金融派生商品

散歩の途中ぶらりと書店をのぞいてみた。投資関係のコーナーは当然ながら現在の相場状況を表すかのように縮小されていた。そのような中、目に付いたのは「仮想通貨」「FX」の投資指南書である。

今、仮想通貨がブームなのだろうか。仮想通貨は投資金が少なくても売買ができ、また、株式投資のような面倒な銘柄選択なども必要ないため人気なのだろうか。

また、日経225の先物にも人気があるようだ。そのような投資技術書が幅を利かせているように感じました。また、CFDなる取引もある。

CFDとは?
CFD (Contract For Difference、「差額決済契約」)は、通常の金融取引商品に比べ、さらにパワフルでより有利な金融取引を個人投資家に提供する革新的な金融取引商品であるなどと説明されている。物理的に現物株(原資産)等を所有することなく、原資産取引と同様に売買価格の差で決定する。

つまり、戦前に行われていたような差金決済である。例えば、トヨタ自動車現物株CFDを1現物株CFD購入したとします。この現物株CFDの価格は、実際のトヨタ自動車現物株の値動きを反映しますが、実際に現物のトヨタ自動車株を保有しているわけではありません。しかし、通常の現物株取引と同様に、売買価格の差額がCFD取引の損益となります。

FXにおいてもしかり。日経225の先物、CFD、仮想通貨にしても、小額の資金で大きなレバレッジをかけて大儲けができますとのキャッチフレーズです。最近、FXのレバレッジが高すぎるので10倍程度にすると検討されていましたが、業者側の反対によって却下されたようです。

各証券会社もこれらの勧誘に力を入れているようです。まるで投資市場はギャンブル場と化しているようです。このような市場に素人投資家や初心者を勧誘するのは、いかがなものか。証券会社や出版社のモラルを問いたいところである。

私は、投資において企業の収益以上の収益率を上げようとすることは、その裏には、それらと同様、あるいはそれ以上のリスクを孕んでいると申し上げています。投資市場で取引する投資家は、これらを十分理解した上で慎重に取引していただきたいものです。老婆心ながら・・・。

投資では、それなりの投資資金を準備し、投資知識を習得した後に参入するものです。それでも市場から収益を上げることは困難なものです。特に金融派生商品は、さらに高度な知識の習得を必要とし、これらに素人投資家や初心者が参入することは、もってのほかである・・・と考えるのは私だけでしょうか。

今後、ますます新たな金融派生商品が開発、発売されてくると思います。これらの仕組みの多くは、それらを販売する側、取引させる側に有利な仕組みとなっていることを理解しておかなければなりません。「儲かりますよ」の甘いささやきに惑わされないように心がけたいものです。
『欲しい物があったら必ず自分で取りに行け。外部のささやき、甘言などはすべて拒否せよ。外部のすすめで失敗すると「恨み」だけが残る。』

収益とシミュレーション

私が長年、株価分析やシミュレーションをして、発見したことや理解できたことなどについて、いくつか説明したいと思います。最近の株価分析システムには、シミュレーション機能が備えてあるシステムもありますので、これらを利用する際は下記の点に注意してください。

まず、シミュレーションを行うときの注意点ですが。一般的には、パソコンの株価チャート画面上でテクニカル指標などを駆使して、これはどうか、あれはどうかなどと最適な指標や分析日数などを割り出します。

そこで、仮に最適と思われる指標が見つかったとします。しかし、その指標をいきなり実践に使用することは危険です。なぜなら、それらの指標を利用し続けると成績はマイナスとなってくるからです。では、なぜ成績がマイナスとなってしまうのでしょうか。

通常、自分なりの最適な分析指標を見つけたとすると、他の銘柄についても最適な分析指標が機能するかテストするはずです。そして、「おおむね良いだろう」として運用を開始するはずです。

しかし、あれだけ何銘柄もテストしたのに結果は・・・、となってしまいます。何が原因なのでしょうか。多くの銘柄で何度も適正テストして、間違いなくいけると判断したのに・・・。

株価の変動をある一定期間に限ってみた場合、多くの銘柄はほぼ同じような変動をしています。そして、日経平均やTOPIXと連動したような動きを見せているはずです。そのため、上記のようにパソコン画面で表示される程度の期間で、同じような変動銘柄の適正テストを行ってもあまり意味のないものとなってしまうのです。

つまり、同じような株価変動の銘柄で、多くの銘柄のテクニカル分析指標の最適化を行っても、これでは正しいシミュレーションとはなりません。まず、一般的なシミュレーションにおける失敗は、ここに原因があると思います。

正しいシミュレーションとは、相場の上昇期と下降期に分けて行い、それらのどの時期でも利用可能となる分析指標を採用するべきです。限られた期間での分析では片手落ちということになります。

しかしながら、相場の上昇期と下降期に共通する分析指標を見つけ出すことはかなり難しいものです。であるならば、上昇期ではこの指標を使用し、下降期ではこの指標を使用すれば良いのではという意見も当然ながら出てくると思います。

