などがあります。相場の急騰、急落では、投資家心理がオーバーヒートして、予想も付かないような状況を作り出すのです。このようなことから、私は、投資家心理について、非常に関心を持っています。

私のオリジナル指標である「目標値」や「抵抗線」などは、統計上から算出した指標ですが、これらを見ると、大多数の投資家の心理状態がわかります。持株がどの水準になったら利食いするか、また、どの水準で損切りするかが統計上にはっきりと出てきます。これらの指標は、だいぶ昔に開発した指標ですが、今でも機能するということは、投資家の心理は、いつも変わらないという証明でもあります。

このようなことから、私は、世の中が、どのように進化しても、どのように変わっても、変わらないのは投資家心理であると思っています。これは非常に重要な意味を持っています。

投資の世界は、技術論だけでは勝てないのです。前回も説明しましたように、同じ分析システムを利用しても「勝ち組」と「負け組」に分かれてしまいます。その理由として、投資キャリアの差もあると思いますが、そこには、多分に投資家特有の心理状態が働いているものです。

投資技術書を読んでみても、私は、投資家心理の解説なしに、技術論ばかりの内容の書籍は、あまり関心をもたない。「最大ドローダウンは50%になるときもあるが、最終的にはこんなに利益が上がりますよ」的な内容では、実践で投資家は耐えられない。著者は実践していない。

時代が変わっても、そこに、変わらない投資家心理があることを忘れてはいけない。分析システムも、投資家心理を考慮したシステムでなければ続かない。

プロのシステムエンジニアは、その作成において素晴らしい能力を発揮します。私も今まで、このようなプロの作成した分析システムを見てきたが、とても素晴らしい。そのようなシステムを見た私は、自分の能力のなさにがっかりしたものだった。

しかし、そのような分析システムは素晴らしいものの、内容を見てみると「あれもできます、これもできます」の内容が多い。投資家に対するアピール度は高い。しかしながら、問題は、製作者が株式投資の本質を理解していないということにある。

投資家が本当に求めるものは「投資家にあまり心理的な負担をかけず、長期間の運用に耐えられるシステムにある」のではないかと考えますが、いかがでしょうか。