日本人と相場

日本人の特徴は「真面目である」「秩序を守る」「礼儀正しい」「きれい好きである」「約束を守る」など、民度、素養の高さは世界一といっても言い過ぎではないだろう。なぜなのだろうか。

それは日本の歴史の長さにあると思う。島国であり、単一民族であり、また、四季に恵まれた国である。一貫して継続され長い歴史を持った国である。神武天皇が大和の地に国をつくり、王朝が一度も滅びることなく続いている。日本は世界最古の国です。こうした事実は日本人として誇るべきことだと思います。

また、日本は古来、農業国であった。つまり、日本人は農耕民族であった。農業は主として米作りである。米作りは春に田に水を引き、耕し、苗を植え、秋に刈り取るという作業の間には台風などで風水害もあるだろう。しかし、日本人はそれらを乗り越え、コツコツと農作業を続けてきたのである。

田植えや稲刈りの作業は一家族では賄いきれず、人手を借りての共同作業であった。このような生活の中から、コツコツと努力することや他人への思いやりや礼儀などの作法を身につけたに違いない。我々日本人には、長い歴史とともにこれらがDNAにインプットされてきたのだと思う。

前置きが長くなりましたが、そこで、日本人と相場について考えてみたいと思います。日本での相場の常識とされた「株式投資とは長期に持つものである」について考えてみると、これは農耕民族の資質とうまくマッチしているような気がします。

米作りのように種を蒔いてから刈り取るまでじっくりと待つ。つまり長期投資である。そこで長期的に積み立て投資すれば、株価の変動リスクを抑制でき、最終的には安定した利益を確保できると考える。これはにドルコスト平均法という投資法である。

ドルコスト平均法は、規律のある積み立てで時間分散を進めれば、長期的に収益が上がるという考え方だ。しかし、現実的に長期間にわたり規則正しく、同じ投資信託などに積み立て投資を続けてきた人はどれだけいただろうか。

大手の会社には「従業員持株会」などがあり、毎月の給料から一定の金額を拠出して、その会社の株を買うというドルコスト平均法的な持ち株制度がある。これらも長期投資でコツコツとという考え方からである。我慢すれば報われるという理屈だ。

このような投資スタイルは日本人の性格に合っているようです。しかし、このような投資法も日本経済も発展し、今後も会社がある程度成長していくという前提に成り立っている。しかし、現状を見てみると、シャープや東芝などの例もある。

辛抱強いのも日本人の特徴でもあるが、雨にも風にも負けず辛抱強くバブル崩壊やリーマンショックにも絶えて長期投資ができる人は果たしてどれだけいるだろうか。長期投資は今後も日本経済は上昇するという前提に立っているように思う。

振り返って、日本の成長は高度成長期とバブル期である。このように時期がまた来ると考えてのことだろう。少子高齢化などを考えると高度成長期やバブル期のようなことは期待できそうもない。よって株式市場もこれからは上がったり下がったりの往来相場が続くような気もする。

日本人は民度も高いし、素養の高い。しかし、このような日本人の性格や気質が相場に適しているだろうか。日本人の性格からすると長期投資が最適かもしれない。それを否定するつもりはないが・・・。ある古参の投資家が言う。「高度経済成長が終わった日本では、相場は上がったり下がったり。長期投資が良いなんて幻想だ。長く持ち続ける事ほど辛いものはない」と。

結論は投資家の成績がその証明することになるだろう。

焦らないことです

若葉も芽吹きはじめ、晴れた日には清々しい気分にもなります。ところが・・・。手持ち株の成績を見てみると、いまひとつ気分が晴れない。

なぜだろうと自分に問いかけても分からない。とにかく成績が芳しくない。今のやり方が不味いのかなどと考え、他の手法を模索し始める。しかし、これは今まで辿ってきた道でもあり、同じ繰り返しのような気もする。

自問自答するもなかなか答えが見つからない。このようなことは誰でも経験することであり、常に投資家の頭痛の種となっている。私も何度も経験しており、投資家の避けることのできない道なのかなあと思っています。