しかし、そうは問屋が卸さないものです。分析指標を利用する前に、上昇期、下降期を何で判断するかということです。これらの判断が容易にできるのであれば、何も分析指標など利用しなくても収益を上げることができるはずです。

多くの投資家が、このような上昇期でも下降期でも共通して利用できる分析指標を捜し求めてさまよっているのも事実です。もし、現実的に相場の上下に左右されず、ある一定の収益を上げることができる分析指標を発見してとしても、その収益は期待しているほど多くはないはずです。

毎年確実に利益を上げているという世界のトップトレーダーでも、その収益は20%前後であるということの本質は、この辺りにあるのではないでしょうか。これらから、市場からコンスタントに収益を上げ続ける手法は、その収益はおのずと低く限定されてくるものです。

たまたま、相場上昇期に株式取引に参入し大儲けしたという話も聞きますが、ビギナーズラックは、そう長くは続かないものです。投資家は、株式市場に大きな期待を持って参入してきますが、ここで改めて申し上げます。相場変動に係わらず、長期間にわたりコンスタントに収益を上げようとするならば、その期待値「収益(利回り)」は大きく設定しないことです。

上昇期でも下降期でも共通して利用できる分析指標で長期間(10~20年)にわたりシミュレーションした場合(2000銘柄以上の平均値)、そのパフォーマンスは年率換算で5~10%程度です。もちろん、これらの多くの銘柄から、さらにフィルターを通してセレクトすれば、そのパーフォーマンスも向上しますが・・・。

当然ながら、これらのシミュレーションも片張り的ないいとこ取りのシミュレーションでは何の意味も成さなくなります。シミュレーションは必ず「どてん売買」によるシミュレーションでなければなりません。

ここでは、シミュレーションの方法と投資収益(利回り)について説明いたしましたが、私の感想としては、投資収益の本質は一般に考えられていることと、かなりズレがあるように感じています。

マインド・マップ

投資の世界で活動している間は「苦悩」から開放されることはないと思います。苦悩は投資の世界にかかわらず、一般社会でも何かしらの苦悩を抱えています。会社内での人間関係や売り上げの伸び悩みなど、また家庭内での問題など、その内容に大小はあっても悩みは尽きません。

これが人生だと割り切ってしまえばそれまでですが、どうしても解決しなければならない問題も発生してくるでしょう。投資活動にかかわらず皆さんは悩みや問題などをどのように対処しているのでしょうか。

これらの諸々の問題を解決する方策などはないものでしょうか。物理学者などは問題解決の方程式まで作ってしまうと言うのですが・・・。しかし、我々凡人にはチョット無理なようです。

そこで、参考になるかどうか分かりませんが、私が苦悩の相場人生を歩んできた中から、その解決策や対処法、考え方などを少し述べてみたいと思います。

人間は記憶の中に生きています。記憶がなければ悩みなどはないはずです。記憶は非常に大事なものですが、この記憶が時として悩みを発生する原因となるのです。

たとえば、現在相場で大きく負けているとします。これはこれで悩みでもあるのですが、もし現在の状況が以前に相場で破綻したときの状況と酷似していたとすると背筋がゾーとして恐怖を感じると思います。「また、以前の二の舞か!」と。

同じ人間が投資活動をするのですから、その行動パターンも同じようになってくるはずです。ですから、投資市場で「負け組みはいつも負け組み」と言われるわけです。では、これらを少しでも改善する方法はないものでしょうか。

ではまず、この記憶の整理から行ってみましょう。現在考えていることをできるだけ脳内に近い形でノートに書き出すことです。たとえば今考えていることが投資で良い成績を収めたいと考えるならば、まずノートの中央に「株式投資」と記入します。

そして、株式投資で成績を上げるためには何が必要かを考えます。たとえば「分析手法」「資金管理」「リスク管理」「投資心理」などと、ノートの中央の「株式投資」のまわりに各項目を書き入れて、それらを線で結びます。

「分析手法」であれば、自分に合った手法が「短期売買」であれば、「分析手法」から線でつないで「短期売買」と記入します。さらに「短期売買」でもどのような手法か記入します。デイトレードとかスイングトレードとか。そして、さらに細部にわたって線を繋げながら記入していきます。

同様に「資金管理」の項目には、現在利用できる投資金額や信用取引であれば投資限度額などを線で繋げながら記入していきます。さらに最大の損切り金額や損切り幅などを記入していきます。

以上のように、あまり深く考えず今考えられることを「株式投資」を中心に書き込んでいくのです。とにかく今考えられることを記入します。時間を置いて、何か浮かんだら追加しながら記入していきます。

ある程度書き込んだら各項目について毎日、検討、修正し一覧表を作るのです。これを「マインド・マップ」と言い、問題解決の手法の一つです。私もこれらを記入し検討しています。

私は以前より「投資とは継続するものなり」と述べています。私の記入したマインド・マップには中央の「投資」から「継続する」という項目があります。その先には「継続する」→「相場を見ない」→「趣味など他のことをする」という一連の項目があります。

これは毎日相場変動を見ていると相場にのめり込み、我を忘れ客観性がなくなってしまうことや時間の無駄であること。自分を戒めるための項目でもあるのです。

以上のようなマインド・マップは、現在多くの企業や個人の問題解決策として利用されています。

「マインド・マップ」の定義は・・・。
『頭の中で考えていることを脳内に近い形に描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくするもの。中心となるキーワードから関連する言葉やイメージを繋いでいくことで、考えをまとめたり、複雑な問題の解決策を見いだすことが容易になる。コミュニケーションや企画力、精神力などのトレーニングとして教育現場やビジネスで広く使われています。』

私はさらにもうひとつの方法を採用しています。決して難しいことではありませんが、あまりなじみの薄い方法かもしれません。それは、その問題について考えつくあらゆるすべての事項(問題点や思いつく解決策)を箇条書きに書き出します。これ以上考えられないという限界まで考えつくすべての項目を書き出します。そして、それを何度も読み返します。

暗記できるほど読んだら、その書き込んだものを燃やすか捨てるかします。その後は、そのことを一切考えず日常生活を送ります。ここで大事なことは、その後は一切考えないことです。

しばらく日常生活を送っていると、ふと解決策がひらめきます。そして、自然と正しい方向に進みます。このような話をすると、なにか胡散臭いとか科学的根拠がないじゃないのと言われます。

私は次のようにたとえて話をしています。まずジグソーパズルがあります。そのピースが少なければすぐに完成します。もしピース多ければ完成には時間がかかります。「ふと解決策がひらめきます」は、それぞれのピースが組み合わさり完成したときです。何も考えなければ、ひらめきも起こらないはずですから。

話を戻して、人間は記憶の中に生きています。脳は箇条書きに書かれた問題を今までの記憶の中から最適な方法で組み合わせ解決を図ります。しかし、脳内での最適な組み合わせには時間がかかるものです。

ジグソーパズルのピースは箇条書きに書かれた問題に該当し、その数が多ければ多いほど組み合わせ(解決)には時間がかかるわけです。「その後はそのことを一切考えず・・・」は、脳が必死に解決策を考えているときに邪魔をしないということになります。

ここで「脳は記憶の中から最適な方法で組み合わせ解決を図ります」とあるが、なぜこのようになるのかと疑問が湧いてくるでしょう。私はこれらは「人間の生存本能に由来する」と考えています。

もうひとつあるとすれば、ポジティブなマインド・コントロールでしょうか。

問題解決策は各自それぞれお持ちと思いますが、ご参考までに。

安易に参入するべからず

日本の高度成長期を支えてきた団塊の世代はシルバー世代となりましたが、彼らは今何をしているのでしょうか。第一線でバリバリ働いていた世代がリタイヤした後に何を考え、今後どのような生活をするのでしょうか。

私が見ている限りでは退職後はまずゴルフ。そのゴルフのコンペも勤務していた会社の退職者のグループが中心です。序列も会社の組織のままです。すでに退職しているのに、呼び名は「部長」「課長」です。ちょっと滑稽ですが・・・。

ゴルフの次は旅行です。今までは仕事が忙しく、妻との旅行もままならなかったため、妻に感謝を込めて、ここで一気に旅行に出かけます。旅行先で妻は元気だが、夫は疲れ気味。

一般に、旅行は新しい発見や感動を求めるのですが、疲れきった抜け殻のシルバー世代では、旅行も疲れに行くようなもの(妻は除く)。旅行はやはり若いうちに行くべきですね。

そうこうするうちに、ゴルフのお呼びもかからなくなり自宅で趣味などと考えるも集中力がなくなり続かない。奥さんはいつも元気に友達と旅行やカルチャースクールなどに出かけている。いつの日からか妻と夫の立場が逆転している。

しかし、どのような状態となっても生活していかなければならない。生活していくには当然ながらお金が必要です。これらは、退職金や今後の年金などでまかなうことになると思いますが、これだけでは少々不安が残るという方も多いようです。少子化や年金問題などもありますので・・・。

これらを解決すべく、資金の運用を考えている方も多いと思います。現在は低金利時代のため、まず、国債などの債権や投資信託、株式投資、FX、商品投資などで効率的な運用を考えます。

FX、商品投資は別として、多くは、その運用先を投資信託や株式投資に求めるようです。積極的に運用を考えるならば、やはり株式投資になるのではないでしょうか。しかし、しかし・・・。

私にもこれらの相談が寄せられることがあります。「退職金を元に株式投資を始めたいのだが・・・」などです。「投資知識はありますか」とたずねると、ほとんどの方は「だいぶ勉強したし、知識はあります」と自信たっぷりの様子。

しかし、いくつかの質問をすると、まったく返事が返ってこない。今までの会社での役職などもあり、非常にプライドを持っているようであったのだが・・・。プライドが高い人ほど相場は下手というデータもあるようですのでご注意を。

そのような方のプライドを傷つけるようで大変申し訳ないのですが、私は、はっきりと「やめた方がいいですよ」と申し上げています。今後の生活のよりどころとなる退職金がなくなってしまうことが目に見えているからです。