しかし、日経平均のチャートを見てください。ここ直近では下降となっていますが、以前の日経平均の株価の動きは小幅な往来相場となっていました。つまり、相場にボラティリティがない状況が続いていました。

我々、短期投資家は値幅取りを目指しています。できるだけ大きな値幅を取ろうとしています。しかし、その相場変動が小さければ値幅もあまり取れません。変動か小さいということは、買い仕掛けしたもののすぐに反転してしまうということになります。

これは当然です。上下の変動幅が小さいためすぐに反転してしまいます。結果として成績が芳しくないとなります。相場全体の変動が小さいため取れないのです。投資手法が原因ではなく、取れない相場展開なのです。トレンドが発生していなかったのです。

このような展開はよくあることで、自分の投資成績ばかり見て唸っていないで、現在の相場状況の見極めも必要となってくるのです。

相場格言に「木を見て森を見ず」とありますが、まさしく現在がそのような状況ではないでしょうか。焦らないことです。『焦りと緊張は多くの失敗を招く』。

答えは常に自分の手の中にある

投資初心者や個人投資家は誰でも安いところで買って高いところで売りたいと思います。私だって望むところです。できるだけ安いところを探すため、移動平均線から、できるだけ大きいカイリ率の銘柄などを探します。

この手法は逆張りとなります。投資手法はどのような手法でも良いのですが、この逆張り手法では売買のチャンスが少なくなります。ハンターが木陰に隠れて獲物がくるのをじっと待ち構えているようなものです。

売買手法はともかく、投資市場は自己責任を前提に自由です。絶対のない投資市場ですが、私なりに長年研究してきた過程で、明らかに間違っていると思われる手法は理解しているつもりです。

では、明らかに間違っている手法とはどのような手法かと興味の湧くところでしょうが、これらについては当欄で何度も解説しています。結論的に言えば「結果的に儲からない手法」ということになります。バカにするなとブーイングもありそうですが、事実は事実です。

では、儲かる手法はどのような手法かと質問されるでしょう。結論は「分かりません」となります。またまたバカにするなとブーイング・・・。長年研究していてもなかなか結論は出ないものです。ただ、儲かりそうだという方向性は見出しているつもりです。

いつものことで恐縮ですが、私の語録に『答えは常に自分の手の中にある。ただ気が付かないだけである。今まで自分が辿ってきた道にその答えがある。』とあります。これは私の投資体験から生まれてきた言葉です。

投資の世界では欲が絡み感情的になって見えるものも見えなくなってしまいます。皆さんも体験はあるでしょう。興奮状態で売買し、後になって、なぜこのような売買をしたのかと振り返ったことがあるでしょう。

相場の世界では冷静さを失い、投資の基本を忘れ、自己の売買ルールさえも忘れてしまうことがあります。つまり、冷静さ、平常心を失っては、見えるものも見えなくなり正しい判断はできなくなります。「欲は盲目」

正しい判断(答え)は常に自分の手の中にあるのです。今まで経験した投資体験の中にその答えはあるのです。それを欲という雑念で見えなくなってしまうのです。誰でも成功体験、失敗体験から学んだことがあるはずです。通常なら、それらの体験が積み上がって成長していくはずです。しかし、相場の世界だけは、その学習が生かされないのです。同じ失敗の繰り返しです。その理由はすでにご存知でしょう。

上記の内容は、投資家個人の考え方や価値観に依存するところであり、何も私が強制するものではありません。しかし、長年投資の世界に携わってきた私の現在の投資に対する方向性は「順張り」と「損切り」です。

正しい答えは常に自分の手の中にあるのです。目の前にあるのです。

中断、放棄の空白

最近の話題は新聞でもテレビでもトランプ大統領の話で持ちきりである。政界、財界も今後トランプ大統領がどのような政策を出してくるのかと戦々恐々としているようだ。

私は、お化けが出てくるわけでもないので、日本に影響のある政策が出てきたならば、それらに対し検討、分析をして最善の対策を講じるべきであって、何も分からない時から異常に神経を尖らせ一喜一憂する必要もないだろうと思う。

これは相場においても然り。先のことは分からないので、何が起こっても良いように万全の対策を採っておけばよい。備えあれば憂いなしである。今、成すべきことは、現在の仕事に集中することである。