一般に、株式市場に参入すると自分の今までの経験から投資の世界でも成功するのではないかと容易に考えてしまうようです。ちょっと待ってください!!。相場の世界は、会社で学んだことやプライド、一般常識が通用する世界ではないことを知っていますか・・・。

このような話をしても本人は馬耳東風。「今がまたとないチャンスなのに、やめとけとは何事だ」と反対に怒られてしまうしだいです。何をか言わんやである。

私自身の話で恐縮ですが、私自身も今まで大きな失敗を二度ほど経験しています。一度目は、誰でも経験することでもありますが、株式投資を始めた初心者であったころです。何も分からず、闇雲に売買して資金が膨らんだときに暴落にあい、やむなく投げたところが大底だったときです。

二度目は、ある程度経験を積んで自信がついてきてからです。慢心し天狗になってしまったのです。怖いもの知らずだった時代です。「おごれる者、久しからず」と言われるように、結局、そこでまた大きなダメージを受けてしまったのです。

以上のように、株式投資を専門として志す者にとっても、何度かの挫折や試練はついて回るものです。退路を断って、これらを乗り越える勇気がなければ投資の世界で生き残ることはできません。新規に参入される方は、もう一度、これらの点について考えられてはいかがでしょうか。

リタイヤ後の資金運用は誰でも考えることです。しかし、安易な考えで市場に参入すると返り討ちにあうことにもなります。あえて、何もしないという選択肢もあることも考えの中に入れておくべきです。

最低でも5年は辛抱できる心構えと資金を持たなければ、投資の世界に参入すべきではないと考えます。その覚悟ができなければやめるべきです。私自身を含め、多くの投資家を見てきた結論です。

最後に注意をもうひとつ。投資関係でも何でも同様ですが、人が勧める話には乗らないこと。執拗に勧めるということは、勧める人が儲かるから勧めるのであって、勧められた側は損をすることになるのですから・・・。


損切りできない理由

私の投資スタイルは相場の変動に係わらず常に一貫しています。軸はブレていないはずです。相場の乱高下に対しても「ヘッジ」「分散」「ロスカット」の基本スタンスを持って対処すれば、何も怖くはないはずです。あとは実行あるのみです。

株式投資の初心者でもない限り、これらの基本スタンスは理解しているはずです。特に、ロスカットなどの必要性は誰でも知るところです。しかし、わかってはいるができないのも投資の世界です。

くどくどと何度も同じことを申し上げるようですが、わかってはいるができないのです。では、これらの決断をスムースにできる方法はないのでしょうか。知識があっても最後に腰砕けとなっては、すべてがご破算になってしまいます。

これらの決断をできるようにするため、精神修行でもしますか?。実際に、これらの修行を行った投資家もいるようですが、このような精神修行を行っても相場にはまったく通用しません。投資の世界は一般社会と異なり、別次元のものなのですから・・・。

テクニカル分析を採用している投資家は、まず株価チャートを見ます。そして、あらゆる角度から検討し仕掛けの決断をし、仕掛けに入ります。ここまでは、あまり悩むことはないようです。同時に損切り幅の設定などもします。

仕掛けが無事済むと、毎日株価チャートを眺めて、あれこれと独り言を言います。ここで、株価が仕掛け値を割り込むようなことがあれば、頭を抱えながら沈黙します。そして、気を取り直して問題点を洗いなおします。「業績には問題ないので、一時的な現象か、それとも・・・」。

しかし、仕掛け値を大きく切ってくると考えが一変します。まず、当初設定した損切り幅と見比べます。「まだ損切りのラインまできていないので・・・」。しかし、非情にも損切りラインを大幅に下回ってくると「損切りしなければいけないのは分かっているのだが・・・」となり、自分を納得させるかのように、あれこれと損切りしない理由を捜し求めます。「ここの下値抵抗線まで頑張ってみよう」などと。

これらの損切りが1、2銘柄程度ならあまり悩まずできるでしょう。しかし、大暴落のように、持ち株すべてが一挙に損切りラインを通過してしまうとパニックに陥ってしまいます。

一般的には、このような状況でなぜ損切りができないのでしよう。今度こそはと思ってもなぜかできないのです。これらを解決する方法はひとつあります。それは、仕掛け時に逆指値の注文を同時に出しておくことです。しかし、せっかく逆指値をしても、あれこれ迷って変更したり取り消したりしては元も子もないのですが・・。

また、損切りが実行できない理由として、これは誰でもすることですが、仕掛け後に仕掛け銘柄の推移を株価チャートで見続けるということも原因のひとつとして上げられます。これらは心理面からですが、仕掛け後の株価の推移を見続けると、どうしてもその銘柄に思い入れが強くなり、何かの理由をつけて損切りができなくなってしまうという投資家特有の心理が働くようです。いずれにしても、損切りができて初めて利益の出せる中級者となれるわけですから・・・。

これらの問題を振り返ってみると、まず、「損切りは機械的に逆指値で注文をしておく」については、仕掛け後は投資家の感情は一切入らない。また、株価チャートなどを見続けると感情的な思い入れが強くなり、損切りができなくなるので、「感情を排除するためできるだけ株価チャートは見ないことにする」。見るのは終値だけ。つまり、これらは投資家の感情を排除して機械的に損切り処理を行うということに他なりません。