さて、投資家の日常は勝っては歓喜、負けては絶望の繰り返しであろう。もし、負けが続くようなものなら落ち込んでしまい投げ出したくもなる。さらに追証などの連絡がくると絶望し、頭を抱えて青天の霹靂状態となる。

このような時、次に投資家はどのような行動を取るだろうか。私にも体験があるのだが、好むと好まざるにかかわらず、多くは「一時休憩」となるであろう。中には「もう相場などやるものか」と市場から退場していく者もいるだろう。

私も同様の体験があり、友人たちは一時仕事を離れて気分転換に旅行にで行ってきたらなどと親切にアドバイスしてくれる。私自身は気分転換が下手なほうなので、残念ながら親切なアドバイスも実行していない。また、酒でも飲んで気分を晴らしたらなどとのアドバイスを受ける。しかし、私は酒を飲んでも悪い状態は何も変わらないと思っているので、今でもヤケ酒は一切飲まない。

このような状況に追い込まれた場合、私自身の体験を踏まえてアドバイスをしたいと思います。このアドバイスが適切であるは、はなはだ疑問ではありますが・・・。ただし、このアドバイスは相場を趣味的に捉えている投資家ではなく、専業投資家に対してのアドバイスですのでお間違いのないように。

古い話ではありますが、『第二次大戦当初、日本空軍はイギリスの絶対沈まない不沈戦艦といわれていたプリンス・オブ・ウェールズをマレー沖海戦で雷撃及び爆撃し撃沈させた。その報を受けたチャーチルは「これほどの衝撃はなかった」と回想録に記している。第二次大戦時に活躍したゼロ戦をはじめ、日本の戦闘機の優秀性は誰の記憶にもあるでしょう。それは当時、日本の戦闘機の優秀性と操縦者の技術力、能力などのレベルの高さを証明したものである。しかし、戦いに敗れた日本は、その後7年間GHQに占領され、日本にあった軍用、民用を問わずすべて壊された。GHQは航空機の製造から研究まですべて禁じた。これは日本人の精神的な強さや能力、優秀性、高い技術力を恐れたためであろう。今になって考えると、この空白の7年間は、その後の日本の航空産業や技術の発展は世界に対して大きく後れを取ることになった。最近になってやっとジェット旅客機や戦闘機の製造を始めたようだか、もし、この空白の7年間がなかったら、日本人の優秀性や技術力、高い能力を持ってすれば、今では自動車産業と同様に航空機産業も世界を席巻していたに違いない。』、とても残念なことだ。

以上のように、研究の中断、放棄の空白の期間が長くなれば、それだけ技術や能力、体験が衰退していくものである。これがいかに後々に悪影響を及ばすかが良い例であろう。当欄で何度も申し上げていますが、相場に手が合わなくなった場合でも株数を減らしてでも市場に留まるべきであると考えます。相場格言に「休むも相場」とありますが、これは投資を生業としている私はとらないところです。

「何事にも落胆しない、あくまでもやり続ける、決して断念しない」

投資の真髄や理論

投資家はそれぞれ投資戦略を持っていて「自分のやり方は常に正しい」と思いがちです。また、投資関連の書籍では常識とされるような必勝法が紹介されている。しかし、それを無条件で信じるのか、また、一つの仮説として実際に検証してみるかで大きな違いが出てきます。

前回もゴールデンクロス売買を解説しました。これらを実際に模擬売買をしてみると、累積損益がプラスになる期間はあったものの、マイナスになる期間もあり、常に良い結果が得られなかった。

では、その他のテクニカル指標ではいかがでしょうか。自慢するわけではないのですが、私ほどテクニカル分析の研究をした者はいないのではと自負しています。当然ながら今までほとんどのテクニカル指標の検証は行いました。

しかし、その結果としては、上記のゴールデンクロス売買と同様の結果となっています。そのため現在ではオリジナル指標の開発にまい進しています。今でも夜遅くまで研究しています。

そこで最近感じることをお話してみたいと思います。株式投資では売りと買いしかないわけですから売買システムもあまり複雑にする必要はないということです。以前に移動平均線を何本も引いて「ここの時はこうする」などと熱心に説明したシステムもありましたが、そのシステムも今はない。

システム開発で一番陥りやすいミスとは「最適化」という罠です。最適化とは過去の一番良いところだけをチョイスして集計しているだけです。ですから過去のパフォーマンスはすばらしいものとなります。

投資家が、これらのパフォーマンスを見て「これはすばらしい」とシステムを採用する。その結果は明らかである。過去の右肩上がりのパフォーマンスから実践に入ると見事に右肩下がりとなります。当然です。そこに明らかに理論はなく、過去の良いとこ取りであるから・・・。私もこの罠にはまり時々失敗することもあります。

では、「テクニカル分析における理論などと偉そうなことを言っているが、あなたは理解しているのか」と質問されそうですが、偉そうに言っている私にも分かりません。ただ、言える事は、明らかに間違っているところを排除していけば、自ずからそこに投資の真髄や理論が存在するのではないでしょうか。これは明らかに無責任な回答でしょう。ごめんなさい。

私は今でも投資の真髄や理論が分からないから研究を続けているのです。しかし、最近の研究で分かってきたこともあります。あるひとつの分析指標である程度の期間(日足ベースで20年間)で緩やかではあるものの収益の上がるシステムが出来上がったとします。

そこに更に収益を上げようとあらゆる分析指標を追加して、そのパーフォーマンスを検証します。多くの指標を追加すると、それなりに収益はアップするものの満足する成果は得られませんでした。

納得しないまま、検証を続けているうちに画期的な指標を発見しました。実にその成績は50%アップとなりました。その指標とはいったいなんでしょうか。それは「損切り」でした。損切りを入れることにより「成績が50%アップ」、すばらしいではありませんでした。

投資とは売りと買いしかないシンプルなものです。なにも難しく考える必要はないのです。投資の真髄や理論はこのようなところにあるのかなあと思う今日この頃です。

己のほかに敵はなし

最近のの投資成績はいかがでしょうか。世界情勢の変化や不透明感の漂う経済状況の中、今後の市場を見通すことも難しくなっているようです。

日本の相場の歴史は江戸時代のコメ相場からと言われています。「相場の神様」と讃えられた本間宗久。宗久が残した「秘録」は21世紀の迷える投資家のバイブルとして頼りにされているようですが、現在、テクニカル分析に使われる「ローソク足」の考案者とも伝えられています。

このように日本の相場には長い歴史がありますが、その間に多くの相場師が輩出されました。伝説の相場師として名を残している投資家も多い。しかし、私が調査した結果では、これら相場師の晩節は有終の美とはなっていないケースが多いように感じました。

今でも著名な相場師と記憶されている投資家も調べてみると、途中で破綻状態となっていたが、幸いに助け舟を出してくれる人がいて助かったという話もある。れらから理解できることは、いかに相場は難しいかと言うことです。

相場はなぜ難しいのだろうか。相場が難しい原因は、投資家自身が難しくしているのではないか、とも考えられる。なぜなら「欲には際限がない」ということに起因している。儲かればもっと儲けようとして、さらに大きな資金を賭けようとする。つまり、欲のエンドレス状態である。これが一番大きな原因かもしれない。

もうひとつは「自己否定の拒否」であろうか。簡単に言えば、人は誰でも自分の考えは常に正しいと思っている。常に正しい行動をしていると考える。そこに自分が相容れない状況が入ってくると本能的に拒否する行動をとる。これは人間として当然の行為である。これは人間が生きていくための本能的な行為とも言える。

この本能的な行為は、相場においては「損失の拒否」という行動に繋がる。つまり、損失を受け入れたくないという心理が働く。結果として、損切りができないことになる。相場で「損切りができない」ことは致命的である。

このように相場を難しくしているのは、やはり「自分自身」ということになる。相場で負ける原因を世界情勢や経済状況のせいにするのは間違っている。私の語録に「己のほかに敵はなし。向かう敵は自分だけ」とある。

かなり精神論的になってしまいましたが、投資はビジネスと考えるも相手がいない。投資活動はひとりで悶々として行う。かなりハードである。そのためメンタル面が弱いと損失を被る前に人間的に破綻してしまうということも起こりえる。