と言うことは、投資家の感情を断ち切るほど相場はうまくいくということになりませんか。逆に言えば、機械的売買が成功への近道と言うことになりませんか。相場で一番難しいことは「投資家の感情のコントロール」であるということは何度も述べています。

少々強引な結論ですが、投資の究極は、投資家の感情を排したシステム売買に行き着くものと考えます。たとえ、裁量的な売買であっても、確たるルールと揺るぎない決断力があれば、それも立派なシステム売買と言えるのではないでしょうか。

嘆き

相場が下がると「株で損をした」「塩漬けで動きが取れない」「投資金が半減してしまった」「株はもうこりごりだ」などの嘆きの声が聞こえてくる。相場が下落すればいつものことである。

投資家は、これらの対策に頭を痛めているようです。その対策も各自各様であると思いますが、何か基本的なことが忘れているような気がします。

これは個人投資家と話してみるとよく分かります。私だけが感じることかもしれませんが、皆さん一様に社会的に人格者のように思います。社会的な知識や常識も持ち合わせており、それなりの道を全うしてきた方が多いようです。

以前にも「相場の世界は一般社会と大きく異なる」というコメントをしましたが、社会的な地位もあり人格者と言われている人であっても、いざ相場の世界に入ると赤子のようになってしまうようです。何がそうさせるのでしょうか。

これは、何度も解説しているので改めて説明はしませんが、結局は「何かが間違っている」ということです。失敗の原因は「間違い」により引き起こされるものです。とすれば、その「間違い」を正せばよいわけです。

「間違い」を正すことにより、現在のような状況は回避されるはずです。しかし、相場の世界は特殊な世界であり、多くの投資家は、その「間違い」すら気づかないようです。たとえ気づいたとしてもその対策がわからない。対策を知っていても感情が邪魔をして実行できないなど。

私は個人投資家から質問を受けることがあります。これらに対し、速やかに返事しているつもりですが、その内容については、一般社会ではあまり取り交さない質問もあります。

たとえば「株で損をしてしまった。どうしたらよいか教えてくれ」等の質問もあり、これらの質問に対してどのように返事してよいか困惑してしまいます。やむを得ないことかもしれませんが、あまりにも幼稚すぎませんか。常識をわきまえた人格者がするような質問ではないような気もするのですが・・・。

投資の世界は「自己責任」であることは誰でも知るところですが、株式投資には、ライセンスが必要ありません。投資資金さえあれば知識や技術がなくても市場に参入できます。知識や技術がなければ当然負けることになります。

修羅の世界でもある投資市場に、何の武器(知識・技術)を持たず参戦するのはあまりにも無謀すぎます。市場には、大量の資金を抱えたプロ集団が存在します。これらに対して無防備なよちよち歩きのひよこが入ってくると当然ながらパクリと。

ここで私が申し上げたいのは、個人投資家が市場で運用しようとする投資資金は、それなりに苦労と時間をかけて積み上げてきたものであると思います。そのような大事な虎の子を安易に大きなリスクに晒すようなことはしないでほしい。投資資金をもっと大事にしてほしいのです。

もっと勉強するべきです。そしてレベルアップしてください。理論武装してから戦いに挑みましょう。安易な宣伝や情報などに振り回され、大事な投資金を失わないようにしていただきたい。投資の本質を理解していただきたい。

そして、投資の決断するとき自分自身に問いかけてください。「今、自分は冷静であるか」と。周りの雑音に振り回され自分を見失うことのないように、そして最終決断は必ず自分の意思で行ってください。

投資の世界では最後に頼れるものは自分自身しかいないのです。誰も助けてはくれません。嘆き悲しむ前に、これらのことをしっかり肝に銘じて取り掛かってください。

しかしながら・・・、
投資の世界では、まず、その理論や売買術をマスターすべきと論じられています。これらは正しく、理論や技売買術は武器であり、これらは戦いに勝つための大きな要因になります。しかし、私は長い間、投資の世界を見てきた中でもっと重要な要因があることを学びました。

突然、人間が究極の選択を迫られた場合、目の前でフラッシュをたかれた時のように一瞬何も見えなくなってしまう時があります。このときに、どのように考え、どのような行動をとるか。そのときの判断によって、その後の状況が大きく変わってしまうことがあります。

これらは、学習しても学べるものではなく、本人の持っている「何か」によって決定されるものです。投資の世界では、このような人間の奥深い所まで入り込んでくることを理解しておかなければなりません。

これらは投資家自身の本質的な問題です。十分な理論や売買術を持っていても落とし穴に落ちてしまうような。一歩踏み外すと戻ることができないような。それらが何であるかお分かりいただけると思いますが・・・。たとえプロのトレーダーであっても避けて通れない道なのかもしれません。

このように、投資の世界は甘い世界ではありません。一般社会より厳しい世界です。投資知識を学び、売買技術を習得し、そして、自分自身の本質的な性格を理解して取り組まなければならないことをしっかりと認識していただきたい。

怪しいやつ

以前、政府は個人マネーを株式市場に呼び込むため、「貯蓄から投資へ」とのスローガンを掲げていた。しかし、ある政治家から「株をやっていると、何となく怪しい(と思われる)」との発言があった。

私は怪しいやつなのか・・・。「怪しいやつ、信用できないやつ」は、本当は君たち政治家じゃないの。

しかしながら、ある意味では的を得ている発言でもあったと思います。前回コメントした内容のとおり、実際、日本人の株式投資家に対する認知度はその程度なのでしょう。私の感想としては、悔しくもあり情けなくもありです。

なぜ日本の投資家は、世間一般から「怪しいやつ、信用できないやつ」などとさげすまれた目で見られるのでしょうか。なぜ、投資家は信用に値しないのでしょうか。欧米では、投資で利益を得ることはステータスであるとも言われているのに・・・。

投資の世界は、たとえ投資で儲けたとしても投資の経験のない第三者からは、そのお金は「あぶく銭」のように見られます。まるで額に汗しない不労所得のように写るのでしょうか。額に汗して稼ぐことが美徳とする日本の社会だからなのか。

投資経験のある方であれば理解いただけると思います。投資で稼ぐということがいかに大変なことか。いかに悩み、苦しみ、そして神経もボロボロになり、苦悩の連続であるか。額に汗して稼ぐことがいかに楽であるか・・・。投資家は、背中に冷や汗をかいて頑張っているのに。

投資経験のない人には、このようなことはたぶん理解されないでしょう。表面だけしか見ていませんし。しかし、体験のない人に理解してもらう必要もありません。所詮、投資の世界は、体験しないと分からないものですから。実力を付けて、周りの雑音など気にせず、我が道を行く気構えで頑張りましょう。

「怪しい」などと言われる根拠を私なりに考えてみました。まず、日本の投資家で儲けている投資家が少ないことが上げられると思います。投資で損をすると、結果的に家族や周りの人たちに直接、あるいは間接的に迷惑をかけることになります。

これらは金銭的な問題だけでなく、投資家自身も損をすることでストレスやプレッシャーなどの精神的なダメージを受け、それらがさらに周りを暗くしてしまうことになります。これらの要因が幾十にも重なり、結果的に投資は「悪」であるという烙印を押されてしまうのではないでしょうか。

世間からは何と思われてもいいのですが、これらを払拭するには何といっても儲けることです。株式投資を始めるからには利益を出さなければ、その意義も達成できないことになります。

欧米には、投資で利益を得ている投資家が多く、また、その利益を慈善事業などに寄付をしている投資家も多いと聞く。かの有名なジョージ・ソロスなども慈善事業に力を入れている。このようなことから、欧米では投資家が社会的に認知されているのでしょう。

儲けなければ寄付もできません。日本の投資家も慈善事業に寄付できるよう、そして、世間からも認知されるよう頑張らなければならないなあと感じました。

相場気質

現在、株式市場は安値圏から脱出しようとしているところですが、中、長期投資家には歯がゆいところではないでしょうか。安値圏のもちあい期の売買手法は、逆張りが効果的であることは分かっていますが、逆張り手法はいったん相場がブレークすると大きくやられてしまう危険もあるので注意をしなければなりません。

相場の方向感が定まらないと、当然ながら投資家の迷いも高まってきます。迷いやプレッシャー、ストレスは、投資判断を狂わせる大きな要因となることは周知の通りです。

ところで我々投資家は、株式投資は資本主義の根幹をなすものであり、企業の資金の調達の場でもあり、経済に大きく貢献するものであることを理解しています。決して、仮想通貨のような捉え方はしていないと思います。

しかし、投資活動を行わない一般の人達からは、株式投資はギャンブルと同一視されているようです。最近はそれほどでもないにしても、以前は投資の世界はギャンブルと同じように見られていたようです。ところで、一般の人々は仮想通貨をどのように捉えているのでしょうか、投資それともギャンブル・・・。

宝くじをギャンブルと捉えてている人は少ないと思います。ある人が宝くじを買ったとします。それを人に話すと「当るといいね、楽しみだね」などと言われます。一方、競馬などをやっていると、一般の人からは冷たい視線で見られます。私にしてみれば、どちらも確率の悪いギャンブルではないかと思うのですが・・・。

宝くじの配当は50%以下です。競馬は75%です。どちらがギャンブル性が高いのでしょうか。世間一般では、宝くじはいいが、競馬はダメという雰囲気です。宝くじを買う人は、その根拠を口をそろえて「夢を買うんだ」と言います。それはそれでよいのですが・・・。

ところで、株式投資家はどのように見られているのでしょうか。たしかに投資の世界では、その功罪の「罪」の部分が大きくクローズアップされるため、一般には、そのイメージもあまり良く写らないのでしょう。つまり、これは儲かっている人がほとんどいないという裏返しなのかもしれません。