しかし、メンタル面を鍛えると言っても一朝一夕で容易にできるもではない。上記のように人間としての本質を見極め、相場から距離を置いて客観的に捉え、感情移入せず売買することが良いのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

間違っているから・・・

米国の新大統領となったトランプ氏は就任演説で、「国を再建する。ワシントンから皆さんに権力を移す」と発言。選挙戦で訴えた「米国第一主義」を進めて、国内雇用の維持・創出や移民問題、社会基盤の修復をすることなどに言及した。

トランプ氏は減税についても言及している。もし、これらが実現するのであれば米国の景気は上向くだろう。米国の景気が良くなれば、当然ながら日本においてもその恩恵はあるだろう・・・。

日本の政治家や経済人は、トランプ氏の大統領就任で彼は政治経験もないし、その発言も際立っているので、今後の見極めが非常に難しいなどと口をそろえて言っている。しかし、そんなことを言っていても始まらない。その時々の情勢を的確に見極め、判断していくのが政治家であり実業家であろう。

「その時々の情勢を的確に見極め、判断していく」のは、投資家においても同じだ。投資家は先行きは分からないものの、現時点て的確な判断を下していかなければならない。投資とは将来に対して行うものであるが、その決断は「今」である。

結果として、現在の判断が正しければ将来は収益を生むし、間違えれば損失を被る。ただそれだけのことです。これを逆の方向から見てみると、現在、損切りし損失を被ったとすれば、それは、それ以前の判断が間違っていたことになる。

つまり、結果的に損をした、または損をしているということは、判断が間違っていることになる。もちろん投資の世界であるから損をすることは常にある。しかし、長期投資は別として、短期売買で何度も売買しているにもかかわらず2年も3年も利益が出ないということは、その判断が間違っているのではないだろうか。

「間違っているから儲からない」という図式ができあがる。では、間違いを正そうとする。しかし、何が間違っているか本人も分からない。当然だろう、これが自分の正しい投資法だと信じて今までやってきたのだから・・・。

ある自動売買のニュース記事があったので紹介します。

『日経平均連動型ETFで5日と25日の移動平均線を使って「ゴールデンクロスで買い、デットクロスで売る」という投資戦略を01年12月末から16年6月末の期間で実際に検証してみた。その結果、累積損益がプラスになる期間はあったものの、マイナスになる期間もあり、つねにいいパフォーマンスとは言えなかった。同様に、日経平均連動型ETFで、「ゴールデンクロスで買って、10%上昇で利益確定、5%下落で損切り」という運用を検証してみると、資産は02年8月~16年6月の検証期間内ではほとんどマイナスのままだった。』とある。

上記のテクニカル指標は「移動平均線」である。「資産は02年8月~16年6月の検証期間内ではほとんどマイナスのままだった」とあるように、実に14年間の検証でも収益は上がらなかったと述べている。

「移動平均線」はポピュラーなテクニカル指標であるが、上記のような利用方法ではダメという烙印を押されている。他の利用方法であれば活用できるかも知れないが、私には分からない。つまり、間違った分析指標の利用方法では収益を生まないことを証明する形となったが、結局「間違っているから儲からない」という図式が成り立つ。

私が極論すると、一般に出回っている分析指標は「使えない指標だから出回っている。使える指標は出回らない」と思えてならない。個人投資家には、あまり過去のデータを検証するすることは難しいかもしれませんが「投資の常識は非常識」ぐらいの気持ちで対応したいものです。

グローバル化の問題点

投資家であれば誰でも今後の経済見通しなどを占ったりします。これからの日本の経済はどうなるだろうか、そして、世界情勢はと考えを巡らします。景気が良くなれば儲かるのになあなどと期待します。

世界情勢を見ますと、昨年の大きな話題はイギリスのEU離脱であったのではないだろうか。EU離脱は何を意味するのだろうか。また、今年は米国でトランプ大統領が誕生しました。これらによって世界はどのように変わるのだろうか。