人間の性格や気質はゲームなどをするとよく分かります。大負けした人は、頭に血が上り決してやめようとしません。負けを取り戻そうと必死です。誰でもこのような経験はあると思いますが、追い込まれると人間の本質が出てくるひとコマではないでしょうか。日本人にはこのような傾向が特に強いようです。

これらは投資の世界でも言えることです。大負けすると無意識に損を取り戻そうとあれこれ画策します。しかし、精神状態はパニックであり、冷静な判断もできなくなります。そのような状況下ではうまくいくはずもありません。

このようなことは、大なり小なり誰でも持っている人間の本質でもあります。株式投資はギャンブルではありませんが、日本人の気質は、傾向的にこのような投資やギャンブルなどには向いていないように思えます。

日本人は、それらに対する教育を受けていませんし、社会からは冷たい視線を浴びて、本人もまた心の奥底には、それらを悪とする潜在意識を持っているせいなのかもしれません。いずれにしても、我々には欧米人のような狩猟民族と異なるDNAがあるのでしょうか。

私自身、ギャンブルは行いませんが、やはり向いていないということは自覚しています。投資とギャンブルは本質的に異なるものですが、短期的なキャピタルゲイン狙いの投資は、見方によってはギャンブルに似ていないこともありません。

人間には大なり小なり射幸心という本能が備わっています。投資にせよギャンブルにせよ、人間の欲と射幸心が絡み合って、時には自分でも想像できないような行動をとることがあります。冷静になって、あの時なぜそのような行動をとったのか分からないといった経験はなかったでしょうか。

投資歴何十年というキャリアがあっても成績はいまだに初心者なみ。これらは、投資の世界が一般社会における経済活動とは異なる特殊要因に起因しているからです。投資においては、人間の本質を突いてくるような場面が数多くあり、投資家は、これらを克服できないため、いつまでもその成長を妨げる結果となります。

難しい問題ではありますが、投資の世界に身をおく者は、自分自身の本質や気質、性格の部分まで変える事が困難であるため、その運用において、投資家が追い込まれてしまうような状況をつくらない運用手法を考えていかなければなりません。

以上の問題については、投資の理論やその手法より格段に重要なことであり、投資家各自がこれらの問題と真剣に向き合い、自己診断して、今後その対策を考えていかなければなりません。

性格に回帰する

今まで私なりに良いと考えられる投資手法やその考え方について述べてきました。しかし、売買技術や理論を習得したからといって誰でも儲けることができるわけではありません。同じ分析システムを利用しても、ある投資家は利益を得て、ある投資家は損をするという結果もあるわけですから不思議なものです。

それでは投資損益を左右するのは、投資理論や売買技術のほかに何が必要なのか考えてみましょう。

投資家は仕掛け時に、あれこれシナリオを描いて仕掛けに入ります。意に反し、仕掛け後に企業業績が下方修正となり株価が下落してしまったとします。当然ながら評価損が発生します。しかしながら、持ち株はそのまま持続。仕掛け時のシナリオが崩れたりにもかかわらずです。投資初心者のお定まりコースです。

投資家は自分なりにルールを作り、絶対厳守の決意で市場に参入します。しかし、実際に売買すると、当初決めたルールも守れない。システム売買だと言ってもあれやこれや自分に言い訳しながらシステムの指示が守れない。誰でも経験があるのではないでしょうか。

システム売買が続かない理由はこの辺りにあるのです。システム売買は完全に投資家の意思を無視した売買であるため、通常の裁量的売買よりきついかもしれません。よって、システム売買が一般化しないのはこのあたりではないでしょうか。

これではどのような素晴らしい手法を持ってしても収益にはつながりません。どのような分析システムを利用しても収益は望めません。投資活動をしていると、このような投資家特有の心理状態に陥ることも多く、結果的に操縦不能となって沈没してしまうことになりかねません。

なぜでしょうか。投資家は誰でも大なり小なり自分は投資知識があり、その手法も理解しているというプライドを持っています。「私に限ってそんなことはない」と。つまり、心理の深い部分で、自分の非を認めたくないという心理が働くものです。

むかし、投資家でもあり評論家でもある人が「自分の考えは間違っていない、間違っているのは相場のほうだ」と言った話はあまりにも有名であり、こっけいな話でもあります。このような考えは潜在的に誰でも持っているようです。

相場では迷いや苦悩の連続であり、常に決断を迫られ、人間の本能の部分が大きく揺さぶられることになります。地位や年齢など一切関係のない、本来の人間に備わっている潜在的な心理や潜在的な部分まで入り込んでくるのです。このように投資の世界はメンタル面において非常にハードなビジネスであることを理解しておくべきです。

投資では、常に緊張状態の連続であり、大きなストレスがかかってきます。「緊張状態の連続とストレス」。人間が長期間このような状況下に置かれた場合どのような結果になるでしょうか。

人間が極限の状態に置かれた場合、本来自分が持っている「人間性」が出てくると言われています。皆さんも体験したことがあると思いますが、普段はみんなに好かれる良い人でも突然の緊急事態となったときなどに、人格が変わり、その人の「本性」を垣間見たということはありませんでしたか。