昨年まで世界では「グローバル化」が叫ばれていました。グローバル化とは「ヒト・モノ・カネの動きを活発化(自由化)させましょう」ということなのだろう。

グローバル化による「モノ」については、輸入品には自国の製品や農作物を守るため、関税がかけられています。こういった関税は、国内の産業を守るためには良いことではありますが、日本製品を外国に売る時に、 同じように関税がかけられてしまいます。

関税を高くすることは、グローバル化とは逆行していることにもなりますので、国際社会の場で圧力がかかることもあります。貿易という視点で見てみると、グローバル化が進む=関税の引き下げ・撤廃という問題が発生します。

「カネ」については、例えば、企業は商品やサービスを売って儲けを出します。できるだけ、商品を作る元値(=生産コスト)は下げて、 売る時は高く売りたいです。そのため、生産コストの大きな部分を占める人件費を安くするため、企業は外国の賃金の低い新興国で商品を作り始めます。これによって国内の空洞化という問題が発生します。

「ヒト」については、グローバル化が進むと、自由に国境を越えて、他国に入国することが可能になります。ヨーロッパでは、シェンゲン協定という決まりを締結している国通しでは、パスポートやビザなしで出入国できます。

以上がグローバル化の骨子ではあると思いますが、はたしてこれが正しいのかと疑問を抱く人も少なからずいます。「カネ」に対するグローバル化の弊害の典型にリーマン・ショックがあります。

「ヒト」に対しては、グローバル化とは少し異にしますが、ヨーロッパでは移民問題が大きくクローズアップしています。また、メキシコ国境に壁を作り不法入国者を防ぐという話題もあります。異国人が流入することにより独自の文化の破壊なども起こります。「モノ」については、日本の農業政策に支障をきたしてきます。

世界各国は富める国、貧しい国があるのも事実です。民族性や言語の違いもあります。これら格差のある国を含めて、すべて自由化するには大きな障壁があるのも事実です。そこに明確なルールや倫理観がなければグローバル化も混乱をきたすことになります。

以前に解説しましたように「自由」とは素晴らしいものですが、そこに厳格なルールや倫理観がなければ最後には破綻することになります。ロシアを見てみてわかるように、ソ連の共産主義が崩壊しロシアが誕生して、資本主義に移行しようとしましたが、そこに高度な倫理観があまりなかったので、いまだ成長していない状況にあります。

また、深刻な不況からなかなか立ち直れないアメリカで、1%対99%と言われるように富裕層と貧困層の格差が最大に広がっているという。これは資本主義の行き着く先なのか?。ここに富裕層による高度な倫理観である社会還元がなされていないような気がします。

このような現状から、グローバル化の問題点が浮き彫りになってきています。前述のイギリスのEU離脱はグローバル化に逆行する動きでもあります。また、次期トランプ大統領の掲げている「アメリカ・ファースト」は、アメリカ第一主義。つまり、国力が相対的に停滞し国内にさまざまな問題を抱えるアメリカは、自国の社会、経済建直しを最優先し,国際的問題への関与を可能な限り控えるべきであるとする考え方です。

このように、イギリスのEU離脱、および次期トランプ大統領の掲げている「アメリカ・ファースト」は、グローバル化に逆行する動きでもあります。このような問題も考慮された上で、今後の世界情勢や経済状況を読み解く必要もあるのではないでしょうか。

私の格言に「世の中、いつの時代も矛盾だらけ。人は矛盾の中で生きている。世の中は常に距離をおいて客観的に見よ」とある。また「情報過多は迷いを引き起こす。マスメディアの情報の9割はノイズ(雑音)。時として、メディアにより真実が嘘の情報のもとに隠蔽されることがある」とあります。

責任を取らないマスメディアなどに振り回されることなく、世の中の情勢は、できるだけ主観を入れず客観的に観察して、これからの投資活動に役立てていただきたいと思うところです。

以上の内容には反論もあると思いますが、これらは、あくまでも私の独りよがりの「私見」でありますので、このような考え方もあるのだなあ、程度に留めておいてください。ご参考までに・・・。

規律、責任、心理コントロール

多くの投資家は、「収益を上げよう」と市場に夢を抱いて参戦します。投資家は収益を上げることが究極の目標ですが、その目標達成にはあらゆる考え方や投資手法があります。

投資家がそれらを自由に設定し、自分なりの手法で売買を行えばよいわけです。どのような方法でも構わないのです。投資市場は自由市場ですから・・・。しかし、自由とは聞こえが良いが、自由には大きな危険もはらんでいることは理解しておくべきです。つまり「規律と責任のない自由は暴走し、崩壊をたどる」と言うことです。

これらを投資に当てはめると「投資とは自己責任である。規律(ルール)がなければ暴走し、崩壊をたどる」となります。投資市場は自由市場ですが「規律と責任」は絶対厳守でしょう。これらが守られれば、後は自由に売買してもよいと言うことになります。

さらに、もうひとつ上げるとすれば「極度の緊張のない売買」でしょう。人間は極度に追い込まれると冷静ではいられなくなります。冷静でなければ正しい判断はできません。つまり、極度な緊張を伴わない売買手法を選択することになります。

たとえば、全投資金を一度に投入するとか、損切りできずいつまでも持続しているなどは、かなりの緊張感やストレスが発生します。このような投資法は避けるべきです。

よって、より重要なことはトレード時の心理状態を把握しコントロールすることです。心理コントロールができるか否かにより成績が格段に異なってくるのです。

「規律と責任」「心理コントロール」を投資の原点とし、しっかりとした目標を立て投資自身に合った投資スタイルを構築して大いに活躍していただきたい。

私からの提案は「規律と責任」「心理コントロール」とし、これらをしっかり理解し、身につけた上で投資活動を実践されることを願うものです。

失敗の原因の追究

投資家は、いつか利益を上げたいと強く願い投資を続けているが、なかなかその時は訪れない。長年投資活動をしているが、成績がいまひとつ芳しくない。このような投資家も多いのではないだろうか。

投資の世界にも少なからず勝ち組とされる投資家がいる。しかし、彼らも初めから勝ち続けていたわけではなく、大きな失敗を経験しながら何らかのきっかけで収益を上げられるようになったのである。

はじめは誰でも初心者であり素人である。初心者でもある時、大きな収益を上げることがある。しかし、それは続かず、どこかで大きな損失を被ることになる。多くの投資家は、この状態からなかなか抜け出すことができない。たまたま追い風に乗って利益を得ただけであり、まさにビギナーズラックだ。

では、勝ち組投資家は何がきっかけで勝ち組になったのだろうか。何が負け組の投資家と違うのだろうか。その要因はいくらでもあるだろう。

そのひとつの要因として、負け組投資家は負けたときにどのように考えるだろうか。「失敗だったな。気持ちを切り替えてまたがんばろう」などと思うのではないだろうか。そこに何か欠けていると思いませんか。

投資に負けると、その悪夢は思い出したくない、早く忘れようとする。多くの投資家はそのような心理に陥る。ここの「多くの投資家は・・・」は、結果的に負け組になる。なぜだろうか。それは誰でも考えそうなことは投資の世界では通用しないということだ。

そこに「失敗の原因の追究」が欠けている。なぜ失敗したのか、なぜうまく行かなかったのかの原因追求が欠けては、何の進歩も得られないのではないだろうか。私は、ここが勝ち組と負け組の分かれ道ではないかと考えます。

損失が続き、負け続けている状態から抜け出すためには、自分が損をしている理由、負けている理由を知らなければならない。負けている理由を知れば、それを改善することで負けは少なくなるはずです。

負け組の中に負けた理由を調べる人は少ない。なぜ負けの調査をしないのだろうか。「いやなことは早く忘れたい、面倒くさい、もっと楽に儲けたい」などの理由ではないだろうか。これではいくら売買を続けても勝ち組に入れることはない。

投資家は自分の売買を振り返り、自分の損失の理由、負けている理由を探すようにしなければならない。早く忘れたいなどと逃げ回っていては前進することはできない。予想や期待、願望だけでは、投資の世界での成功はおぼつかない。

株式投資に真摯に向き合い、損失の原因を究明し、その原因を取り去ることによって、投資家は、自分の勝ちパターンや売買ルールを確立し、勝ち組投資家の道を歩き始めることになるのです。