このように普段は普通の良い人であっても、極限の状態に置かれたときに人格が変わってしまうこともあります。大暴落などにおいてパニックになり、判断が付かなくなり右往左往と・・・。このときの自分が本来の自分の姿かも知りません。

このようなことから、どのような投資理論を持っていても、どのような売買技術を身につけていても、相場では負ける人はいつも負け、勝つ人はいつも勝っているというという結果になります。私が常々申し上げている「投資の成果は、最終的には投資家本人の性格に回帰する」と言うことはこのことなのです。

このような問題は、投資家であれば誰でも今後体験することであり、また大きな壁でもあります。株式投資で多少の利益を上げても、精神的に破綻したり、日常生活に支障をきたすようであれば、本来の目的である豊かなゆとりある生活が達成できなくなってしまいます。

これらの問題は、投資理論や投資技術以前の問題です。これらは投資家に共通した問題であり、投資家本人が克服しなければならない大きなテーマでもあります。相場で儲かるか損をするかは案外このようなところにあるのかもしれません。

人間は追い込まれると弱いものです。相場におけるこのような現状を十分理解して日ごろからその対策を考えておかなければなりません。

流れに沿った売買 そのⅡ

我々個人投資家は外部環境がどのようになろうと、したたかにチャレンジして行かなければなりません。前回、どのような相場環境でも継続的な運用を行うには「流れに沿った売買」が適していると解説しました。

暴落などは、投資の世界の恐ろしさをまざまざと見せ付けられます。そして、投資家はそのような環境の中で多くの体験をします。それらの体験の中で、もし、その売買を「流れに沿った売買」であったとしたらいかがだったでしょうか。

「もし」という仮定の話は相場の世界では通用しないことは承知していますが、暴落の場合「流れに沿った売買」であれば、ほとんどの銘柄が「空売り」となって、それなりの利益も見込めるのではないでしょうか。

では「流れに沿った売買」とは、具体的にどのような手法を言うのでしょうか。「流れに沿った売買」とは、大きな意味での「順張り」ということになります。つまり、下げを確認してからの「空売り」、上げを確認してからの「買い」ということです。

これらの判定如何で投資成績が大きく変わってしまうほどです。しかし、これらの判定は非常に難しく、私自身も長年研究をしていますが、究極のシステムの完成には至っておりません。もしかして、これらの判定は永久に無理なのか、あるいは、まだその究極の手法が発見されていないのか・・・。悩むところです。

仮に、その判定の確率が50%とします。つまり勝率が50%であるということです。勝率50%であるとすれば、この条件下で利益を上げようとするならば、やはり、利益の時は大きく、損の時は小さくする以外の方法はありません。

しかし、これらは理屈であって実践となるとなかなか難しいものです。そこで、簡易法ながら、ひとつの考え方を提示してみたいと思います。これらは、あくまでも考え方として捉えてください。

まず、一番簡単な「流れに沿った売買」は、株価が高値から○%下げたら下降転換、株価が安値から○%上げたら上降転換とすれば、安易にその判定はできるはずです。しかし、実際にこの手法で売買しても収益は上がらないと思います。なぜなら、それは誰でも考えそうな手法ですから・・・。

実際には、これらの転換で売買をするのではなく、転換後の手法が重要になります。ここで、ある程度の転換点を見出した後に、その転換に沿った逆張りを行うのです。ここで重要なことは「この逆張りは、転換を確認してから行う」ということです。

ここでの逆張りは、決め打ち的な逆張りという意味ではなく、買いの場合であれば「下げ止まり」を確認後ということになり、空売りの場合であれば「上げ止まり」を確認後に仕掛けに入るということになります。「上げ止まり」「下げ止まり」は、ある意味では、超目先的な順張りと言えなくもないのですが・・・。

買いに入ったら「上げ止まり」で利食いします。空売りに入ったら「下げ止まり」で利食いします。もし、目先売買の場合に、買いの仕掛け時の「下げ止まり」の最安値を切ったら損切りする、空売り仕掛け時の「上げ止まり」の最高値を抜けたら損切りするなども効果的です。

ただし、上昇転換を確認したら、その後の売買は下降転換するまで「買いのみ」で行うものとします。下降転換を確認したら、その後の売買は上昇転換するまで「空売りのみ」で行うものとします。

ここでの「上げ止まり」「下げ止まり」の確認は、一般の目先的なテクニカル分析指標でも可能であると思いますが・・・。

相場格言に「森を見て、木を見よ」とありますが、ここでの森は「転換の判定」であり、ここでの木は「転換後の逆張り」に当たります。

「上げ止まり」「下げ止まり」については、拙著「仕掛け・損切り・利食い、プロのノウハウ」に記載されていますので参考にして下さい。

以上のような考えのもとに投資手法を組み立てることにより、継続的な運用が可能な「流れに沿った売買」となるのではないでしょうか。私が長年、相場の世界を体験してきて、現在考える中ではベストな投資手法ではないかと思われます。これらの考え方は、遠い昔の中国の投資指南書にも書いてあったような気がします。